旅人ITライター中山です。ソニーからXperiaシリーズの周辺機器としてHMD(ヘッドマウントディスプレー)の「Xperia View」が11月19日に発売予されます(直販価格:2万9700円)。今回はこの貸し出し機を使用してみたのでレポートします。
「Xperia View」は、Xperia 1 IIIもしくはXperia 1 IIをセットして使用するHMDです。Xperia 1 IIIとXperia 1 IIのディスプレーは、リフレッシュレートなどに差はあるものの、どちらも長辺は3840ドットと4K相当。両機種のディスプレーを活用することで、高精細さが期待できるわけです。ちなみに今回セットで貸し出されたのはXperia 1 IIIだったので、以降のレポートはXperia 1 IIIでの使用となっています。
使い方はカンタンで、Xperia 1 IIIで専用アプリを起動。使い方の説明などをチェックしたあとに、Xperia Viewの前面カバー部分へとセットします。その状態でXperia Viewをかぶれば、HMDとして使用できます。
本体の重さは、本体+フェイスパッド+ヘッドバンドで約400g。これにXperia 1 IIIの重さ約188gが加わり、全体では約588gといったところ。頭部にシッカリと装着してしまえば、あまり重さは感じません。
ヘッドバンドはマジックテープで長さを調整可能。フェイスパッドもマジックテープで着脱出来るようになっています。かなり簡易的ですが、ちゃんと装着できるし使い方もカンタンです。イベントなどで、不特定多数の人に使ってもらう際に、かなり助かるのではという仕様です。
装着時の操作方法は、音量キーもしくは顔の動きに合わせてカーソルを動かし、装着したXperia 1 IIIのシャッターボタンで決定。Xperia 1 IIIのシャッターボタンはエンボス加工がされているので、見えない状態でもすぐに見つけられます。また設定で、Xperia Viewの本体側面をダブルタップでも決定操作を行えます。
実際に専用アプリからVR動画を視聴してみましたが、専用レンズとXperia 1 IIIの4Kディスプレーの効果で、かなり高精細な映像が楽しました。ドット感がまったくないわけではないですが、数年前の同じようにスマートフォンを使ったHMDと比較すると雲泥の差。視野角も広く没入感も高いです。
このXperia Viewに360 Reality Audioなどを組み合わせれば、かなりリアリティー度の高いVR動画が堪能できそうです。
ただし残念なのは、現状専用アプリに用意されたコンテンツ(DMM動画、360Channelを含む)しか再生できないこと。ソニー担当者によると、対応アプリの開発キットなどは公開する予定はなく、ゲーム機のプレイステーション4や5との連携も予定しません。
専用コンテンツしか楽しめない割に、価格は2万9700円と高めなのも気になるところ。たとえばオールインワン型VRヘッドセットの「Oculus Quest 2」は、実売価格で3万7200円前後。HMDとしてコンテンツを楽しめるだけでなく、今流行のメタバースを体験するのであれば、こちらを選びたいところ。
高精細で高品質なディスプレーを搭載したXperia 1 IIIをHMDに使うというアイディアは悪くないと思うのですが、そこをゴールではなくスタートとして、製品を開発して欲しかったなと。開発キットなどの公開予定はないとのことで、今後の展開が期待できないのは残念です。
とりあえず期間限定で乃木坂46出演のオリジナルVRコンテンツを無料配信するそうなので、乃木坂46ファンなら買ってもいいんじゃないかなと思います。
ソニー Xperia View(Amazon)
(更新:2021/11/15/19:42)専用コンテンツに関する記述を変更しました。