ネット投票は投開票時の人的集計ミス削減につながる
国内でも地方では過疎化などの事情で投票所の数が減っていると言う。離島や山間部に住む人は、交通手段も限られる中、遠い投票所に行かざるを得ない。しかし、ネット投票なら投票所に行く距離や時間的制約が解消される。「高齢者、病院や自宅で療養している人、障害のある人などはもちろん、親元から離れた場所に住んでいる学生や、単身赴任の方などにも、ネット投票の導入を検討すべきでしょう。こうした方々は、本来なら住民票を移すべきなのですが、様々な事情で住民票を移していないことが多く、選挙のたびに地元に戻って投票を行うのは時間やコストの面で難しいのが現状です。それぞれの状況や環境に対応できるという点で、ネット投票のメリットは大きいのです」と小島氏は訴える。
また、選挙事務においても、選管や自治体の投開票業務の負担が大きく軽減できる可能性がある。まず、投票所の合理化や効率化が図れること。例えば、投票所には投票立会人を有権者2人以上5人以内配置することが公職選挙法で定められている。「2人ずつ配置したとして、100カ所の投票所があれば、200人の立会人が必要となります。投開票作業は相当数の有権者と自治体職員が総出での作業になります。ネット投票なら投票所開設やマンパワーの面でかなり合理化できます」と小島氏は指摘する。
選挙の開票作業で最も重要なのは、各投票所から報告された投票者総数と投票箱の中の票数が一致していることだ。「しかし、人的作業ではさまざまな要因でミスが起こる可能性があります」と小島氏は顔を曇らせる。ネット投票なら手作業による人的な集計ミスは、ほぼ無くせるはずだ。