コミックナタリー

おぼろげながら知っている単語に知的好奇心が刺激されました

──「テスラノート」では天才発明家、ニコラ・テスラが生み出した“テスラの欠片”がキーアイテムとして登場します。皆さんはニコラ・テスラという人物は知っていましたか?

中井和哉 自動車メーカーのテスラがあるじゃないですか。あれがらみで、そういう人がいたんだねって、ごくごく浅い知識でしたね。あとは、オカルトとか眉唾ものの発明家のイメージもあって、でも本当はちゃんとした発明家なんですよね。この人を物語の真ん中に据えれば、マジな話にもフィクションにもできるなっていう、そういう面白さは感じました。

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小原好美 私は、発明家の方だなっていうくらいしか正直、知識がなかったです。ただ、「テスラノート」を知らない視聴者の方々は「テスラ」っていう部分に、「なんだろう?」「聴いたことあるな?」って引っかかって作品に入ってもらえると思うので、視聴者を引き寄せるすごいワードをタイトルに持ってきているなと思いました。

前野智昭 隆之助としてニコラ・テスラを説明するくだりがあったので、最低限のことは調べたりはしました。でも、もともとは知識という知識はなかったですね。発明家といえば、どちらかというとエジソンのほうが最初に名前が挙がる印象でしたし、そういう人物を中心に据えるっていうのは、逆に未知数で面白いなと思いました。

──では、テスラについて皆さん未知数のまま読まれた台本の印象はいかがでした?

小原 最初に台本を見たときは、専門用語というか、スパイならではの難しい言葉たちがいきなりわーってたくさん出てくるなと思ったんです。でも、読んでみるとすごくわかりやすく、すっと頭に入ってくるようなセリフで、実際にお芝居で組み立てていったらどう印象が変わるのかな、すごい楽しみだなっていう印象でした。

中井 おぼろげながら知っている単語や、聞いたことのない話がいろいろと並べられていて、すごく知的好奇心を刺激されました。「これは史実なの?」「これはどこまでわかっているの?」みたいな話題がいっぱいあって、どういう方向に物語が展開していくんだろうなって、ワクワク感が高まるような、そんな感じでしたね。その中で、僕らみたいな何も知らない視聴者は、牡丹というキャラクターを見ていれば、面白いこととか、危ないこととか、作品の中でいろいろ体験できるんだろうなっていう期待感を感じるキャラクターになっていて。1話は特に、知ろうと思えばどんどん深堀りできる面と、ライトに楽しめそうな面という両方が提示されている感じがしました。

前野 スパイアクションとは伺っていたんですけど、主人公の牡丹が忍者の末裔という設定もあって、隠れ身の術みたいな忍術を駆使して物語が進んでいくのかなと思っていたんです。でも、第1話の台本に、変装や読唇術という単語が出てきて、これは本当に本格的なスパイものとして作っていただいているなと思ったのが最初の感想でした。そこから、1つの任務をこなしてキャラクターが絆を深めていったり、各キャラクターの思惑が明らかになっていったりと、スパイものでありつつ、いろんな角度から楽しめる要素がある作品だなっていう印象になりましたね。