ご承知のとおり、かつてスポーツブラがまったく存在しなかった時代(正確には1977年以前)があった。その頃、バーモント大学の学生だったリサ・リンダールさんは、ジョギングを始めたことをきっかけに、2つのジョックストラップ(メンズ用インナーサポーター)を縫い合わせてスポーツ用のブラを作ろうと思い立った。【写真】10年後も美胸でいるために。デザイン・サポート力で選ぶおすすめスポーツブラハイテクな解決策とは言えないものの、彼女には先見の明があったと言える。なぜならスポーツブラ市場は現在、全世界で推定100億ポンド(約1兆5000億円)に達しているからだ。ここでは、専門家のテストに合格したサポート力の高いスポーツブラが、アクティブな女性に欠かせない理由を解説。
スポーツブラはなぜ重要?
バストにとって、優しくいたわることは必要不可欠。そのため、トレーニング中にバストを確実にケアすることはとても重要なこと。ポーツマス大学が2018年に発表した研究結果によると、バストを支えていない状態で運動すると、最大でバストが14センチ動く場合もあることがわかっている。バストには筋肉がなく、基本は脂肪と組織の集合体でできており、靭帯と皮膚で体に固定されている。つまり、そのどれもが「特別に強いものではない」ということだ。乳房を胸に固定している結合組織は、年齢を重ねることや時間の経過とともに自然に伸びていく「クーパー靭帯」で構成されている。その乳房を適切にサポートしないまま運動すると、高強度の運動中にクーパー靭帯が最大2センチも伸びてしまうことがある。ランニングやバーピー、プッシュプレスをすると、バストは上下に動いているように見えるが、実は8の字に揺れているのだ。
スポーツブラをつけないとどうなる?
ポーツマス大学の生物力学の教授で、ブレストヘルス研究グループのリーダーであるジョアンナ・ウェイクフィールド・スカーさんは、「運動やスポーツをすると、乳房にかかる力が大きくなり、乳房がより活発に動きます」と説明。スカーさんは、過去数年にわたってアンダーアーマーと提携し、同社で最も革新的な女性用製品の開発に貢献してきた人物でもある。スカーさんはさらに、「そのため、バストを適切にサポートしないと、痛みなどの悪影響が出る可能性があるだけでなく、バストの皮膚が伸びて、たるみの原因にもなってしまいます」と続ける。