1.日時
令和3年12月23日(木曜日)16時00分~18時00分
2.場所
文部科学省東館3階 3F1特別会議室 ※Web会議での開催
3.議題
- デジタル教科書の導入・管理に関係する統一されることが望ましい使用等について
- その他
4.出席者
委員
大関委員、片山委員、加藤主査代理、近藤委員、下山委員、東原主査、渡部委員、榊原オブザーバー、白鳥オブザーバー、長谷川オブザーバー、三村オブザーバー
文部科学省
伯井初等中等教育局長、茂里大臣官房学習基盤審議官、安井教科書課長、度會教科書課長補佐、安彦デジタル教科書基盤整備検討プロジェクトチームリーダー
5.議事録
デジタル教科書の普及促進に向けた技術的な課題に関するワーキンググループ(第3回)
令和3年12月23日
【東原主査】ただいまから,デジタル教科書の普及促進に向けた技術的な課題に関するワーキンググループの第3回会議を開催させていただきます。 本日も,皆様お忙しい中,御出席いただきまして,誠にありがとうございます。今回も新型コロナウイルス感染状況を踏まえまして,ウェブ会議方式としております。 本日の議題は3件ございます。一つ目が,デジタル教科書の導入・管理に関係する統一されることが望ましい仕様について,二つ目が,デジタル教科書に標準的に備えることが望ましい最低限の機能や操作性について,三つ目が,その他の検討課題,これらについて皆様に御議論をいただく予定でございます。 それでは,事務局より配付資料の確認をお願いいたします。【度會課長補佐】事務局でございます。議事次第を御覧いただければと思いますが,本日の資料は資料1から6と,参考資料が二つでございます。過不足等ございましたら,事務局まで御連絡いただければと思います。 以上です。【東原主査】ありがとうございます。 今回は,まず事務局より報告事項があるとのことでございます。資料1について,事務局より御説明をお願いいたします。【度會課長補佐】事務局でございます。今週成立いたしました令和3年の補正予算について,デジタル教科書関係の事業を二つほど御説明させていただければと存じます。 具体的には事業内容,2番の事業内容のところを御覧いただければと思いますが,令和6年度の本格的な導入を目指すため,令和4年にデジタル教科書の今後の在り方について結論を得る必要があると考えております。このため,全国の小中学校にデジタル教科書を提供いたしまして,学校現場において慣れていただくことや,使用していくに当たっての課題をそれぞれで発見していただいて,解決していっていただく必要がございます。二つ目のぽつのところですけれども,また,デジタル教科書を提供して活用を図ることによって,地域内でのGIGAスクール構想を推進しまして,デジタル教科書が当たり前に使用される状況を創出した上で,紙とデジタルの役割分担の在り方,質だとか,量だとか,コストだとか,いろいろな観点あるんですけれども,それらについて検証いたしまして,デジタルコンテンツ化を図っていくと。こういったことを目指していく所存でございます。 対象となる教科でございますけれども,今年度も似たような事業,実証事業をやらせていただいていて,全国の約4割の学校に提供させていただいているところでございますが,今年度は学校の希望に応じて1教科であったところ,今回は一定のメニュー化を図っております。(1)から(3)ございますけれども,一つ目が外国語,英語です。二つ目が算数・数学,理科のうち,いずれか1教科で実施,三つ目が音楽,図画工作・美術,技術,家庭,体育・保体のうち,いずれか1教科で実施といったことを,各,例えば自治体ごとに選んでいただいて,その中から,選んだプランの中から,メニューの中から教科を選ぶといった形を取りたいと考えております。 この資料上は,例えばですけれども,国語,社会,道徳の記載はございませんが,これらの教科については当初予算のほうでカバーしております。当初予算についてはじきに決まりますけれども,今年度と同額ベースでありまして,今御説明申し上げた補正予算と,その当初予算を併せて,全ての小・中学校等で実施をしていきたいと考えております。また,従前より一部報道でございましたけれども,この事業を進めていくに当たって,英語のデジタル教科書については,全ての小・中学校に提供することを見込んでいるところでございます。 一つ目の事業,このGIGAスクール構想推進のための学習者用デジタル教科書活用事業についての御説明は,以上となります。 続いて,二つ目の事業につきましては,安彦リーダーのほうから御説明のほう申し上げます。【安彦リーダー】続きまして,デジタル教科書基盤整備検討プロジェクトチームリーダーをしております安彦です。私のほうから,デジタル教科書の配信基盤の整備についての補正予算の説明をさせていただきます。 資料の上のほうに背景・課題という形で書いておりますけれども,この中でも,特に一番課題として考えておりますのは,何しろ学校のネットワークがそれほど高速ではないということです。