最近、自宅の 2.4GHz 帯 Wi-Fi がかなり不安定で困っていたわけですが、原因が「スマートプラグの極性違い」だった、という貴重な体験をしたのでシェアしておきます。
コンセントに左右逆に挿しただけで Wi-Fi が崩壊するなんて、なかなか気が付かないですよね…。
一部のWi-Fi機器だけが不安定
とはいっても自宅の全ての Wi-Fi 機器がダメ、というわけではなく、不安定なのは主に以下の機器だけ。(上ほど不安定)
具体的な症状としては、Wi-Fi が切れたり繋がったりする、というもの。つまり、状況によって通信が通ったり通らなかったりする状態となっていました。
この症状、特に、Echo Show 5 の接続先 AP を 5GHz → 2.4GHz 帯に変えてからは本当に酷くって、我が家のスマートホーム機能がほぼ崩壊状態に。
面白いのは、同じWi-Fi ルーターの 5GHz 帯 SSID に接続している MacBook Air、Windows PC、iPhone、Android では症状が出ず、また、 2.4GHz 帯しか使えないお掃除ロボット「ルンバ」や「ブラーバ」も問題なし、という点。
なんとなーく、作り込みが甘そうな安価で小型な機器で症状が出ている、そんな印象でした。
原因はTP-Linkのスマートプラグ「HS105」の極性
文句ばかり言っていても仕方がないため、まずは原因を究明。
とはいっても、そこはリモートワーク中の嫁さんがいる厳しい環境。ウチの嫁さんは他人との協業が致命的に嫌いで、いつネットワークメンテ作業をしていいのか、一切の調整を拒否。朝から深夜、平日から土日祝まで、こちらの予定も勘案の上、半日単位でネットワークを止められるタイミングをさっぱり与えてくれない。
ちょっとした職場よりかは厳しい制限が課せられる中、宅内ネットワークの調査を進めていきます。
まずは Wi-Fi アナライザーを使い、魚群ほどはあろうかという周囲の 2.4GHz 帯 SSID の使用チャンネルを観察。
1, 6, 11ch の黄金チャンネルから外れたクソ AP 多数。出力もやたら高い。外から -50dbm 台以上の電波が複数飛んで来てるけど、何コレ?隣家の窓際からウチに向けてビームフォーミングでもしてんの?などと思いながらも、とりあえず、ドチャクソ干渉しまくってそうなことを理解。酷い状況。
ということで、嫁さんの目を盗んでは、混雑環境下での Wi-Fi の信頼性を上げてくれそうな設定を色々と試すも、改善はすれど根本解決には至らず。
そうして数ヶ月経ったある日、転機は訪れました。
なんと「Echo Show 5」の画面に「IPアドレスが取得できません」みたいなエラーが表示されたのだ。それで、
「あー、これはひょっとすると、おかしな子機があって DHCP が払い出す IP が枯渇してんじゃねーの?」
とルーターのログを見るきっかけに。
その昔、MACアドレスがコロコロ変わるクソみたいな Android 端末を掴まされた貴重な経験がこんなところで生きるとはね。
子供だましにしかならないことを知りつつも、脊髄反射で DHCP のリース時間を半分に短くし、そのまま NEC 製の光無線LANルーターのログを確認。するとこんなメッセージが。
2021-07-09 00:34:57 dhcps - 0.ntc: address assigned ,192.168.1.9 ,ac:84:c6:XX:XX:XX ,LAN2021-07-09 00:35:30 dhcps - 0.ntc: address assigned ,192.168.1.9 ,ac:84:c6:XX:XX:XX ,LAN2021-07-09 00:35:32 dhcps - 0.ntc: address assigned ,192.168.1.9 ,ac:84:c6:XX:XX:XX ,LAN2021-07-09 00:36:18 wless -17.ntc: Authentication request received, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:18 wless -18.ntc: Authentication succeeded, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:18 wless -17.ntc: Authentication request received, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:18 wless -18.ntc: Authentication succeeded, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:18 wless - 0.ntc: Association request received, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:18 wless - 1.ntc: Association succeeded, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:19 wless - 3.ntc: Disassociation request received, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:19 wless -20.ntc: Deauthentication request received, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:19 wless -20.ntc: Deauthentication request received, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:21 wless -17.ntc: Authentication request received, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:21 wless -18.ntc: Authentication succeeded, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:21 wless - 0.ntc: Association request received, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:21 wless - 1.ntc: Association succeeded, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:21 wless -11.ntc: PTK 4-way handshake completed, STA ac:84:c6:XX:XX:XX2021-07-09 00:36:32 dhcps - 0.ntc: address assigned ,192.168.1.9 ,ac:84:c6:XX:XX:XX ,LAN
Code language: CSS (css)
どうやら、ある機器が凄い勢いで Wi-Fi の切断・接続を繰り返している事が判明。
ちなみに、この MAC アドレス「ac:84:c6:XX:XX:XX」は全て同一機器。MAC アドレスの先頭6桁はベンダーコードなんですが、なーんか TP-Link 製品くさいなー、と思ったらビンゴ。
すぐさま足元に設置されていた TP-Link のスマートプラグ「HS105」を確認してみると、まさにこの MAC アドレス。
しかも、コンセントの極性が逆に挿さってる!
そのままでは挿らないんで↓こういう延長コードを介して挿してあったわけですが、
試しにこれを正しい向きに挿しなおしてみたところ、あらゆる症状がウソのように止まりましたとさ。
(※ コンセントの極性について詳しくない方は、上のリンク先の記事をどうぞ。N極とか、左右のフォークの幅が違うプラグとかそういうヤツです。)
結果、DHCP のリース枯渇ではなく、多分ノイズとかそういう系の症状だったのだろうとは推測していますが、とりあえず、それ以降、ルーターに同様のログは一切出なくなり、また、症状も一切再現しなくなりました。
あと、これは完全に気のせいかもなんですが、5GHz 帯で接続しているスマホもなんとなーくパケットロスが減ったような減ってないような。知らんけどな。
ということで、極性が指定されているネットワーク機器は正しく電源を取りましょう、という教訓を得たのでした。
いやー、ログ見たから分かったけど、見てなかったらこんなのパッとは思いつかないっすよ…。