西国分寺駅ホームにクリニック
JR東日本は、西国分寺駅ホーム上に複数の診療科による総合的な診療が受診できる、ハイブリッドクリニックを4月に開業することを発表した。クリニックでは対面(リアル)での診療を行うほか、非対面(オンライン)でも診療を受け付ける。【日本初! 駅のホームに病院】
「スマート健康ステーション」について
JR東日本は現在、駅を「交通の拠点」としてだけでなく、“つながる”くらしのプラットフォームへと転換する「Beyond Stations 構想」を推進している。今回その一環として、オンライン診療サービスを活用した「スマート健康ステーション」の取り組みを実施し、日本初となる駅ホーム上のクリニックを開業する。 長期化する新型コロナウイルス感染症の感染拡大をきっかけに、多くの人の生活スタイルや働き方が変化している。医療サービスにおいては「就労時間と診療受付時間が合わない」「待ち時間が長いなど」の理由から、受診をあきらめてしまう人がいるほか、感染不安から通院控えによる治療中断、オンライン診療に対する不安感など新たな悩みが生まれている。 そこで同社はリアルとオンラインのハイブリッドクリニックを通じて、新たな医療のあり方を提案。コロナ禍においても医療サービスへのアクセスを向上させることで、心豊かな生活を支える医療サービスの実現を目指す。
「スマート健康ステーション」の特徴
「スマート健康ステーション」の特徴として、オンライン診療を利用する患者の状況によっては、すぐに併設するリアルな診療へ案内できるようにしている。また皮膚科のオンライン診療においては患者の状況を正確に把握できるよう、リアルな皮膚の状況を撮影できるカメラなどデジタル観察ツールを導入する予定だ。 さらにオンライン診療においては、既存の西国分寺駅周辺のクリニックとの診診連携(診療所と診療所の連携)を実施。患者へ安心感を提供するとともに、地域医療との連携も図る。患者の症状によっては、より高度な医療を受診できるよう、基幹病院とも連携を行う。 スマート健康ステーションは、「育児中の医師に対し、自由度が高く勤務できる働き方を提供する」という目的もある。オンライン診療を中心に、育児などで働ける時間の限られた医師も活躍できる環境を創出することで、医療業界が抱える”育児などによるキャリアの断絶”という課題にも取り組んでいく。
今後の展開
JR東日本は患者も医師も、どこに居ても医療を受けられる・提供できる”くらし”の実現を目指し、待ち時間なく診察、処方せんの発行、調剤、指定の薬局やロッカーでの薬の受け取りなどができる、より患者の“くらし”に寄り添うサービスの拡充を図る。 さらに自社の交通ネットワークを組み合わせ、治療の選択肢の少ない地方にスマート健康ステーションを拡大することにより、都心の先進医療を日本各地へ提供するなど、日本各地と都心の医療格差の課題に取り組んでいく。
ITmedia ビジネスオンライン