学校の中の校内LANは早いんですけれども,外のインターネット回線がなかなか脆弱な状況で,この昨今の通信,テレワーク等普及してきて,皆さんが使うようになって,日中も混むような状況が続いているというような,いろいろな課題があって遅いというような状況があるわけですが,そういった中でも,やっぱりデジタル教科書というのがしっかりと動くようなことを考えていかなければいけない,また,その利便性も,当然高くしていかなければいけない,そういった様々な課題がある中で,そういった課題を洗い出して,実証しながら,課題の解決策をしっかり導き出していきたいと思っております。 事業内容としまして,大きく二つございます。一つが,デジタル教科書等を全校で活用するということをこれから考えていった場合に,学習者の利便性をやはり上げていく必要があるだろうということで,これは実際にビューアでいろいろな機能がついているという形での利便性というよりは,子供たちが,これから一人一人が個別最適な学びをしっかり自分のものとしていく上で,デジタル教科書をうまく使って,学びを自分なりの工夫をしていって学びやすいようにする,そういった利便性ですとか,自分が保存したものがいつでも取り出せて,振り返って復習できたり,次の学びにつながっていく,そういった利便性というものを目指していきたいと考えております。また,完全供給を支えるネットワークの課題の検証ということで,これはデジタル教科書を全国どこの学校で使ったときも,やはりネットワークの関係で止まってしまうというのは、授業が成り立たなくなるようなことにもつながっていくということで,今は紙と併用ということですけれども,紙を実際に手元にない状態で使っても絶対止まらないんだというような,そういったネットワーク,デジタル教科書にしていく必要があるだろうということで,その課題も洗い出しながら,配信基盤の整備の中で検証をしていきたいと思っております。 二つ目としまして,デジタル教科書の要件定義を示すということを書いております。これは何を目指しているかというところでございますが,先ほど言ったように,デジタル教科書はかなりコンテンツが重くてネットワークに負荷がかかるような傾向があるということでございまして,また子供たちはいろいろな会社のいろいろな教科書をそれぞれ使うわけですけれども,そういった会社の違いでアクセスがまたしにくいというような現状もあろうかと思うところ,そういったところを全部標準化することによって,ベースを整えていこうというふうに考えております。そうすることでデータの利活用というところにもつながっていきますので,そういったところのベースをかなりライトなものにしていくというようなことを考えております。また,それによりまして,利便性も向上させていきたいですし,先ほど言ったように,データをしっかりと安全・安心に保存できたりということも大事になってきます。また,使い勝手という意味では,これまで新しいそういった標準の下で,いろいろな機能をその上に乗っけていくような形で,標準を基にいろいろなつくり込みというのも可能になろうかと思うんですが,そういった形で標準仕様を提示して,それに準拠したような形でのデジタル教科書の流通というようなものをしっかりと考えていきたいというふうに考えております。 また,こちらのほう,まだ具体的にこういうふうにやっていくんだということが,今すぐに見えているわけではございませんので,関係者の皆様方のいろいろな話をお聞かせいただきながら進めていきたいと思っております。ぜひとも御協力のほどよろしくお願いいたします。 私のほうからの説明は以上とさせていただきます。【東原主査】ありがとうございました。 それでは,ここから議題に移らせていただきます。一つ目の議題であるデジタル教科書の導入・管理に関係する統一されることが望ましい仕様について,資料2から3に沿って事務局から御説明をお願いいたします。【度會課長補佐】事務局でございます。資料2を御覧いただければと思いますが,デジタル教科書の導入・管理に関係する統一されることが望ましい仕様等に関する考え方と称しまして,これは,デジタル教科書の使用開始に当たって,ユーザー登録をする必要があるんですけれども,その際に用いるCSVファイル,フォーマットの統一化に関するものでございます。これまでビューア事業者様と意見交換を重ねてきたところでございますけれども,それらを踏まえまして,この資料を整えさせていただいた次第でございます。 説明のほう入らせていただきますが,まず現状といたしまして,学校等の教育現場においては,デジタル教科書の導入・管理に向けまして,児童生徒のアカウント設定等のため,ビューア事業者や教科書発行者が用意したCSV形式のテンプレートに従って情報を入力したデータファイルを作成いたしまして,民間事業者の管理画面を通じてアップロードを行うこととなっております。