3月12日、JRグループが一斉に鉄道路線のダイヤ(運行時刻)を改訂します。これに合わせて、多くの地下鉄や私鉄でも同日にダイヤの改訂が行われます。
改訂されたダイヤを調べる上で、あると便利なのがスマートフォンの「時刻表アプリ」です。この記事では、時刻表アプリの使い方を解説しつつ、おすすめのアプリを紹介します。
いろいろな時刻表アプリがあるんです「時刻表アプリ」ってどんなアプリ?
「時刻表アプリ」と聞くと、一部の人は冊子形式の「時刻表」をそのままアプリ化したのかと思うかもしれません。もちろん、本格的な時刻表をアプリ化ものもありますが(詳しくは後述します)、その多くは「乗り換え案内」機能、つまり出発駅と到着駅(場合によっては経由駅)を入力することで経路、時刻と運賃を提示することに注力しています。
時刻表アプリは無料で使えるものが多いですが、高度な機能を持つものは有料で提供されることが多いです。例えば、以下のような機能を有料で提供しているアプリがあります。
地域密着なら鉄道会社の「公式アプリ」
都市部が中心となりますが、地元の鉄道駅の時刻チェックに特化するなら鉄道会社が配信している「公式アプリ」がおすすめです。公式アプリならではの機能として、公式データに基づく「在線情報(走行位置の確認)」や「混雑情報」を確認できることがメリットです(※1)。
(※1)鉄道会社によっては対応していなかったり、一部の路線に限定してサービスを提供したりすることがあります
複数の鉄道会社を乗り継いで(直通運転を含む)通勤/通学している場合、原則として会社の分だけアプリが必要ですが、首都圏と関西圏のJR/大手私鉄が配信するアプリはアプリの相互連携機能を実装していることが多いので、そこまで不便はしないと思われます。会社によっては、別途アプリをインストールしなくても他社の経路案内や運行情報も確認できるように便宜を図っているケースもあります。
いろいろな路線や交通機関を使う場合は「乗り換え案内アプリ」
出張や旅行などで全国のさまざまな鉄道路線を使う場合、あるいはバス、タクシーや航空機など複数の交通機関を串刺しして検索したい場合は、乗り換え案内アプリを使うと便利です。多くのサービスは単純な検索は無料、串刺し検索など追加機能を使う場合は有料という形態で提供されることが多いです。
ここでは「基本無料、追加サービスは有料」というタイプの主要なアプリを紹介します。
乗換案内(ジョルダン)
「乗換案内」は、ジョルダンが提供する乗り換え案内サービスです。ジョルダンの乗換案内シリーズは、1994年にパソコン向けに提供された乗り換え案内アプリの草分け的存在です。
鉄道/路線バスの乗り換え検索、1本後/1本前検索、運行情報(鉄道/航空機/フェリー)、ジョルダンライブ!(ユーザー投稿による運行情報)、時刻表の確認などは無料です。有料の「Plusモード」(※2)を利用すると、以下の利用できるようになります。
(※2)Android版は月額制(月額360円:初回31日間無料)またはチケット制(840円/90日、2800円/365日)から選べます。NTTドコモの「スゴ得コンテンツ」、auの「auスマートパス」、ソフトバンクの「SoftBank App Pass」の契約者は、Android版のPlusモードの一部、または全部のサービスを利用可能です。iPhone/iPad版は月額制(月額360円)またはチケット制(860円/90日、2820円/365日)から選べます
「乗換案内」はデジタル乗り換え案内の草分け的存在です(出典:ジョルダン)駅探★乗換案内(駅探)
「駅探★乗換案内」は、駅探が提供する乗り換え案内アプリです。元々、駅探は1997年に東芝の新規事業「駅前探検倶楽部」としてサービスを開始しました。その後、2003年に東芝からスピンオフ(分社)されて現在に至ります。
鉄道/路線バスの乗り換え検索、時刻表の確認や運行情報は無料です。有料のプレミアム会員(※3)に登録すると、以下の機能を追加で利用できます。
