Alexa対応で何が変わる? スマートスピーカー付きメッシュルーター「Deco Voice X20」で在宅勤務の環境を改善!(1/3 ページ)

 オミクロン株の爆発的な感染拡大により、新型コロナウイルス対策も気が抜けない状況となっている。一度はテレワークから出社体制にシフトした企業でも、部門によってはテレワーク主体に戻したり、戻すことを検討したりしているだろう。

 会社からモバイルルーターやテザリング可能なスマートフォンが支給されている場合は別として、在宅勤務が増えると、公私に渡って自宅のネットワーク環境の重要性が増す。通信が不安定だったり、低速だったりすると、ファイルの共有を始めとするコラボレーションやWeb会議に支障を来してしまう。

 外出が減ると、私物のスマホのデータ通信も減りがちだ。そこで「自宅にはWi-Fi(無線LAN)があるから、料金プランをより安いものにしよう」と考えている人もいるだろう。そうなれば、自宅のWi-Fiが大活躍することになるが、それは家の隅々までWi-Fiの電波が届くことが大前提だ。

 「自宅のWi-Fiが不安定(遅い)」「自宅のWi-Fiの電波が隅々まで届かない」と悩んでいる人は、TP-LinkのWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応メッシュルーター「Deco Voice X20」を導入することでワンランク上の在宅勤務/巣ごもり環境が構築できるかもしれない。

2月10日現在、Deco Voice X20は2ユニットセットのみ販売されている。一緒に写っているスマート調光LEDランプ「Tapo L530E」は別売だが、Deco Voice X20と一緒に使うと非常に便利である(詳しくは後述する)Amazonで「Deco Voice X20(2ユニットセット)」の詳細をチェック!Amazonで「Tapo L530E」の詳細をチェック!

どこでも、何台でも、高速につながる……だけでない!

 テレワーク、特に在宅勤務のメリットはいろいろあるが、一般的に以下のようなものが挙げられるだろう。

 これらのメリットは、ワークライフバランスやメンタル面からも重要である。今回は、もう一歩踏み込んで「勤務環境を自分で好きに構築できる」というメリットにも注目してみたい。

 オフィスであれば、机も椅子も原則として規定のものを使わざるを得ない。ネットワーク環境も同様だ。「改善してくれ!」といくら言っても、それがかなう可能性は高くない。

 それに対して、自宅の環境は、自分自身で好きな機器を選んで、自分に最適な形で構築できる。当然、そのコストは自己負担が原則になるが、行動(と予算)次第ですぐに改善できるのだ。

会社ではPCやネットワーク機器で困りごとが出ても、すぐに改善してもらえないことが多い(画像はイメージです)

 では、どのように環境を改善するのか。

Alexa対応で何が変わる? スマートスピーカー付きメッシュルーター「Deco Voice X20」で在宅勤務の環境を改善!(1/3 ページ)

 Web会議における映像の途切れや音質の低下、ネットワーク機器が多くつながることによるスループット(実効通信速度)の低下、特定の部屋や場所における電波の届きにくさ――家の広さや構造にもよるが、これらを改善するならメッシュWi-Fiルーターが効果的だ。

 在宅ならではのメリットとして、好きな音楽を流しながら作業すると効率が良くなるシーンもある。しかし、この寒い時期は音楽を流すためにコタツから出たくないと思うのも人情だ。それなら音声で操作ができるスマートスピーカーがあると便利だろう。

 今回紹介するDeco Voice X20は、メッシュWi-Fiルーターとスマートスピーカーを一体化した製品だ。2月10日現在、販売されているのは「2ユニットセット」、つまり2台単位で購入することになる。しかし1セット購入するだけで、「巣ごもり環境」を飛躍的に改善しうるポテンシャルを秘めている。

2ユニットセットの内容物。本体とACアダプターは2つ入っているが、書類と有線LANケーブルは1つのみ付属する

メッシュWi-Fi 6ルーターとして初めて「Alexa」を搭載

 Deco Voice X20は、同社の「Deco X20」をベースに、Amazonの音声エージェント「Alexa(アレクサ)」に対応したスマートスピーカー機能を追加したメッシュWi-Fiルーターだ。2ユニットセットでの参考価格(税込み、以下同)の差は6500円なので、1台当たり3250円でスマートスピーカー機能が追加できるという計算となる。

