USB 3.1 Type-C×2を搭載、赤外線カメラ、LTE対応を選択可能に
ThinkPad X1 Yogaはディスプレイが360度回転する2in1タイプのモバイルノートPC。本体左側面の専用スロットに格納・充電できるデジタイザペン「ThinkPad Pen Pro-3」が標準で同梱されている。ほとんどのタブレット端末は、デジタイザペンを収納できないが、本製品ならどこかに置き忘れることもないし、バッテリが切れてしまうこともない。安心してデジタイザペンを活用できる設計だ。
本製品のもう1つの特徴が「有機EL(OLED: Organic Light Emitting Diode)」ディスプレイ搭載モデルが用意されていること。ライターの笠原一輝氏による前モデルのレビュー記事「革新的美しさの“OLEDディスプレイ”を採用したThinkPad X1 Yogaを試す」で詳しく解説されているが、バックライトではなく素子自体が発光するOLEDパネルは、高い色再現性、高コントラスト比、高い応答速度、広視野角という利点を備えている。このOLEDパネルについては章を分けて詳しくレビューしよう。
ThinkPad X1 Yogaの2017年モデルは、シリーズとしては2世代目に当たる。CPUはKaby Lake世代(第7世代)のCore i5/i7、メモリは8GB/16GB(LPDDR3-1866)、ストレージは最大1TBのSSD(NVMe選択可能)、ディスプレイは14型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット)/14型WQHD IPS液晶(2,560×1,440ドット)/14型WQHD OLED(2,560×1,440ドット)、OSはWindows 10 Home 64bit/10 Pro 64bitなどを搭載する。
なお、セキュリティ機能として指紋認証センサーのほかにWindows Helloに対応する赤外線カメラや、外出先でネットワーク接続するためのLTE対応SIMカードスロットをオプションで選択できる。また、本体カラーもThinkPadのイメージカラーであるブラックモデルに加えて、シルバーモデルが用意された。
下記には販売代理店モデルの主要スペックを掲載しているが、直販モデルには税別直販価格205,000円の構成も用意される。
製品番号 | 20JD0002JP | 20JD0003JP | 20JD0000JP | 20JD000EJP | 20JD0001JP |
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OS | Windows 10 Pro 64bit | ||||
CPU | Core i7-7500U(2.7~3.5GHz) | Core i5-7300U(2.6~3.5GHz) | Core i5-7200U(2.5~3.1GHz) | ||
GPU | Intel HD Graphics 620(300MHz~1.05GHz) | Intel HD Graphics 620(300MHz~1.1GHz) | Intel HD Graphics 620(300MHz~1GHz) | ||
メモリ | LPDDR3-1866 SDRAM 8GB | ||||
ストレージ | 256GB SSD(PCIe、NVMe) | ||||
ディスプレイ | 14型WQHD IPS液晶(2,560×1,440ドット) | 14型WQHD OLED(2,560×1,440ドット) | 14型フルHD IPS液晶 (1,920×1,080ドット) | 14型WQHD IPS液晶 (2,560×1,440ドット) | 14型フルHD IPS液晶 (1,920×1,080ドット) |
通信 | IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.1 | ||||
インターフェイス | USB 3.1 Type-C×2(電源、Thunderbolt 3、映像出力機能付き)、USB 3.0 Type-A×3(1基は常時給電USB)、HDMI端子×1、マイク/ヘッドフォン・コンボジャック×1、microSDカードリーダ、Ethernet拡張コネクタ(同梱のネットワークアダプタ専用)、720p前面カメラ | ||||
バッテリ駆動時間 | 約11.5時間 | 約15.6時間 | 約14.8時間 | 約11.5時間 | 約14.8時間 |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約333×229×15.35~17.05mm | 約333×229×15.7~17.4mm | 約333×229×15.35~17.05mm | ||