その際,複数の教科書発行者のデジタル教科書を導入する場合,各社の異なるCSVフォーマットに従って,複数のCSVファイルを作成してユーザー登録を行い,そのユーザーにデジタル教科書を利用させるためのライセンスのひもづけを行う必要がありまして,複数,幾つかつくらなければいけないというところで,煩雑であるとの指摘が度々なされてきたところでございます。今後,デジタル教科書が本格的に導入されれば,このファイルを用いたアカウント設定・管理や,ライセンスのひもづけの事務処理の負担は大きくなると考えられるため,このフォーマットの仕様の統一化と,ライセンスのひもづけの簡素化を図る必要があるというのが現状でございます。 続いて,統一化に向けた基本的な考え方といたしまして,一つ目,検討の方向性と書いておりますけれども,このページの三つほど丸があるんですが,この点に留意しながら検討を進めてきたところでございます。一つ目が,デジタル教科書の導入・管理に係る学校等における事務処理の円滑化の実現と,民間事業者様におけるシステム改修等に伴う様々な負担への配慮とのバランスを図る。二つ目が,教育委員会等が複数の学校を一括して一つのCSVファイルによって登録するのではなく,各学校が一つの学校につき一つのCSVファイルへの入力を行っている現状を踏まえたものとする。三つ目が,学校や民間事業者様の意見をヒアリングし,現場において円滑に機能するものとすると,こういった点に留意しながら検討を進めてきたところでございます。 それでは,その統一化した仕様の位置づけ・内容はどういったものかというところでございますけれども,統一化したフォーマットは,基本的にユーザーが使い始めるときの新規の登録だとか,追加登録の際に利用するものであって,このフォーマットを用いてファイルを一つ作成すれば,基本的にそのファイルを用いて複数の事業者のデジタル教科書のユーザー登録を行うことが可能となると。また,登録する情報の項目は必要最小限度にとどめると,そういった形で検討してまいりました。追加登録する場合は,追加したいユーザーのみから成るCSVファイルを作成することで,追加登録を可能にするとともに,既に登録されているユーザーが削除されないような対応が民間事業者には求められるとしたところでございます。 運用に向けたスケジュールといたしましては,令和6年度から統一化したCSVフォーマットを本格的に運用するということを考えておりますが,そのためには,令和5年度を試用期間と位置づけ、CSVフォーマットによる登録を導入予定の全社が試行運用を令和5年度に開始し、すなわち令和4年度,来年度において,事業者様には改修をしていただきたいということを考えております。 三つ目,3番ですけれども,統一されることが望ましい仕様等というところで,じゃあその登録項目はどういったものかというところなんですが,統一されることが望ましいフォーマットの登録項目は,これから御説明いたしますけれども,必須標準項目,任意標準項目及び各社独自項目に整理することが適当であると考えております。細かな話ですけれども,必須と任意というのは,学校側,使う側が必ず入力を要する項目であるか否かの観点から整理したもので,さらに細かいですが,標準と独自というのは,入力された項目に係る情報を全ての民間事業者が必ず処理したりだとか,ファンクションさせるかとか,そういった観点から整理したものでございます。これらを踏まえると,この三つの項目の位置づけは,次に説明するとおりであるかなと考えておりますが,必須標準項目とは何ぞやというところは,学校が必ず入力することを要するものであり,民間事業者が必ず処理・機能させるべきもの,任意標準項目は,学校が任意で入力するもので,かつ民間事業者が必ず処理・機能させるべきもの,各社独自項目というのは,学校が必ず入力することを要するものか,または任意で入力するもの,これは民間事業者様がどう求めるかによってくるものであって,かつ,丸2のところですけれども,特定の民間事業者のみが必ず処理・機能させるものといった形で整理しております。この整理に基づきまして,民間事業者様,あと学校関係者に対してヒアリングを行った結果,統一化すべきCSVフォーマットの登録項目は必要最小限とし,別添の内容とするとしておりますが,この別添というのは資料3のことでございまして,資料3をお願いいたします。 この図,この表で左側,1,2,3,4,5,6と振っておるんですけれども,4のところを見ていただければと思います。必須標準項目として,登録しなければいけない項目,整理した項目は,ユーザーID,シングルサインオン用ID,利用者区分,入学年西暦,任意標準項目は表示名,ニックネームとかの表示名と,各社独自項目で,それぞれのパスワードといった,このおよそ6ですね。6個の項目だけにしようという形で整理をさせていただきました。従来であれば,もっと多かったり,ばらばらであったものだったんですけども,この最小限の項目で整理したいと考えております。