スマートホームとは?
スマートホームとは「IT技術によって快適な住環境が実現された住まい」であるとともに、「ITによって社会インフラなどとのつながりが円滑に保たれている状態」のことを指します。
つまり、住居内の利便性が向上され、外部のサービスとの連携も可能な状態であるということです。
スマートホームは、あくまで“状態”を指す言葉であり、スマートホームが部分的に実現された住まいのことを「スマートハウス」や「IoT住宅」「コネクテッドホーム」などと呼びます。
注文住宅や分譲マンションはもちろん、賃貸物件でも導入されているところがあるなど、住宅のスマートホーム化は着実に進んでいるのが現状です。
スマートホームの仕組み
スマートホームは、家電などの「デバイス」と、これらを操作・管理する「管理システム」の2つから成り立っています。
管理システムは、スマートフォンやスマートスピーカーのような装置を指し、デバイスと連携させることで、一括管理や遠隔操作が可能となるのです。
<導入事例>スマートホームで具体的にどんなことができる?
スマートホームでは、具体的にどんなことが実現できるのでしょうか。ここでは、主な利用例を紹介します。
1台の管理システムで家電を一括管理できる
スマートホームでできることは、デバイスの種類によって数えきれないほど増えていきます。
たとえば、1台の管理システムで、すべての家電の利用状況や電気代を管理したり、遠隔で操作をしたりすることが可能です。
カーテンや照明の操作を自動化する
管理システムにカーテンや照明を連携すれば、あらかじめ設定した時間帯に合わせて、自動で開閉やオンオフができるようになります。
たとえば、起床のタイミングでカーテンが開くように設定したり、帰宅の直前に照明を点灯させたりといったことが可能です。
鍵の開閉を自動化する
「スマートロック」を導入すれば、自身のスマートフォンをドアに近づけることにより、自動的に鍵の開閉ができます。
その結果、荷物で両手がふさがっていても問題なく開閉できたり、鍵の閉め忘れなどを予防できたりするようになります。
エアコンの自動操作が可能になる
エアコンと管理システムを連携すれば、気温や室温に合わせた自動操作が可能です。
外出時には自動でオフ、帰宅時には自動でオン、一定の室温以上もしくは以下になったときに作動などのさまざまなパターン設定ができるため、使い方の幅は広いです。
特に、夏場には気づかない間に室温が高くなってしまうこともあるため、冷房の自動設定は熱中症の予防にも効果的だといえます。
外出時も室内カメラを操作できる
室内カメラと連携すれば、外出時もスマートフォンを通して部屋の状況を確認できます。小さな子どもがいたり、ペットを飼っていたりする家庭では、いつでも室内をチェックできる点は大きな安心感につながります。
最適な洗濯コースを自動で設定できる
洗濯機と組み合わせれば、自動的に洗濯方法を設定してくれるといった使い方も可能です。専用のクラウドを通して、人工知能(AI)が自動的に気温や天候から最適な方法を提示してくれるのです。
医療機関との連携を自動で行ってくれる
将来的には、室内と医療関係との連携がスムーズに行えるようになる仕組みが整えられています。たとえば、浴室でヒートショックが起こったときに、自動で検知してくれるシステムが開発されています。
また、居住者のバイタルデータ(生体情報)を自動的に検知し、緊急性の高い異常を感じとったときに緊急通報センターへ通知してくれるシステムも開発されているなど、さらなる進化が期待される分野でもあるのです。
注文住宅を探す無料でアドバイザーに相談するスマートホームのメリット
ここまで紹介したように、スマートホームでできることは、とても幅広いといえます。ここでは、主なメリットをまとめて見ていきましょう。
節電につながる
スマートホームで家電操作を自動化することで、テレビなどの消し忘れを防止できます。また、外出時でも操作できるようになれば、電気をつけたまま出かけても遠隔操作で消灯が可能です。
そのため、電力のむだづかいを防ぎ、電気代の節約が期待できるのです。
利便性の向上
家電の操作がシンプルになり、一括で管理できるようになるため、生活の利便性は大きく向上します。また、声だけで操作することも可能なため、料理などで手が離せないときでも利用できる点はメリットです。
防犯面の安心感がある
前述したとおり、スマートロックを導入すれば、鍵の閉め忘れを防ぐことができます。施錠忘れは空き巣などの発生要件の主な原因とされているため、防犯上も大きなメリットがあるといえます。
サービスの向上が期待できる
スマートホームは現在も研究・開発が続いている分野であり、今後もさらなるサービスの進化が期待されています。
また、5G(第5世代移動通信システム)の導入によって、より使い方が広がったり、導入ハードルが下がったりすることが予想されます。
スマートホームを導入するときの注意点
便利なスマートホームですが、導入する際にはいくつか注意しておきたいポイントもあります。
導入には家電の買い替えなどのコストがかかる
スマートホームのシステムを導入するためには、スマートフォンなどの管理システムだけでなく、IoT家電を購入する必要があります。
対応する家電をすべてそろえようとすると、コストの負担が大きくなるため、価格や必要なタイミングにも目を向けて慎重に検討することが大切です。
ITに関する一定の知識が必要
導入するためには、事前の設定が必要となるため、ITに関する一定以上の知識が求められます。
多くの人の利用が想定されているため、それほど複雑な操作が必要となる場面は少ないですが、不慣れな場合は仕組みを把握するのに手間がかかってしまうこともあります。
セキュリティ面での対策が必要
家電に通信機能を持たせることとなるため、ハッキングなどのリスクを考慮しておく必要があります。
導入するときには、定期的に使用するデバイスのアップデートやパスワードの変更を行うなど、セキュリティ対策についても考える必要があります。
注文住宅を探す無料でアドバイザーに相談するスマートホームを導入する3つのコツ
住まいのスマート化は、生活に多くのメリットをもたらしますが、一方で導入に踏み切るのが難しいと感じてしまう人もいるでしょう。
ここでは、スマートホームを導入するときの3つのコツを紹介します。
必要な機能を見極めて部分的に導入する
スマートホームは、生活を便利にしてくれるシステムであることが前提となっており、どの機能をスマート化させるべきかは人によって大きく異なります。
そのため、本当に必要な機能かどうかを見極めながら、まずは部分的に導入することをおすすめします。
そのときには、いつも同じ手順を踏む動作をいくつか挙げて、自動化したときの様子をイメージするのがコツです。
たとえば、起床の時間帯がいつも同じで、いつも最初にカーテンを開けているのなら、カーテンの開閉を自動化してみることから始めるといいでしょう。
同居人や家族ともきちんと相談をしておく
スマートホームを導入するときには、一緒に住んでいる人にも相談をしておくことが大切です。
生活スタイルやスケジュールは家族間でも異なるため、事前に意見を集めながら、最適な機能や活用方法を探しましょう。
最初に試すならコレがおすすめ!
スマートホームの導入に迷ったときには、使いやすい「空調のスマートホーム化」や「施錠の自動化」などから試してみるのもひとつの方法です。
空調は快適な生活を送るうえで重要な機器であるとともに、運転状態を確認しやすいので、スマートホーム化の効果を確かめるのにうってつけだといえます。
また、施錠の自動化も音で動作を確認できるため、効果を実感しやすいです。いずれにしても、スマートホームを導入するうえでは、一度にガラリと家電を買い替えるのではなく、徐々に慣れていくほうがいいでしょう。