東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は、ADSL/ISDNから「フレッツ光」への移行や、集合住宅の配線タイプ変更における各種割引の受付期間を、2022年1月31日まで延長する。これらの割引は2017年12月から行われており、今後も申し込み期間を延長することもあるとしている。
ADSL/ISDNから「フレッツ光」への移行、初期工事費が無料に
「フレッツ・ADSL」「フレッツ・ISDN」「INSネット64」「ISNネット1500」の契約者が「フレッツ光」に移行する場合、初期工事費が無料になる。申し込みは2022年1月31日までで、2023年1月31日までに開通した場合が対象だ。
戸建て向けは、「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」の「ファミリータイプ」「ファミリー・ハイスピードタイプ」「ギガファミリー・スマートタイプ」「ファミリー・ギガラインタイプ」「ビジネスタイプ」「プライオ10」「プライオ1」、「フレッツ 光ライト」の「ファミリータイプ」、「フレッツ 光ライトプラス」に移行すると、通常1万9800円の工事費が無料になる。
集合住宅向けは、「フレッツ 光ネクスト」の「マンションタイプ」「マンション・ハイスピードタイプ」「ギガマンション・スマートタイプ」「マンション・ギガラインタイプ」に移行すると、1万6500円の工事費が無料になる。
ADSL/ISDNの終了が迫る
これらの移行の初期工事費を無料にするのは、ADSL/ISDNのサービスの終了が差し迫っており、移行を促進するためだと考えられる。
「フレッツ・ADSL」は、2023年1月31日にサービス終了が決定しているため、残り1年少々。ISDNのデータ通信サービス「INSネット ディジタル通信モード」は、2024年1月に終了する予定。「フレッツ・ISDN」は終了の時期は決まっていないが、一部地域を除き、新規契約はすで2018年11月末に終了している。
集合住宅向け「フレッツ光」のタイプ変更工事費が無料に
また、集合住宅内の配線方式を変更する「タイプ変更工事費」が無料になる。変更前のサービスが「フレッツ 光ネクスト」の「マンションタイプ(VDSL方式/LAN配線方式)」の場合、「マンションタイプ(光配線方式)」「マンション・ハイスピードタイプ」「マンション・ギガラインタイプ」「ギガマンション・スマートタイプ」にタイプ変更を行った場合が該当する。申し込みは2022年1月31日までで、2022年7月31日までに開通した場合、タイプ変更工事費が無料になる。
戸建て住宅と集合住宅に回線速度の差
「フレッツ光」には、戸建て住宅向けと集合住宅で回線速度に差があるという課題がある。戸建て向けは最大1Gbpsで、一部地域では最大10Gbpsの「フレッツ 光クロス」も提供されている。しかし、集合住宅の各世帯にはVDSL/LAN配線方式で接続されていることが多く、その場合は最大100Mbpsだ。そのため、集合住宅の配線をVDSL/LAN配線方式から光配線方式に切り替えると、戸建て向けと同じ最大1Gbpsに向上する。
集合住宅の配線イメージ。左:VDSLを用いて各戸に配線をしている。右:配線を光回線に変更したイメージ。電柱から引いた光ケーブルを光スプリッタで分岐して各戸に接続する。これにより、集合住宅でもフル光化が実現し、最大1Gbps速度となるなお、このタイプ変更工事は、集合住宅の建物側に光配線のための配管などが整備されていることが前提となる(詳しくは、2020年7月10日付の関連記事『マンション内のVDSL配線を光配線へ、無料でタイプ変更工事~NTT東日本 「フレッツ 光ネクスト」の集合住宅向け“オール光”に積極的』を参照)。