実際の細かなところ,例えば左のほうの番号でいうと,6番,7番だとか,文字数とか,文字種といったところは条件面になるんですけれども,これらについてはまだ,これからまた民間事業者と調整をして,年度内を目途に整理をしたいと考えておりますが,項目としては,今申し上げた6個で進めていきたいと考えているところでございます。 資料2に戻っていただけますか。続いて,(2)の各社独自項目の追加手続の方向性というところで,今,6個と申し上げましたけれども,今後,どんどん年が進むにつれて追加していくことも考えられるため,そのような場合に備えて,追加する手続の方向性を記載しているところでございます。御説明申し上げますと,民間事業者が各社独自項目を追加する場合は,学校において新規登録がなされると考えられる年度末に利用可能となるよう,当該年度の7月末までに文科省に対して追加項目や登録条件等を申請して,文科省は9月末を目途に,有識者の意見を聞いた上で判断を行うと。ただし,7月末までに申請を行うことができない,やむを得ない事情がある場合は,臨時追加申請といった形で行うことができることとしたいと。その際,文科省においても一定の判断を行う必要がございますので,2か月程度期間を要することに留意するといった形で進めていければと考えております。当然ながら,この手続に照らして,年度初めに追加が間に合わない場合など,合理的な理由がある場合は,こういったCSVフォーマットとは別の民間事業者の独自の手法によって,実際に使う学校現場とか,ユーザー側へ登録を求めることは差し支えないですが,その際,過度な負担にならないように留意する必要があると,こういった形でできればなと考えているところでございます。 続いて,デジタル教科書のアカウント設定・管理と称しまして,丸1番,アカウント設定ですけれども,ここ,アとイがあるんですが,ここで記載させていただいているのは,登録までの大まかな流れについて記載しているところでございます。学校は,文科省において示させていただいた統一化したフォーマットへの入力例を参考に,フォーマットに従って情報入力したCSVファイルをまず作成するという形になります。ここ補足ですけれども,なお書きのところですが,個別ログインというのは,各社それぞれのユーザーID,パスワードを用いてログインする場合です。そういったときのためのパスワードについては,セキュリティー確保のために,利用する民間事業者ごとに異なるパスワードとすることが望ましいです。次,イのほうに行っていただいて,CSVファイルを作成後,各事業者の管理画面,ホームページとかを通じてアップロードすることになります。シングルサインオン用のIDを入力している場合は,複数の民間事業者のビューアを利用する場合であっても,一つ同一のファイルを作れば,それをアップロードしていただくことが可能となります。一方で,先ほど申し上げた個別のIDパスワードを用いている場合は,パスワードに関しては,その登録先の事業者のパスワードのみが記載されている必要があるため,例えば前者の,全ての社の情報が記載されたマスターとなるようなCSVファイルをベースに,登録先の民間事業者以外の社のパスワードを削除して,登録先の民間事業者ごとにCSVファイルを作成した上でアップロードすること必要があると,そういった点に留意していただきたいなと考えております。 続いて,丸2のほうのアカウント管理のところですけれども,ここは学校において登録情報の修正とか管理をする場合の話なんですが,実際にそういった作業を一つの学校において複数の先生がされる場合があることは想定されます。ですので,そういった場合,どのような修正の仕方が考えられるかというところをちょっと書かせていただいておるんですけれども,一つは事業者のそれぞれの管理画面,ホームページ等において登録情報を修正するというやり方ですとか,もう1点が,CSVファイルによる一括修正が可能な民間事業者のサービスを利用している場合は,既存のCSVファイル上の情報を修正して,当該ファイルをアップロードするといった形が考えられます。 次のページ,お願いします。なお,ちょっと細かい話なんですけれども,管理画面上で修正した場合に,修正後にCSVファイルによる一括修正を行う場合は,既に行った管理画面上の修正内容を一括修正するためのCSVファイルにも反映させておく必要があると。そうしないと,管理画面上で行った修正済みの情報も,それが自分たちが持っている,手元にあるファイルに反映されていないため,どっちが新しいものなのかといったことがあるため,そういった点に留意する必要があると考えられます。また,情報の一元的管理の観点から,例えばそのシステム上の管理画面上で修正を行った場合は,例えばそのマスターとなっているファイル,全ての社の情報が登録された,手元にあるCSVファイル上の情報も同じように修正しておけば,それをマスターファイルとして情報管理することも有用であると考えられます。