各社からスマートスピーカーが続々と登場する中、独自路線をひた走っているのがLINEのスマートスピーカー「Clova」シリーズだ。
初代の「Clova WAVE」こそオーソドックスな外観だったものの、以降に発売された「Clova Friends」と「Clova Friends mini」はキャラクターの外観を採用している。部屋の中で浮かないデザインを目指す製品が多い中、あえて存在感を強調するという、他のスマートスピーカーとは逆の方向に舵を切っているのが面白い。
今回は数量限定で発売された「Clova Friends mini」のドラえもんモデルを使い、どのような製品なのか、またどこまで「ドラえもん」らしいのかをチェックしていきたい。
「Clova Friends mini(ドラえもん)」。価格は5400円(税込)。数量限定モデルで、LINEのオンラインストアでは既に完売扱いだが、量販店の店頭ではまだ在庫があるようだ。筆者は7月に入ってからノジマで入手した製品のパッケージ。Clova Friends miniは他にLINEのキャラクターである「ブラウン」と「サリー」、そして後日追加された「MINIONS Bob」がある本体と付属品。USBアダプターも付属しているのはありがたい「Amazon Echo」(右)との比較。大変コンパクトなことが分かる「Clova WAVE」(右)との比較。こちらは本製品のコンパクトさよりも、むしろWAVEの巨大さが際立つスタンドを付けた「Echo Spot」(右)とは同じくらいの背丈だセットアップは一般的、鼻のアクションボタンが面白い
セットアップの手順は、「Amazon Echo」や「Google Home」のそれと大きく異なるところはない。まずはスマートフォンに専用アプリをインストールし、起動。本製品を自動的に認識するので、Wi-Fiの設定を行えばよい。
ちなみに本製品のWi-Fiは5GHz帯にも対応しているので、自宅のWi-Fiはなるべく2.4GHz帯を使わないようにしているという(筆者のような)ユーザーにも安心だ。
スマートフォンの「Clova」アプリを起動すると本製品が自動検出される(画像=左)。ペアに設定するか尋ねられるので実行する(画像=右)ネットワークが検出されるので、パスワードを入力して接続する(画像=左)。認証が終わるとセットアップは完了(画像=右)設定アプリのホーム画面。Clovaシリーズ共通の画面だが、アイコン、レイアウトともに分かりやすい機能として面白いのは、ドラえもんの鼻がボタン(アクションボタン)になっていることだ。これを一度押すと再生・一時停止が行える他、長押しで「ねぇClova」というウェイクワードを省略できる。後述するアラームは、この鼻を押すと停止する。ドラえもんのデザインを損なわず、自然な形状でボタンが実装されているのは好印象だ。
その一方、首に付いている黄色い鈴はいかにも押せそうに見えてボタンではなかったり、尻尾に当たる背面の赤い突起もボタンではなく単なる装飾だったりと、やや紛らわしい。押せないことが一目で分かるデザインにするなど、インタラクションへの配慮はほしかったところだ。
本体前面、四次元ポケットがある部分には3つのLEDが備わっており、通知などがあると黄色、ウェイクワードに反応すると緑など、色でステータスを表示する。音量の調整、マイクのオフ、Bluetoothのボタンは背面に集約されており、前面から見た場合にキャラクターのデザインを損なっていないのはよい。
また、本製品は容量2000mAhのバッテリーを内蔵しており、数時間であれば電源ケーブルを外してワイヤレスで駆動させられるので、短時間だけ別の部屋に持ち歩いて使うことが可能だ。バッテリー搭載のスマートスピーカーは多くないだけに、競合他社と比べた場合の強みとなるだろう。
鼻は物理ボタンになっている。押し込むとカチッと感触がある首の黄色い鈴は何らかのボタンに見えてボタンではない。ポケットにあるのは通知などに用いられるLED尻尾に相当する赤い突起も、いかにも押せそうに見えて特にボタンというわけではない音量の調整、マイクのオフ、Bluetoothのボタンは背面に集約されている頭の上、目立たないところにマイクがある。耳をかじられた跡……というわけではない下部から音が出る仕組み真後ろから見たところ。電源はUSB Type-C、隣にはイヤフォンジャックがある底面には電源ボタンがある。製造元名についても記載がある「Clova」の聞き取り性能を高める方法1|2次のページへ