ロシアのインターネット大手 Yandex は5月23日、同社のインテリジェントアシスタント「Alice」について、さまざまなスマートホーム製品との連携を通じて、大規模な機能拡大を図ると発表した。
しばしば「ロシア版 Google」と称される Yandex は、同社の検索モバイルアプリと並ぶ形で、Alexa のような音声アシスタントを2017年に発表した。以来、Alice は他サービスにも対応範囲を拡大し、昨年には160米ドルのスマートスピーカー「Yandex.Station」に至った。LG などのサードーパーティーメーカーが自社製品と Alice の連携を進める中、Yandex は昨年、Alice を最前面に押し出した同社初の自社ブランドスマートフォンをローンチした。
Yandex で Alice が利用可能なデバイス開発を指揮する Denis Chernilevsky 氏は、次のように語った。
今日のニュースによると、Yandex と Alice は、さまざまなスマートホームインテグレーションで Amazon らが切り開いた道程を上り続けている。Philips、Xiaomi(小米)、Redmond、Samsung といったビッグネームのパートナーが、照明、サーモスタット、テレビ、コーヒーメーカーなどをカバーする音声インテグレーションを開発している。これは、ユーザがモバイルアプリやスマートスピーカーを通じて Alice に声をかけることで、テレビをつけるようなことができることを意味する。
テレビをつけるのにも使える Yandex のデジタルアシスタント「Alice」。ただし、ロシア国内のみ。
Yandex は、スマートリモコン、スマートプラグ、スマート電球など、自社ブランドのスマートガジェットをローンチして Amazon の後を追っている。これらのデバイスは19米ドルから21米ドルで、Yandex のオンラインストア「Beru」のほか、ロシアの市中小売店舗でも購入できるようになる見込みだ。
Amazon の Alexa 同様、Alice はルーティンのカスタマイゼーションをサポートしているので、ユーザは一連のイベントをワンフレーズで結びつけることができる。例えば「おはよう、Alice」と言えば、暖房を入れ、やかんに電源を入れることも可能だ。
この文脈で言えば、Amazon の Alexa はまだロシア語をサポートしていないが、Google と Apple 両社のデジタルアシスタントはそれぞれロシア語に対応している。しかし、いずれの社もロシア市場向けのスマートホームデバイスをローンチしておらず、この点において、Yandex は母国市場で有利なポジションを確保できることになる。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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