後述するエクスポート機能を利用する場合,ある民間事業者のシステムでエクスポートされたCSVファイルにおいては,ほかの事業者の各社独自,その各社にユニークな項目の情報が失われてしまっていることに留意する必要があると,そういった留意点もあります。次,イですけれども,民間事業者に求められる取組,これは任意であるものの,対応は期待される取組として記載させていただいておりますが,今し方申し上げましたエクスポート機能の実装です。民間事業者において管理画面上で修正された情報を含む登録情報をエクスポートできる機能を備えておくことが期待されると。これによって,CSVファイルによる一括修正に利用することができるなど,学校における情報管理に資すると考えられます。続いて,CSVファイルによる一括修正です。CSVファイルは,基本的には登録,新たに登録するときに使用することを念頭に置いておりますけれども,その修正時に用いる民間事業者も実際のところあるところでございまして,これは実際にユーザーの利便性の向上に資することも踏まえまして,統一化したフォーマットを用いて一括修正することができる対応も今後期待されます。で,そのときにCSVファイルを用いた登録修正が可能な場合のシステム処理の統一的な考え方は,以下のとおりにはなると思います。大きく3点あるんですけれども,まだ登録していないユーザーに係る情報をアップロードした場合は,当然それは新規に登録されます。矢印のところです。新規登録されます。既に登録済み,システム上も登録されているユーザーに係る情報をアップロードした場合は,その情報がその子に,例えば15生徒だった場合,15生徒の情報は上書きされるという形になります。なお,既に登録済みのユーザーであっても,その子の情報は何も修正したくないというときは,その修正したCSVファイルにその子の情報がなければ,何も修正とか変更が加わらないといった形の情報処理をしていただくことが望ましいかなと考えているところでございます。 続いてのページですけれども,今申し上げた3点を表にしたのがこの形になっております。 続いて,(4)のほう行っていただければと思いますけれども,こういったフォーマットの考え方を周知していかなければいけないと考えておりまして,文科省において,このフォーマットの登録項目を踏まえて,統一化したCSVフォーマットの仕様だとか,入力例を示して,学校や民間事業者様に周知していきたいと考えております。これを踏まえて,各事業者においても,それぞれのシステムの特性に基づいて,デジタル教科書の導入・管理に係る事項を各社のマニュアルとかで分かりやすく記載していただければなと考えておるところでございます。 最後になりますけれども,学校の利便性の向上方策として,今し方CSVフォーマットの統一化の話をさせていただいてきましたが,そのものではないんですけれども,いろいろ民間事業者さんと意見交換させていただいている中で,以下に述べるとおり,民間事業者が学校の利便性の向上のための取組を検討する際に参考となる方策の1案を示させていただければと考えております。細かいんですけれども,一つ目が各ユーザーとライセンスのひもづけの簡素化に向けた方策というところで,例えば学年の自動算定,現在のデジタル教科書の普及状況に鑑みると,同一学年に同一の教科書のライセンスをひもづける処理のために,民間事業者においては,例えば入学年西暦の登録情報を自動的に,この年に入学していればこの学年だといった形で学年情報に変換して,学年ごとにグループ化して表示する機能の実装が強く期待されると考えております。その入学年西暦の登録情報を自動的に学年情報に変換する場合の学年算定の在り方の基準といいますか,考え方は以下のとおりと考えられます。 次のページでございますけれども,例えばですが,学年は4月1日の0時0分0秒,サーバーの時計です,に進級,変わるということ。あと特定の年度において,どの学年に属するかが分かるようにするために,管理画面において,例えば年度設定,今年であれば2021年ですけれども,来年度,2022年,2022年度と打ったら,自動的にその設定した年度に合わせた学年を表示できるようにすることだとか,あと必要に応じて,実際の入学年とは異なる任意の入学前西暦を変更設定することで,変更後の設定年度に合わせた学年を表示できるようにすることだとか,義務教育学校だとか,中等教育学校の場合,その学年による課程の区分けがいろいろございまして,学年の表示,最初の学年から卒業年までの一貫表示とすることといった形が考えられます。続いて,ユーザーのグループ化というところでございますが,今後デジタル教科書がさらに普及した場合,同一学年で異なる教科書を利用する場合も想定されるところ,例えば高校とかも考えられますけれども,教科書のライセンスをひもづける処理のために,CSVファイルに,今はないんですが,クラスだとか,任意のグループを登録できるようにすることがユーザーの利便性に資すると考えられることから,事業者様においては,これらの登録項目を備え,ライセンスひもづけ処理で活用できるようにすることが期待されます。