ソニーモバイル「Xperia Z2 Tablet」

SoCにSnapdragon 801搭載

 冒頭でも触れたが、前モデルに相当するXperia Tablet Zが発表されたのは、2013年2月26日(出荷は4月13日から)。約1年でモデルチェンジしたことになる。前モデルは10.1型フルHDで厚み7mmを切り、重量500g未満の軽くて薄い筐体、搭載しているインターフェイスなど共通部分が多いものの、心臓部であるSoCはQualcomm Snapdragon S4 Pro(1.5GHz/クアッドコア、Krait/Adreno 320)だった。

 これ対してXperia Z2 Tabletは2世代違うSoC、2.3GHzでクアッドコアのSnapdragon 801を採用している。Krait 400(2.3GHz)とAdreno 330(550MHz)で構成され、メモリはLPDDR3-1866(14.9GB/sec)と、性能が大幅に向上した。

 ちなみに1世代前のSnapdragon 800は、最大CPUクロックこそ2.3GHzと同じだが、Adreno 330は450MHzと100MHz低く、メモリもLPDDR3-1600で12.8GB/secと帯域が狭かった。

 これだけ違うと、性能はかなりの違いがありそうだ。主な仕様は以下の通り。

【表】Xperia Z2 Tabletの仕様
SoCSnapdragon 801/2.3GHz(クアッドコア)
メモリ3GB
ストレージ16GB
OSAndroid 4.4
ディスプレイ10.1型トリルミナスディスプレイ for mobile、1,920×1,200ドット
ネットワークIEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.0
その他Micro USB(HML 3.0対応)、microSDカードスロット、NFC、200万画素前面カメラ/810万画素背面カメラ、音声出力、スピーカー、GPS
バッテリ6,000mAh
その他防水性能IPX5/8、防塵性能IP5X
サイズ/重量約266×172×6.4mm(幅×奥行き×高さ)/約426g
直販価格51,000円(税別)

 搭載メモリは3GB、ストレージは16GB。16GBモデルはソニーストア限定で販売される。Androidタブレットでメモリ3GBは現時点で最大級だ。また外部メディアとして、microSDカードにも対応する。ストレージは少ないものの、microSDカードが使えるので特に問題は無いだろう。

 OSはAndroid 4.4と最新版。マルチユーザーや制限付きユーザーに対応しているバージョンであり、例えば家族全員のアカウントを作り、リビングなどで共有したり、アプリやコンテンツを制限し子供と共有することもできる。この機能は現在iOSは非対応なので、Androidの優位性となる。

 インターフェイスは、IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.0、Micro USB(MHL 3.0対応)、microSDカードスロット、NFC、200万画素前面カメラ/810万画素背面カメラ、音声出力、スピーカー、GPS。

 ディスプレイは、10.1型で高解像度/高輝度/広色域液晶と言った特徴を持つ、同社のトリルミナスディスプレイ for mobileを搭載。解像度はWUXGAの1,920×1,200ドットだ。Micro USBがMHLに対応しているため、MHL→HDMIケーブルを使えば、家庭用の液晶TVなどへ接続でき、大画面で楽しむことができる。

 サイズは約266×172×6.4mm(幅×奥行き×高さ)、重量約426gと、前モデルのXperia Tablet Zと比較して、0.5mm薄くなり、69g軽くなっている。防水性能IPX5/8(前モデルはIPX5/7)、防塵性能IP5Xにも対応する。バッテリは6,000mAhを搭載。

ソニーモバイル「Xperia Z2 Tablet」

 カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色。ストレージ16GBモデルは直販限定で51,000円(税別)だ。

前面。中央上に前面カメラ、下の左右にある凹みにスピーカー背面。向って右上に背面カメラ、その少し下にNFCマーク下右側。下側面にヘッドフォン端子と、ドック端子。右側面には何も無い上左側。上側面、カバーの下にMicro USBとmicroSDカードスロット。左側面に電源ボタンと、音声±ボタン付属のUSB式ACアダプタ。約53×40×20mm(同)/39gと、かなりコンパクト重量は実測で425g(iPad Airは475g)iPad Airとの比較/フットプリント。奥行がほぼ同じで、幅はXperia Z2 Tabletの方が長いiPad Airとの比較/厚み。ちょうどiPad Airの周囲にある銀色のフレーム分だけ厚みがある感じだオプションのBluetoothスピーカードックとACアダプタ。実測で281gと意外と軽い。手前に電源ボタン、電話ボタン、音量±、凹みにドックコネクタ、後ろに電源入力と音声入力、トップにペアリング用のNFC

