「設置」→「設定」のシンプルな流れで設定可能
今回、構築した環境は以下の通りだ。小規模なワンフロアの構成を想定し、インターネット接続のためのルーターの「RTX1210」を中心として、アクセスポイントの「WLX302」を1台配置している。WLX302はRTX1210に直接接続することも可能だが、今回はPoEによる給電でWLX302を動作させることを目的として、スマートL2スイッチ「SWX2200-8PoE」を経由して接続することにした。
ネットワーク構成図なお、各製品の主な仕様だが、ルーターのRTX1210は僚誌クラウド Watchの「ヤマハの新VPNルーター『RTX1210』を徹底レビュー! グラフィカルになったWeb GUI(http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/special/yamaha/20141211_678846.html」を参考にしていただきたい。
高い性能が魅力のヤマハ「RTX1210」正面背面一方、WLX302は、2.4GHzのIEEE 802.11b/g/nと5GHzのIEEE 802.11n/aに対応した製品となっており、本体にはLAN接続用の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応ポートとコンソール(設定)用のRJ-45ポートを搭載。企業向けのタグVLAN(IEEE 802.1Q)やSNMP(V1)、簡易型のRADIUSサーバー機能なども搭載している。
2.4GHzのIEEE 802.11b/g/nと5GHzのIEEE 802.11n/aに対応したアクセスポイント「WLX302」正面背面接続端末数は、2.4GHz帯、5GHz帯それぞれ最大50台の合計100台が目安とされているので、小規模なオフィスや拠点、店舗などでは、1台で十分にカバーできる性能を誇る。スケジューリング機能によって時間を区切って動作させることもできるので、オフィスや店舗の稼働状況に合わせた運用も可能な製品となっている。
スイッチの「SWX2200-8PoE」は、150Wクラスの高出力電源を搭載したPoE(1、3、5、7ポートはPoE Plus)対応の製品だ。今回は、WLX302をPoEで動作させるためだけに利用しているが、もちろんVLANなどの設定に利用可能だ。
PoE対応のL2スイッチ「SWX2200-8PoE」正面背面基本的な設定の流れは、「設置」→「設定」という流れになる。当たり前じゃないかと言われそうだが、実は、この単純な流れができないことも多い。
冒頭でも少し触れたが、企業向けのネットワーク機器の場合、箱をから取り出して最初にするのはコンソールでの接続というパターンが少なくない。実際に機器を設置する前に、少なくとも機器のIPアドレスを設定しておかないと、その後の管理ができないからだ。
しかし、今回の構成では、事前の設定は必要ない。WLX302を箱から取り出したら、オフィス内のしかるべき場所にいきなり設置し、SWX2200-8PoEに接続して電源をオンにすればいい。
ネットワーク上でWLX302を見失ってしまうのではないか? と心配する必要はない。設置後、RTX1210のWeb GUI設定画面を開き、LAN1インターフェイスでLANマップを有効化後、「LANマップ」というタブをクリックすれば、RTX1210の配下に接続されたSWX220-8PoE、そしてその配下に接続されたWLX302と、ネットワーク上の機器がグラフィカルなツリー形式で表示される。
LANマップを有効化RTX1210のLAN1(ポート1~8)に接続された端末がグラフィカルに表示される今回は、単純な構成としているが、これを実際に運用しているネットワーク上で目の当たりにすると、何やら目の前が急に開けたような印象さえある。さほど厳密に管理されていない中小規模の企業では、ネットワーク構成がはっきりと頭に思い浮かべることが難しいことがあるが、それがスッキリと整理された状態で、目の前に表示されるからだ。
もちろん、単に表示されるだけではない。IPアドレスを設定せずに、いきなり設置したWLX302の初期設定もここから可能となる。
RTX1210を選択した状態で「スレーブの管理」をクリックすると、ネットワーク上のスイッチ、無線アクセスポイントの基本的な管理を実行できる。どうやらWLX302にDHCPでIPアドレスが割り当てられているので、「設定」ボタンをクリックして、管理しやすいように固定IPアドレスを割り当てておけばいい。
スレーブの管理から対応機器の設定を変更可能今回はWLX302が1台のみだが、フロアに複数台の無線アクセスポイントが存在する場合、ここに並んで表示されるので、ひとつずつ選んで簡単にIPアドレスを割り当てることができる。
「初期設定」→「設置」→「詳細設定」(もしくは「初期設定」→「詳細設定」→「設置」)という3ステップが、「設置」→「設定」というシンプルな2ステップで完了することになる。