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「ダイエットが続いてる!」 ソニーの三日坊主防止アプリ「みんチャレ」の戦略
開発者 長坂剛氏インタビュー
ソニーの新規事業創出プログラムから生まれた三日坊主防止アプリ「みんチャレ」。リリースから半年以上が経ち、多くのユーザーが実際に利用することで、想定通りの反応や想定以上の効果が見えてきたという。企業向けにユーザーとのチャットツールサービス「公式チャレンジ」もスタートさせた今、事業の成長戦略をどう考えているのか。開発者であるソニー 新規事業創出部 A10 Project 統括課長 長坂 剛氏に話を伺った。
(聞き手/構成:編集部 中島 正頼、執筆:吉田 育代) <目次>- Google Playのおすすめアプリに選ばれユーザー大幅増
- 習慣化の成功率は一説で8%だが、みんチャレの達成率は約69%
- 企業の特定商品・サービスを使う「公式チャレンジ」
- ユーザーの生の声が企業に届く
- ほかのSNSへ流れていく心配は?
- 「何かを習慣化したいなら『みんチャレ』だ」と言われる次元に
Google Play のおすすめアプリに選ばれユーザー大幅増
──前回の取材でも詳しくお聞きしましたが、改めて「みんチャレ」というアプリについて、概要を教えていただけますか?長坂氏:ソニーの新規事業創出プログラムから生まれた、「三日坊主防止アプリ」です。英語学習やダイエットなど、1人では続きにくい習慣を身につけたい人が5人でチームを組み、チャットで励まし合いながらチャレンジする仕組みです。──ここに来てユーザー数が大幅に伸びているようですね。長坂氏:正式にアプリを公開したのは2015年11月のことでした。それからも毎週バージョンアップしてサービスを改善しながら、じわじわユーザーを増やしてきたのですが、今年の5月にGoogle Play のおすすめアプリに選んでいただいて、Topバナーに掲載されたんです。それをきっかけに、Google Play の健康&フィットネス 人気ランキング 無料ジャンルのトップ1位にもなって、一気にユーザーが増えました。そのときに10万ユーザーを突破して、6月頭の時点で15万名ぐらいです。──計画どおり、というところでしょうか。長坂氏:実は、もう少しゆっくりした成長を考えていたので、想定外ですね。自分たちでは大きなプロモーションは打てていないので…。Google Play のおかげです。習慣化の成功率は一説で8%だが、みんチャレの達成率は約69%
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──Googleへは自らアプローチしたのですか?長坂氏:Google のほうから取り上げてくれました。アプリの質とユーザーの声を評価していただいたのが大きかったみたいです。Google Play に寄せられるユーザーの声(レビュー)が、「みんチャレ」はほとんど長文なんです(笑)。他のアプリだと「よかった」とか「使える」とかほんの一言、二言なのに、「これで人生が変わりました」とか「これで5kgやせました」とか。半年間という時間が経過して結果が出るものは出て、自分の毎日が激変するので、その感激を書いてもらえるんですね。──誰かに成功体験を伝えたくなるんですね。チャレンジの達成率は高いんでしょうか。長坂氏:テーマとチームによりますね。「体重記録」や「早起き」など比較的続けやすいテーマだと、達成率は約69%です。そこに「ダイエット」など難易度の高いものが入ってくると、50%ぐらいに下がります。しかし、習慣に関する論文によると、人間が新しいことを始めてそれが習慣になる割合は、8~10%だといわれているので、それに比べると「容易に習慣化できる」と言えるのではないでしょうか。また、このパーセンテージで別の表現をすると、5人のチームメンバーのうち2~3人は「みんチャレ」による習慣化が可能ということです。──チームによる、というのは?長坂氏:「みんチャレ」は5人1組で同じゴールを目指す仕組みなので、成功はいかにその5人全員がアクティブか、ということに大きく左右されるんです。よいチームに出会えるということが重要なんですね。 そこで「みんチャレ」では、自動退出機能というものを設けていて、チームの中でまったく発言しない人は自動的に退出させられることになっているんです。そして、その空いた枠に新しい人が入ります。もちろん、一度自動退出させられた人も、いつでも再チャレンジ可能です。──達成率はどのように算出しているのでしょう?長坂氏:1回でもチャレンジしたことをレポートした人を母数に、最後まで21日間のチームに残り7回以上チャレンジした人は「みんチャレ」が習慣化したとわれわれは定義し、その割合を出しています。企業の特定商品・サービスを使う「公式チャレンジ」
──新サービスの「公式チャレンジ」が始まったそうですが、どのようなサービスなのでしょう。長坂氏:はい、これは企業の提示する商品やサービスをもとにチャレンジを行うというもので、企業が6人目の「公式アカウント」メンバーとしてチームに参加し、メンバーとチャットを行うというものです。チャレンジのカテゴリにも「公式チャレンジ」枠を設けます。──具体的にどんな「公式チャレンジ」が登場していますか?長坂氏:たとえば、「英単語アプリmikan」というアプリを出しているmikan様。mikanを使って英単語学習の習慣を身につける「mikan最速の英単語公式」があります。 また、ダイエット系では、ウィット様のダイエットアプリ「あすけん」を使うユーザー同士でダイエットの習慣を身につける「あすけんダイエット公式」が開設されました。 ソニーグループでは、ソネットが提供する専属トレーナー付きのオンラインパーソナルトレーニング「ソネトレ」で、ユーザー同士でトレーニングや体重記録の習慣を身につける「ソネトレ公式」ができました。6月上旬現在、8種類の「公式チャレンジ」が生まれています。──アプリが中心なんですね。長坂氏:まずは、アプリを紹介しあってお互いのユーザーを増やすという"相互送客の"パターンになりました。たとえばmikan様では「みんチャレ」を紹介するコーナーを作ってもらったりしています。──アプリ同士、データ連携などは行えるのでしょうか。長坂氏:いえ、第一段階はマーケティング的な連携で、習慣化の証拠は写真などで共有してもらうことになります。将来的には、Apple やGoogle のライフログ管理機能などと連携して、「みんチャレ」上で容易に報告できるようにしていきたいと思っています。【次ページ】 「公式チャレンジ」の企業メリットは? ほかのSNSに流れないのか?新規事業 ジャンルのセミナー
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