 ボディーは白基調だが、スタンド部分が赤く、全体としてはポップな印象になっている。Decoシリーズの他モデルは、天板部分の切れ込みや段差によって非対称的なデザインになっているが、Deco Voice X20は円錐型のスタンドに円柱を乗せたようなシンプルな意匠だ。ぱっと見だと、Wi-Fiルーターというよりはスマートスピーカーである。

 Wi-Fi 6に対応したルーターは大きなボディーを備えるものが多く、メッシュ対応のものも例外ではない。しかしDeco Voice X20は直径105mm、高さ170mmと、第2〜第3世代の「Amazon Echo」を少し大きくした程度のコンパクトサイズだ。

正面からDeco Voice X20を見ると、Wi-Fiルーターとは思えない見た目である。「ちょっと大きなスマートスピーカーかな?」といった感じで、Wi-Fi 6対応ルーターとしてもコンパクトだ(画像は製品情報から)

 Deco Voice X20がサポートする無線LANの規格は以下の通りとなる。

  • 5GHz帯
  •  アンテナは2ストリーム(受信2本+送信2本)構成となっており、Wi-Fi 6規格における理論上の最大通信速度は2.4GHz帯が574Mbps(※1)、5GHz帯が1201Mbpsとなる。有線LANは、LAN(ローカル側)とWAN(外部回線側)兼用の1000BASE-Tポートが2基搭載されている。つないだ先がLANなのかWANなのかは自動判別してくれるので、「あれ、どっちがLAN(WAN)ポートだっけ?」と迷うこともない。

    (※1)小数点以下の端数処理の都合で、メーカーによっては「573Mbps」と表記する

     Deco Voice X20は、子機の位置に応じて信号を集中させて高速かつ安定した通信を実現する「ビームフォーミング」、複数の子機接続時に速度低下を防ぐ「MU-MIMO」といったWi-Fi 6の主要な品質改善技術をしっかりとサポートしている。Wi-Fi 6が採用する変調方式「OFDMA」は、クライアント機器が多いシーンにおける実効通信速度を向上する効果がある。

     自宅内のWi-Fiの電波状況に悩んでいるなら、複数のDeco Voice X20を配置すれば、Wi-Fi 6の特性も相まって移動しながらでも途切れない、高速通信が可能なメッシュWi-Fi環境を構築できる。

    Deco Voice X20の有線LANポートはLAN/WAN兼用で、つながっている機器を自動判別して用途を決定する

     「メッシュWi-Fiって、普通の中継器と何が違うの?」と思う人もいるだろう。一般的な「Wi-Fi中継器」は、通信内容を単純に親機に「転送」するだけであり、親機と中継器との間で協調することはない。

     それに対して、Deco Voice X20のようなメッシュWi-Fi対応ルーター/中継器ではそれぞれのルーター/中継器が協調して単一のネットワークを構築するようになっている。Wi-FiのSSID(アクセスポイント名)も1つなので、つなぎ替えを意識する必要もない。移動しながら使う際も、通信が途切れにくくなる。

     メッシュWi-Fiを構築する場合、ルーターや中継機同士が通信するための「バックホール回線」が必要となるが、Deco Voice X20の場合はWi-Fiだけでなく有線LANもバックホール回線として利用できる。ケーブルをはわせる手間は掛かるが、通信品質をより高めたい場合は有線LANを使ってネットワークを構築するとよい。

    メッシュWi-Fiは、ルーターや中継機が協調してネットワークを構築する。メッシュネットワークを構成する中継器(中継器として稼働しているルーターを含む)に不具合が生じた場合も、正常に稼働している中継器を使ってネットワークを維持できる(画像は製品情報から)

     Deco Voice X20の上部を見ると、マイクミュートボタン、マイク(4基)、ボリュームキーやアクションボタンがある。アクションボタンはAlexa機能の有効化、Alexaのレスポンスの中断、アラートの停止を行う際に利用する。下部をのぞき込むように見ると、5W出力のスピーカーが付いている。

     こういったものを見ると「ちゃんとスマートスピーカーでもあるんだな」と再確認できる。

    本体の上部は、Amazon Echoと同じようなボタン類やマイク(矢印で示した穴)がある。円周部はLEDインジケーターとなっている下部をのぞき込むように見ると、スピーカーの開口部を確認できるさあ、セットアップしよう!

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