いま筆者の自宅では、グーグルのスマートディスプレイ「Google Nest Hub Max」が活躍している。音声操作に対する反応が画面に表示されるようになり、スマートデバイスの便利さがより実感できるようになった。今回、グーグル合同会社 Google Nest製品戦略 アジア太平洋地区 本部長の秋山有子氏を訪ねた。スマートディスプレイ「Nest Hub」シリーズが開発された背景と、デバイスがユーザーにどのように受け止められているのか手応えをうかがった。
グーグル合同会社 Google Nest製品戦略 アジア太平洋地区 本部長の秋山有子氏あわせて、スマートディスプレイの最新モデルであるNest Hub Maxの上手な使いこなし方も紹介したい。■ユーザーの生活に自然となじむデザインと使い勝手先行発売されていた北米に続く形で、グーグルは2019年に、2機種のスマートディスプレイ「Google Nest Hub」シリーズを日本で発売した。11月にはスマートスピーカーのエントリーモデルを刷新した「Google Nest Mini」、メッシュWi-Fiルーターの「Google Nest Wifi」も相次いで加わったことから、Googleアシスタントを搭載した音声操作対応スマートデバイスへの関心が一段と高くなった手応えがあると秋山氏は語る。Google Nestシリーズのスマートディスプレイ2機種が国内でも出そろった。左が10インチのNest Hub Max。右が7インチのNest Hub視覚情報が増えるとスマートデバイスとのコミュニケーションが円滑になり、親しみがわきやすくなる。実際スマートディスプレイのユーザーからも「視覚情報が便利」という声や反響が寄せられているようだ。天気や料理のレシピなど、音声情報のみで応答されると内容が頭に入ってこない場合もあるが、目で見える情報があれば、しっかりと頭に入ってくる。例えばクックパッドで検索したレシピも、一番おいしそうに見える写真から選ぶことができ、使い勝手が高まる。筆者も10インチのスマートディスプレイと聞いて、使ってみるまでは画面が大きいのではないかと感じていた。やや持て余しそうで不安だった。ところが実際に部屋に置いてみたら、違和感がなかった。本体の奥行きが約10.1cmと実はスリムなので、置き場所を選ばない。ファブリック調のマテリアルをあしらったデザインは、自然にリビングルームの景観に溶け込んでくれる。ナチュラルなデザインがリビングルームの景観と違和感なく溶け込めるNest Hubシリーズスピーカーを内蔵するエンクロージャーはファブリック調のマテリアルでカバーされている。温かみのあるデザインだ「Googleのプロダクトデザインは、ハードウェア製品デザイン担当 バイス プレジデントであるアイヴィ・ロスが統括しています。ロスはエレクトロニクス製品だけでなく、ジュエリーにアパレル、おもちゃなど、様々なプロダクトデザインを手がけてきた人物です。グーグルでは、 “シンプル・ユースフル・ビューティフル” というフィロソフィーを大事に製品デザインを手掛けています。既成の価値観を超えたエレクトロニクス機器の新しいデザイン定義が、Nestシリーズには色濃く反映されています」(秋山氏)。筆者は、Nest Hubシリーズのデジタルフォトフレーム機能がとても良くできていると思う。スマホやカメラで撮影した写真をわざわざデジタルフォトフレームのメモリーにコピーしたり、表示に至るまでの面倒な “下準備” が要らないからだ。Pixelシリーズやその他のスマホで撮影した写真をGoogleフォトに放り込んでおけば、アプリが大事な人物や最近のベストショットを自動で選別しながら、ユーザーのアカウントにひも付けたアルバムの更新情報をNest Hubシリーズが認識し、最新のフォトアルバムを画面に映し出す。デジタルフォトフレームはスマホで縦に撮影した写真をきれいに2つ並べて配置してくれる。Googleフォトアプリから登録した人の顔画像を自動的に認識して、クラウドにアップロードされた写真をアルバムに自動追加してくれる機能が便利だピントが外れていたり、被写体や構図が重複する写真は自動的に除外してくれるし、Google Homeアプリから「縦向きの写真をペア表示」にする設定を選んでおけば、Nest Hubシリーズの横向きの画面に、縦向きの写真を2つ上手に並べてくれる。時計や気温の情報も写真を邪魔しない位置に配置される。賢く自分で考えられるデジタルフォトフレームなのだ。