体重増加、生活習慣病を防ぐ手立て
コロナ禍の自粛生活が1年以上続き、体重がどんどん増えている人が大勢います。その影響で、血糖値や血圧、コレステロール等の数値が悪化し、「生活習慣病予備軍」になっているのですが、そのことに気づいていません。
健康診断で体重増加の指摘を受けても、多くの人は「近々、運動しようと思っています」「再開しようと思っています」と言うだけで、何もしないまま終わります。そして、翌年の健康診断でも増えた体重はそのまま、もしくはさらに増量をしているのに、同じことを口にするのです。
今ならまだ間に合うのに……と医師としていつも考えてしまいます。
行動を変えなければ、健康状態は変わらないか、坂道を転がり落ちるように悪化していきます。自粛や各種制限で失った健康を取り戻す行動をとるため、ぜひ次の2つを指標にしてください。
①血糖値を上げない。血糖値を下げる②体重(内臓脂肪)を増やさない。体重(内臓脂肪)を減らすこの実践によって、ダイエットはもちろん、糖尿病や高血圧など、各種疾患の発症リスクを抑え込むことが可能です。
写真=iStock.com/RossHelen※写真はイメージです全ての画像を見る(3枚)「低インスリン状態をキープ」で勝手に痩せる
そのために具体的に行うべきことを、詳しく見ていきましょう。
まず、「①血糖値を上げない。血糖値を下げる」です。これを実現する最大の一手は、「低インスリンを保つ」ことです。これは、糖尿病だけでなく、血管を守ることで高血圧や心臓・血管系の疾患の予防にもつながる「基本」です。
私たち人間の体は、肥満ホルモンである「インスリン」の分泌を必要最小限にしておくのが、最も健康的な状態といえます。体に脂肪をため込む働きを持つインスリンがなければ、身体は脂肪をつけることができません。
逆に、過剰にインスリンが分泌されると、体には実にたやすく内臓脂肪がついていきます。そして、さまざまな生活習慣病を引き起こしたり、悪化させたりします。