例えば高校とかであれば,世界史とか,日本史とか,地理とか,同じクラスの中でも選択している科目が,教科が違ったりだとかございますので,そういったことを念頭に置いております。そういったことが期待されるんですけれども,これらの項目は,引き続きこのワーキンググループにおいても,統一化した項目として,クラスやグループなどの登録項目の適否についても検討していければなと考えております。これ今後の話でございます。 (2)でその他の利便性の向上方策,参考に近いかもしれませんが,ユーザーカードの出力として,学校ではユーザーに対して,ログインに必要な情報を紙に印刷して配布することが想定されたりします。システムに登録されている情報を印刷・配布することを前提にした形で,出力する機能を提供することが期待されると。次が,文科省学校コードとの連携として,登録された情報がどの学校のものかを識別するためであったりだとか,文部科学省学校コードの今後の利用可能性を見据えて,各社において独自の学校コードを備えている社もございます,と,文科省学校コードを結びつけることが望ましいと考えております。このワーキングにおいても,引き続き統一化したフォーマットの項目として適当かどうか,適当か否かを検討していきたいと考えております。 最後になりますけれども,今後の検討事項として,先ほど申し上げましたが,このワーキングにおいて,先ほど六つほどの項目で最小限にとどめてCSVの項目としたい,そうすれば学校現場の負担も減るといった形でお話しさせていただきましたけれども,細かな登録情報の満たすべき条件,文字数をどうするのか,文字種をどうするのか,あるいはセキュリティーの観点も含みますが,そういったことを年度末までに検討していきたいと考えております。また,デジタル教科書の導入・管理の主体の在り方だとか,ビューア事業者の連携の在り方だとか,デジタル教科書の簡素かつ確実な導入・管理の在り方についても引き続き検討することが期待されると,このようにまとめさせていただいたところでございます。 事務局からは以上でございます。【東原主査】はい,どうもありがとうございました。 それでは,ただいまの事務局の御説明を踏まえまして,皆様方の御意見をいただければと思いますが,ここで一言述べさせていただきたいと思います。本議題を取りまとめるに際しましては,これまでの本ワーキンググループで委員の皆様からいただきました御意見はもちろん,オブザーバーとして御参加いただいている民間事業者の皆様の声,それから教育現場の声を丁寧にヒアリングし,その意見を踏まえ調整したものとなっております。そのために,御存じのとおりこのワーキンググループの開催の日にちも延期させていただいたというようなこともございました。したがいまして,先ほどその内容を事務局から御報告していただきましたけれども,特段の御意見があればここでお願いしたいというような,そんな趣旨でございます。 御質問,御意見いただく際には,WebExの挙手ボタンを押していただきましたら,私が順に指名させていただきますので,ミュートを解除して御発言ください。また,委員の皆様には,オブザーバーの方々に現状等を御質問いただいても構いません。その際にはオブザーバーの方々も挙手ボタンを押して,御回答をお願いいただければと思います。 それでは,どうぞ。御質問等,御意見ございましたらお願いいたします。 ごめんなさい。お名前が,私からちょっと見えない状況になっちゃっていまして……。 下山委員,お願いいたします。【下山委員】御説明ありがとうございました。こちらの,今後各社さんの独自項目については,文科省さんのほうに一度申請をして,それで承認を得て作業という形になると,そういう御説明だったんですけれども,独自項目についても承認が必要な理由というのは,CSVのほうと完全にもう同一にしておくという趣旨でしょうか。というのも,これ技術的には,標準化されている項目のみ読み込むとかは可能だと思っておりまして,それで運用上,特に各社さんで個別に必要なものについては,独自にもう追加していただいて,それは,ほかの会社さんのほうのシステムで読み込む場合には無視するとか,そういった実装も可能かと思われるんですけれども,いかがでしょうか。【東原主査】これは事務局でよろしいですか。それとも,加藤先生にお願いいたしましょうか。【加藤主査代理】じゃあ,いいですか。加藤です。ちゃんとした答えになるか分からないですけれども,今言われたこと,おっしゃるとおりだと思っています。ただ一方で,例えばクラスという独自項目をつくりたいと各社がもしも言って,各社独自でつくってしまうと,クラスというものが四つ,4種類できてしまいますよね。そのときに,1回申請してもらえば,これだけクラスというものがあるんだから,それはもう標準項目としてつくることも可能ですよねという手続が一つあると思います。 東原先生,ほかに何かありましたっけ。私が把握して答えられるのはこれですけれども。