スマートホームに必要なのは、スマートさ。
テクノロジ業界が好きなことと言えば、何かと連携すること。大手企業が連携することで消費者にとってはいいこともあれば、斜め方向におーいどこ行っちゃうのー?という場合もあります。が、その中で期待大なのがこれ、プロジェクトCHIP。
スマートホーム系端末の規格標準化を目標に、2019年に発足したオープンソース型の企業パートナーシップです。
IoTの統一プロトコル
ネタ元のThe Vergeによれば、Zigbee Allianceが主催するウェビナーにて、CHIP参加企業から年内にもCHIP規格対応端末がリリースされる予定だと発表。コロナパンデミックの影響で遅れているものの、年末商戦頃には間に合いそうです。Zigbee Allianceいわく、製品第一弾は照明器具、ブラインド、空調システム、テレビなどになるとのこと。
…そもそもCHIPとは? CHIPはConnected Home over IPの頭文字をとったもので、さまざまな企業が作る、いろんなスマートホーム端末を簡単に連携させるのが目的のプロジェクト。Apple、Google、Amazon、ZigbeeがCHIP創設メンバーで、現在170を超える企業がプロジェクトに参加しています。CHIP規格は、Bluetooth LE、Wi-Fi、Threadの3つのテクノロジが軸になっており、(Bluetoothはセットセップ用、Wi-Fiは高帯域幅端末の接続、Threadのメッシュネットワークは低帯域幅用)タスクに応じて技術に振り分ける、いわばまとめ役のような存在。
Threadは比較的新しいプロトコルで、2014年、Nest端末の統一のためにGoogleがThreadを買収。2018年にAppleがThreadに対応したこともあり、今は業界をリードするテクノロジの1つに。Thread端末は、メーカーに限らず、Thread対応端末すべてと連携が可能。Wi-FiやBluetoothと比べ消費電力が少なく、スマートセンサーなどワイヤレス端末にとってはバッテリーもちがいいという大きな利点があります。お家のスマート化が今後進めば進むほど、連携しあう端末の数も増えていくのでしょうが、Threadは最大250機の端末まで対応できるのも(そんなにいる?という気持ちもありつつ)魅力です。まだ開発途中といえるThreadではありますが、既存製品の中にはすでにThread対応のものもあり、例えば、GoogleのNest Hubや、AppleのHomePod Mini、Nanoleafの電球などが対応しています。
今現在、少々混沌としているスマートホーム界隈なので、ここにさらに新たなモノが加わると頭こんがらがってしまいます。が、混沌としているからこそ、これをまとめるものが必要。CHIP規格が広まり、幅広いメーカーのスマート端末が簡単に連携できるようになるといいですね。近い将来、早ければ年末にはそんな日が来てるかも。
Source: The Verge