呼吸やいびきから眠りを分析・改善 「睡眠モニター」
最大の特徴が、睡眠を理解・改善し、安眠をサポートする新機能「睡眠モニター」。朝、起床すると、パーソナライズされた睡眠サマリーがディスプレイに表示され、自分の睡眠データを確認し、眠りの改善に役立てられる。
スマートフォンの「Pixel 4」などで採用された「Soli」レーダー技術による「Motion Sense」により、ディスプレイ近くの人の動きや呼吸を察知。その人が「どのように眠っているか」分析する。Soliでは、大きな動きから数mmレベルの小さな動きも検知できるため、咳やいびきなどの睡眠障害も“非接触”で検出できるという。
一方、Soliでは動きの“主”が誰かは検出しない。そのためGoogleでは、数千名による10万回以上の睡眠データから検知のためのアルゴリズムを開発。非接触式のデータ検出ながら、睡眠ポリグラフ計による調査と照らし合わせても、統計学的差異は無いことが確認でき、市販の「スリープトラッカーと同等かそれ以上」としている。
Soliが検出するのは1人だけ。ユーザーにあわせて調整し、一緒に寝ている人やペットなどは検知しない。
すべてのデータはデバイス上で処理され、睡眠データのみがGoogleのクラウドに送信される。せきやくしゃみなどは録音さず、いびきも“発していた”という情報だけが、クラウドに送られる。
また、Nest Hubのマイクと環境光・温度センサーを使い、部屋の光や温度の変化を検知できる。朝、起床すると、パーソナライズされた睡眠サマリーがディスプレイに表示され、自分の睡眠データを確認できる。
確認できるデータは、主に「睡眠の長さ」「スケジュールの一貫性」「睡眠の質」の3点。
睡眠の長さは6時間15分などの時間で、一貫性は睡眠パターンが一定であるかどうかを判定。睡眠の質では、睡眠時間のほか、睡眠が浅くなっている時間や、いびき、咳などの時間を検出。また部屋の明るさや室温などもスクリーン上で確認できる。
長期的な呼吸状況の把握などにも利用可能。Google Nest プロダクト マネージャーのカイータ ジョンソン氏は、データを元に睡眠について医者に相談したところ、睡眠時無呼吸症候群と指摘され、治療。睡眠を改善したという。
従来の手首につけるスリープトラッカーなどは、充電を忘れる・使い勝手が悪いなどの課題があった。それに対し、Nest Hubの睡眠モニターは、非接触で睡眠を把握できる点が特徴となる。
睡眠モニターのデータは、AndroidとiOSデバイスのGoogle Fitアプリとも連携。Google Fitアプリ上で、他の健康・ウェルネス情報と一緒に睡眠サマリーを確認可能で、長期のデータなどはGoogle Fitアプリから確認可能。睡眠モニターはいつでも“オフ”にできる。
なお、睡眠モニターは2021年中は無料のプレビュー版として提供し、ユーザーからの意見を聞きながら改善を進めていく方針。また、Fitbitのスマートトラッカーとの連携なども検討していくという。
Nest Hubユーザーの20%が「寝室」で利用していることから、ベッドの横で扱うための機能を強化。睡眠モニターのほかにも、ホーム画面に「夜のおすすめ」を導入し、明日の天気や起床アラーム、睡眠用のライトと音楽が1画面で管理可能にした。画面もダークモードとなっている。