【度會課長補佐】クラスだとか,グループだとか,そういったもの,何か似たようなものが出てきたときに,事前に分かっていれば統一できたかもしれないのに,それでばらばらとなってしまって,結局また四つぐらい,例えば4社あったとしたら四つファイルを結局つくらなければいけなくなって,今の現状に逆戻りしてしまうといった懸念は考えられるところでございます。なので,基本的には最小限にはとどめたいんですけれども,一応一度申請していただければそういった調整も可能かなと思いまして,このような形でちょっと整えさせていただいたというところでございます。【下山委員】なるほど。ありがとうございます。そうしますと,今年度の調査として,各社さんの今登録に必要な項目というのは多分洗い出されていて,その上で今回必須項目というふうに幾つか定義されたんだと思うんですけれども,その調査の過程で,既に運用されているものというのはもう洗い出せているわけですよね。そうしますと,何でしょうね,こういったデータ標準をつくるときに,もちろん必須項目と任意項目,あともう一つ推奨とかを設けたりすることがあるんですけれども,現状のシステムがもうある程度決まっている場合は,一度各社さんの対応表,ホスト用の表のような形でつくって,それでどれを必須にするか,それでどれを任意にするかという形で,一旦全部網羅したものをつくって,そこから選んで使えるようにみたいなことをしたりするんですが,今回そういった方法を取られずに,まずは必須だけを決めて,そこから次年度以降に追加が必要になれば追加していくという,そういう方法を取られるということでしょうかね。【度會課長補佐】実際には,今下山先生おっしゃったとおりで,各社さんが何が必要なのかというのを全部洗い出した上で,各社さんと調整させていただいた上で,これにしようという形で決めたところでございます。【下山委員】なるほど。少し非効率になってしまうのかなという印象を持ちまして,もう項目として洗い出せているのであれば,そこからもう,今後必要になるであろうものとかも,例えば次年度以降検討が必要ということで挙げていただいていた,幾つかの,例えば学校コードとか,そういったものについても,今はもう任意項目として加えておくとか,そういった対応も取ろうと思えば取れる段階だとちょっと思われるんですが,そこは現時点ではされないという。【度會課長補佐】そうですね。例えば学校コードとかクラスが,今後の可能性があると思ったものですから,ちょっと言及させていただいたところではあるんですけれども,例えば文科省の学校コードとかであれば,新たにできる学校とかのコードがまだ年度初めとかだと完全には振られていない部分もあったりだとかして,うまくこう全て,全国の学校全てがうまく機能するかどうかというのが分からないというところがあったので,1回ちょっとペンディングとしたという経緯はございます。なので,一応そういうところもあったので,確実にいけるところで,何かもう明らかにこれを追加していくという想定が立っているというものがあるわけではないんですけれども,一応将来的な可能性も含めて,言及させていただいたというところでございます。【下山委員】はい。そうですね。例えば学校コードなども,将来的に必ず必要になるだろうと思われるんです。というのも,文科省さんのほうで全体として教育データ標準化も進められていて,その中で一環として,まず学校コードや指導要領コードというものを設定されていると。そうすると,今後のいろいろな事業や,あとはサービスにおいて,民間の方も含めて連携させていく必要があるという方向性は出されているわけなんです。そうすると,もう既に運用も始まっていますので,今の段階で早めに示しておかないと,各社さんの対応,また遅れてしまうことになるわけです。そうするとこのタイミングで,今もう決められるものは標準としてある程度示したほうが,サービスの連携も,ひいては学校さんとか生徒さん,児童さんにとっても,より利便性の高いサービスを受けられるような,教育の質が上がるようなことにつながってくるという理解なんですけれども,その辺り踏まえて,ちょっと今年度中にできるところはもう標準案として示していただくのがいいかと思っております。その辺りちょっと御検討いただければと。 特に今回,ちょうどこの会議をしている時間の裏というか,この同じ時間帯で,教育データ利活用の委員会も開かれているんです。そちらのほうでは,今主体情報ということで,特に教員とか,あとは児童生徒とか,そういう人に関するデータの標準案というものが,多分今発表されていると思うんですけれども,そういったものも出てきているので,いろいろなサービス,学校の支援システムであったり,そういったところとの連携とかも踏まえた上で,もう今標準として必要になると思われるものは早めに示しておいて,対応をなるべく早い段階でできるようにしていくというほうを御検討いただければと思います。【度會課長補佐】ありがとうございます。