経済・IT Amazon壁掛けディスプレイ「Echo Show 15」のポテンシャルは大きい。でも今はいらない、かな

よっぽどのAmazon好きなら、まぁ。

昨年秋に発表された15.6インチのAlexa搭載壁掛けディスプレイ「Echo Show 15」。日本ではまだ発売前ですが、米Gizmodo編集部がレビューしてみました。発表時からなんとなく??? はあったのですが、実際使った編集部としても「うん、いらないな」という結論に。今はまだ、ね。


Amazonがどれほど好きなら、Amazonにどれほど依存していれば、Alexa搭載ディスプレイをお家の壁にはりつけようと思うものなんでしょうかね。

Echo Show 15は、Alexa搭載のAmazon印ディスプレイでは最大サイズ。ノートPCほどの大きさで、セカンドモニターとも、小さなテレビとも言えるサイズ感。縦にも横にも配置でき、別売りのスタンドがあればデスクや棚の上に置くこともできます。Amazonのディスプレイと言うとちょっと身構えてしまいますが、基本はスマートホームのコントローラーハブ。GoogleのNext HubやSamsungのHome Hubと同じ並びです。

Amazon Echo Show 15

これは何?:Alexa搭載のスマートディスプレイ

価格:250ドル(2万9980円)

いいところ:縦・横どちらも配置可能、美スクリーン、1,080p動画対応

残念なところ:ウィジェットがいまいち、Visual IDビミョー、カメラの画質が低い

壁掛けがデフォ想定、設置は簡単

Amazon印最大のディスプレイ、15.6インチがどれくらいかと言うと、たまにお店で見かける大きめのデジタル写真フレームくらいです。ノートPCサイズならふーんってくらいですが、スマートディスプレイとしてはやっぱりかなり大きい。端末サイズは40cm×25cm。家のどこに設置してもかなり存在感があります。私はこれを家で使うため、ちょっとですけど、模様替えしましたからね。

経済・IT Amazon壁掛けディスプレイ「Echo Show 15」のポテンシャルは大きい。でも今はいらない、かな

壁設置は縦でも横でもできるのですが、マウントは回転しないので、最初に縦か横を決める必要あり。設置位置は目の高さくらいがベスト。ケーブルの長さは1.5mなので、近くに電源があるのが好ましいですね(延長コード使ってもいいんだけど)。設置難易度は写真フレームとほぼ同レベル、水平器とドリルがあると楽です。残念ながら私の賃貸のお部屋は壁に穴あけNGだったため、レビュー中は専用スタンドを使いました。

ソフトの設定も楽、Amazonの他のスマートディスプレイと同じです。電源いれて、Wifiに接続して、Amazonアカウントにログインして、ですね。家族を認識するVisual IDの設定もありますが、これは後述します。あとは、Echo Showに搭載されている5MPのカメラを、セキュリティカメラ的に使用するか、AmazonネットワークのSidewalkに接続するかを設定します(どちらも使用しない選択肢あり)。

横配置で設置すると、端末上部に物理ボタンが3つ。ミュートと音量+−。その横には、カメラを物理的にブロックするシャッターもあります。端末両サイドには1.6インチのスピーカーが内蔵されており、ビデオ通話やお部屋のBGM程度なら十分。

ウィジェット全般改善必至

もともとNestユーザーだったので、個人的にはGoogle(グーグル)のホーム系エコシステムを使っているのですが、Googleのスマートディスプレイは目的タスクにたどり着くまで何タップもしないといけない使い勝手があまり好きではなく。面倒くさくて、あんまり機能使わなくなっています。Amazonはここがいいかも。

Echo Show 15の大ディスプレイは、ウィジェットを使うことでホームハブとしてお家系タスクを整理しています。最初にいれたウィジェットは、スマートホームコントローラー。これ、毎日使っています。私は朝派なので、家族がまだ寝ているうちに起きるのですが、そのときは音声コマンドは使わず。Echo SHow 15のウィジェットで電気をつけたり消したりしていました。