(※3)Android版は月額200円(初回31日間無料)。iPhone/iPad版は月額制(月額400円)または期間チケット制(120円/10日、610円/90日、1220円/180日、2200円/365日:自動更新なし)から選択可能。なお、携帯電話向けの「駅探」(月額330円)を契約している人もアプリでプレミアム会員向けの機能を利用できます(Android端末とiPhone/iPadの両方を使っている人はこちらがおすすめです)
駅探★乗換案内は、モバイル向け乗り換え案内として草分けの駅探が提供しています(出典:Google Play)NAVITIME(ナビタイムジャパン)
「NAVITIME」は、ナビタイムジャパンが提供する乗り換え案内サービスです。2003年にau携帯電話向けの「EZナビウォーク」として採用されたことで有名になりましたが、現在はキャリアフリーのスマホアプリが主体となっています。
鉄道/路線バスの乗り換え検索、時刻表の確認や地図/施設検索は無料で利用できます。有料の「プレミアムコース」(※4)を契約すると、以下のサービスも追加で利用できます。
NAVITIMEは「ドアトゥードア」の案内に強みがあります(出典:ナビタイムジャパン)本格的な「時刻表」をチェックできるアプリも
鉄道ファン、あるいは鉄道の時刻をより広範囲に調べたい場合は冊子として発行されている鉄道時刻表の「デジタル版」がおすすめです。
単に冊子をデジタル化しただけでなく、先に紹介したアプリにもある乗り換え案内機能を備えている他、路線図(地図)から路線検索をする機能や、列車単位で時刻を一覧する機能も用意しています。
デジタルJR時刻表Lite(交通新聞社)
「デジタルJR時刻表Lite」は、交通新聞社の発行する「JR時刻表」「MY LINE 東京時刻表」の2冊をスマホアプリにしたものです。交通新聞社はJRグループ各社が出資している新聞社で、交通分野に特化した「交通新聞」の他、JRグループの「みどりの窓口」に必ず置かれている「JR時刻表を発行しています。このアプリは「デジタル版のJR時刻表が欲しい」というリクエストに応えてリリースされたものだそうです。
乗り換え案内による時刻検索はもちろんですが、路線図や路線一覧から列車の時刻や経路を検索することも可能です。青春18きっぷに特化した経路検索や、運行情報の確認機能も付いています。
鉄道ファンにうれしいポイントとしては、「列車番号」を使った列車検索機能(JR線のみ)を利用できる他、JR営業案内(JRグループにおけるきっぷのルールや特急列車の編成一覧)の一部を確認できることが挙げられます。趣味で鉄道に乗る人にはかなりありがたい時刻表アプリです。
先に紹介したアプリとは異なり、このアプリは有料の「チケット制」となります(チケットを購入しないとほとんどの機能が利用できません)。チケットは1週間120円または30日間360円(継続購入)の2種類が用意されており、Google PlayまたはApp Storeのアプリ内課金で購入できます(初回のインストール時に限り14日間無料で試用可能です)。
デジタルJR時刻表Liteは、スマホに特化した時刻表アプリです(出典:交通新聞社)デジタルJR時刻表 Pro(交通新聞社)
「デジタルJR時刻表 Pro」は、先に紹介したデジタルJR時刻表 Liteの上位版で、Proの名前の通り、幾つかの追加機能を有しています。主な追加機能は以下の通りです。
(※5)Wi-Fi(無線LAN)を介してプリントアウトします。プリンターの機種によっては追加のデバイスドライバー(アプリ)が必要となる場合があります(※6)チケットを購入する際に「多言語版」を選択してください(後述)
Lite版と同様に、こちらもアプリは有料の「チケット制」となります(チケットを購入しないとほとんどの機能が利用できません)。チケットのラインアップは以下の通りです。
チケットはGoogle PlayまたはApp Storeのアプリ内課金で購入できます(初回のインストール時に限り14日間無料で試用可能です)。ただし、Pro版にはタブレット専用ということになっており、iPhoneと一部を除くAndroidスマホに対応していないことに注意してください。
より完璧な機能と多言語表示を望む場合はPro版がおすすめですが、ほとんどのスマホに対応していません(出典:交通新聞社)