重量 | 約1.43kg | 約1.36kg | 約1.43kg | ||
指紋認証センサー | あり | ||||
ペン | ThinkPad Pen Pro-3 | ||||
Microsoft Office | なし | ||||
本体色 | ブラック、シルバー(直販モデルのみ) | ||||
直販価格 | 296,000円 | 321,000円 | 280,000円 | 295,000円 | 268,000円 |
インターフェイスも時代に合わせて刷新。USB 3.1 Type-C×2(電源、Thunderbolt3、映像出力機能付き)、USB 3.0 Type-A×3(1基は常時給電)、HDMI端子×1、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボジャック×1、microSDカードリーダ、Ethernet拡張コネクタ×1(同梱のネットワークアダプタ専用)という構成になった。
USB 3.1 Type-C×2とEthernet拡張コネクタ×1が追加されている一方で、電源コネクタ、Lenovo独自のドッキングステーション用端子「One Link+」、Mini DisplayPortが省かれているが、USB Type-C対応ディスプレイ、ハブのほうが利便性は高い。
複雑な360度ディスプレイ回転機構を備えているThinkPad X1 Yogaだが、湿度、低温、高温、粉塵、太陽放射、可燃性ガス、振動、メカニカル衝撃、高度、極端な温度変化、海運振動などの12項目のMIL-STD-810G(米国防総省が制定した米軍の物資調達規格)をパスしている。実際パームレスト部を握って少々乱暴に揺すってみても、わずかなたわみは感じるが、キシミ音はほとんど発生しない。製品公式サイトで耐加圧性能はとくに謳われていないが、ほかのクラムシェル型ThinkPadシリーズと同等の堅牢性を備えているというのが実際に数日間試用したあとの実感だ。
本体天面。左上の「ThinkPad」の「i」の赤点はLEDで、動作中に点灯する。電源に接続されると3回の点滅、スリープまたは休止状態に移行中は速い点滅、スリープ状態に移行すると遅い点滅でシステム状況を知らせる本体底面。上部両側面にスピーカー、右下にファン放熱口、中央のネジ右上に緊急用リセットホールが設けられている本体前面。底面に向かってカーブを描いている。スリットなどはないがディスプレイを開きやすい形状だ本体背面。左側にファン放熱口、右側にmicroSDカードスロットとMicro SIMカードスロットを保護するカバーがあるmicroSDカードスロットとMicro SIMカードスロットを保護するカバーははめ込み式。LTE非対応モデルにもMicro SIMカードスロットは存在するが、WWANモジュールを搭載していないので、Micro SIMカードを挿入しても使用できない。また、フルサイズのSDカードスロットが用意されていないのは残念だ本体右側面。左からThinkPad Pen Pro-3、電源ボタン、マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボジャック、Ethernet拡張コネクタ、USB 3.0 Type-A、HDMI端子、ケンジントンロック本体左側面。左からUSB 3.1 Type-C×2、USB 3.0 Type-A×2キーボード面。キーボードは6列89キー仕様。キーボード中央にはTrackPointポインティング・スティックが用意されているディスプレイ面。上部には720p前面カメラが、下部にはWindowsボタンが配置されている720p前面カメラの右には動作を知らせるLEDが内蔵されており、カメラ起動中に緑色に点灯する。ベゼルにある小さな穴はマイク。左のマイク右下には周辺光センサーがうっすらと見える同梱物一覧。左上から本体、小冊子(安全上の注意と保証およびセットアップについての手引き、サポートのしおり、PCリサイクルマークシールお申し込みについてのご案内)、ACアダプタ、電源コード、ネットワークアダプタ本体の実測重量は1,336gACアダプタと電源コードを合わせた実測重量は234.2gACアダプタ。給電にはUSB 3.1 Type-Cを使用するACアダプタは入力100-240V、出力20V/2.25A、容量45Wネットワークアダプタの実測重量は14gラップトップモードスタンドモードテントモードタブレットモード