ウィジェットを使うシステムはいいんですが、まだ数が少ない。今使えるのは、カレンダー(Google/Apple/Microsoftアカウントから予定挿入可能)、メモ、ToDoリスト、買い物リスト、地図、お天気など。基本的すぎる。今後、アプリ開発者に広くウィジェット公開して、もっといろんなサービスに対応できるようになるのに期待。ポテンシャルがあるので、今のままではもったいない。

ポテンシャルを無駄にしているのは、ウィジェットの種類だけでなく、使用数の制限もそうです。一度に使えるウィジェット数は6つ。こうなると、対応ウィジェットが増えても優先順位を考えて使わないといけなくなり、画面タップでホームコントロールする手軽さがなくなってしまいます。面倒だから座ってスマホでやろってなるなら、ホームハブディスプレイの意味なくなっちゃうんですよね。

あとは、各ウィジェットでカスタマイズ設定できることもまだ少ないし、ホームにウィジェット表示させるのもAndroidほど簡単ではなく…。スマホのAlexaアプリ使ったほうが楽というのが正直な感想で、ここは改善してほしいところ。というか、改善しないとダメ!

小さなテレビ

Echo Showシリーズは数多くあれど、Netflix/ Hulu/ Prime VideoアプリからのフルHD画質ストリーミングに対応したのはEcho Show 15が初。ちなみに、Disney+アプリなどまだ未対応のものもあるので注意。アプリがないものは、ウェブブラウザから見ればいいのでなんとでもなるっちゃなりますが。

サウンドクオリティは許容範囲。全体的にゆるい感じでベースは聞いてませんが、スピーカーではなくあくまでもホームハブ的ディスプレイなので過度な期待はダメですよ。エンタメ利用する人は、ホームシアターではなく小さなテレビと割り切ってね。セキュリティカメラとして使う人は、PinctureinPicture機能があるので、エンタメ観覧中もカメラ表示できます。

カメラの使い方は注意

搭載されている5MPのカメラは、Echo Show 8の13MPと比べると画質下がりますが、テレビ通話には十分。セキュリティカメラとしても、明るいうちは問題なし。夜暗くなると見えないのが難点…。スペックダウンは解像度だけでなく、Echo Show 8やPortal Goにはあるトラッキング機能もないんです。ユーザーの動きを追随するあれね。テレビ通話中に、動き回ってもカメラが追ってくれるというのに1回慣れちゃうと、少々不便を感じるかもしれませんね。

Echo Showシリーズ向けの新機能として登場したVisual ID。家族(同居人)の顔をスキャンして登録し、メンバーそれぞれにあった情報(今日の予定など)をAlexaが出してくれるというもので、話だけ聞いてるとベテランアシスタントぶりに期待したくなのですが、実際はそうでもなくて…。顔認識がうまく機能せず、例えば私を娘と間違えてしまい、特定のウィジェットにアクセスできなくなってしまうことがあってイラっとしました(娘はキッズアカウントなので、使えないウィジェットがある)。ホームディスプレイなので、認識する人は家族、つまり顔がなんとなく似ている人が多いわけで、顔認識の精度もうちょっとあげてほしいですよね。

今はまだ欲しいと思わない

スマートホームのコントローラとしては、Echo Show 15はまだまだ荒削りというのが正直な印象です。Zigbee非搭載ですし。ただポテンシャルはすごく感じるんです。家の中心に設置し、家のあれこれを画面のウィジェットで管理するのは、うまく機能すれば大正解なはず。が、そのためにはまず、ウィジェットの成長が必要です。現段階は最高のスマートホームディスプレイへ向けてスタートラインに立ったところ、なのかな。

なので、大きなポテンシャルを持ちつつも、今は大きなデジタルフォトフレーム止まりであり、その程度ならすでに他にいくらでも手持ちの端末はあるんだよなと。今、Echo Show 15をスマートホーム系ディスプレイとして購入するとしたら、よっっっっっぽどAmazonのエコシステムにどっぷり浸かってAlexaに頼っている人ですかね。