 個人的には、iPad Airを初めて触った時、それほど軽いとも薄いとも思わなかったが、このXperia Z2 Tabletはとにかく薄くて軽い。数字の上では数mm/数十gの違いなのに、人の感覚とは不思議なものだ。掲載した比較写真からも分かるようにフットプリントの奥行はほぼ同じで幅が大きい(画面のアスペクト比は4:3と16:9)。

 前面は中央上に前面カメラ。下の左右にある凹みにスピーカーが埋め込まれているため音は前に出る形となる。背面は向って右上に背面カメラ、その少し下にNFCマーク。左側面は、左側面に電源ボタンと、音声±ボタン。右側面は何も無い。

 上側面には、カバーの下にMicro USBとmicroSDカードスロット。USBから充電する時、このカバーを開けるのが結構面倒なのだが、防水性能IPX5/8、防塵性能IP5Xのためなので、仕方ないところ。下側面にはヘッドホン端子と、ドック端子がある。厚みが6.4mmと言うこともあり、どのコネクタも結構ギリギリに収まっている感じだ。

 付属のUSB式ACアダプタは、約53×40×20mm(同)/39gと、かなりコンパクト。もちろん同種のACアダプタを使っても充電可能だ。ただし残量0%からのフル充電は結構な時間がかかる(4時間以上)。

 重量は実測で425g。iPad Airは実測で475gなので50gの違いとなる。大きさや厚みの違いは掲載した写真を参考にして欲しいが、確実にXperia Z2 Tabletの方が1レベル軽いとお分かり頂けるだろう。

 1,920×1,200ドットの10.1型トリルミナスディスプレイ for mobileは流石と言ったところ。明るさ、コントラスト、発色、視野角全てにおいて文句無し。タッチの反応も良好だ。特に原色系の彩度が高く、写真はもちろん、動画は見栄えが良い。

 振動やノイズが無いのはもちろんだが、発熱も試用した範囲では気にならないレベルに収まっている。サウンドはクオリティは高いものの、若干パワー不足。オプションのBluetoothスピーカードックなどと併用したいところだ。

 このBluetoothスピーカードック「BSX10」と本体とのペアリングはNFCを使って行なわれ、扱いやすい仕掛けになっている。281gと見た目より軽いものの、Xperia Z2 Tablet自体が超軽量級なので、安定して設置することが可能だ。充電器を兼ね、別途音声入力もある。実売価格は15,000円前後(税別)だ。

 他にもオプションとして、Bluetoothキーボードを備えるスタンド付きカバー「BKC50」、Bluetoothリモコン「BRH10」、スタンド機能付きブックレット風保護カバー「SCR12」などが用意されている。

 背面カメラは約810万画素の「Exmor RS for mobile」、前面カメラに約220万画素の「Exmor R for mobile」を搭載している。

 背面カメラを使い、明るいところと暗いところで撮影したサンプルをそれぞれ1枚掲載した。露出補正やホワイトバランス調整などは全く行なわずフルオートでの撮影だ。AFは結構速くタッチで思った位置にピタリと合わすことができる。

明るい場所。焦点距離 3mm、1,746×3,104ピクセル、F2.4、1/500秒、ISO40暗い場所。焦点距離 3mm、1,746×3,104ピクセル、F2.4、1/16秒、ISO400

 ご覧のように今時のハイエンドスマートフォンと同レベルの写りだろうか。ただ筐体が大きいので、手ぶれしやすく、また写真に本体の影が写りこんでしまうこともある。この点は慣れの問題だが、個人的にはスマートフォンで撮影し、クラウド経由でデータを扱った方が楽だと思った。