検討させていただきます。ありがとうございます。【東原主査】ありがとうございました。ほかにはございますでしょうか。 片山委員,お願いいたします。片山委員,お願いいたします。【片山委員】すみません。よろしくお願いいたします。本当に見事に取りまとめていただいたなという思いで感謝申し上げます。非常に分かりやすくすっきりとなっていて,すっと入ってきました。 今のお話にあった学校コードのところは私も同意見で,今回MEXCBTに関わるところで,既に学校コードとか,そういうようなものを引っ張り出して登録作業をしたんです。そのときに,やっぱりちょっと市の把握していたのと少し違ったところがあるというか,順番が違ったりとかあって,国のこういうものなのにやっぱりちょっと違っているんだなというか,コード自体間違っていないんですけれども,並び方とか,そういうのがあったんです。でも,それって逆に言うと,1回そこを直して,自治体の協力を得て1回直してしまえば,それに全部,それを標準ということでしていけば,教科書のほうも楽になるんだろうなと思ったときに,新年度の新しい学校ができるところだけ上手に作業さえすれば,各社が違うものを使っているなんていうようなことが続くよりも,できるだけ早くそれができるといいなと思っています。 それとあともう一つなんですけれども,これは今,順番,手順としてはこのとおりで間違いないんですが,今度デジタル教科書のこの話が,何というか,標準化が一般のデジタル教材のところに拡張されていくことが今見据えられているかなともちょっと思っていて,そのときに,今のこの標準のものがしっかりと描かれていて,ドリルの提供する会社のほうにも早めに周知されて,ドリルのほうもできるだけそろえてくださいみたいな話になっていくといいなと思っています。というのは,今新潟市でも,副読本の,副読本なんかデジタル化するとか,そういう自治体独自の動きとかもなっていったときに,それを何か民間事業者のシステムを使ってやるんですけれども,そこが何かちょっとずれたりしていると,これからいろいろ学習ポータルとの連携とか,またそこで教科書はそろっていいけれども,ドリルのほうがかなり遅れるなとかってなっていくとちょっと嫌なので,なるべく早めに,このデジタル教科書のほうの,ここの今出すのが基準になっていくわけですので,そこがちょっとでも早いほうがいいなという思いは,同じ思いで今お聞きしていました。でも,今回のところでいうと,本当によくそろえてここまでやっていただいたなということを非常に感謝申し上げているところです。 以上です。【東原主査】ありがとうございます。東原からちょっと一言補足させていただきたいと思います。今の資料2の1ページのところの下から二つ目のポチのところにございますが,これは学校単位でCSVファイルをつくるんです。それを前提としておりまして,新規登録時に必要なものということで,学校単位に登録するということは,もともともう学校を選んだ段階で,学校コードは別途入っていると思っていただいたらよろしいかと思うんです。したがいまして,先ほどから下山委員とか片山委員から御指摘いただいているような,教育データの利活用をするためにエクスポートするときには,あるいは他のシステムに持っていくときには,そこの学校コードはシステム持っていますから,持っていけるということであって,使えないとか,そういうものは視野に入っていないということでもないということで,現在のこの学校単位に登録する場合のCSVファイルの中には全員同じものが入るわけですから,そこにはなくてもいいんじゃないかというようなプロセスを経て,ここに今は落ち着いているという,そんなふうに思っていただけるとよろしいかなと思いました。 渡部委員,お願いいたします。【渡部委員】ありがとうございます。今,先ほど片山委員のほうからもお話がありましたけれども,私,日本図書教材協会,教材の立場でお話しさせていただきますと,今回のデジタル教科書の導入に当たっての規格が統一されてきますと,次は教材においても,やはりその辺りは参考にさせて,応用させていただきたいなと思っているところです。 少し脱線するかもしれませんけれども,現在私どもの図書教材協会の加盟出版社のデジタル教材の現状について少しお話しさせていただきますが,以前本会議で,同じく図書教材協会の森委員のほうからも発言があったと思うんですけれども,これまでも図書教材を,それを補うものを中心に,デジタル教材を足したようなものは提供させていただいておりまして,主にこれまでは先生向けのもの,教師用のもので,CD-ROMですとか,そういった形で提供するものが多かったんですが,今年度からGIGAスクール構想で,タブレット1人1台という形がもう普及してまいりましたので,学校現場からのニーズもございますので,児童生徒がタブレット端末で学習できるもの,また,クラウドで教材提供できるものも増えてきております。内容面につきましても,図書教材と同じく,学習指導要領,それから教科書の内容に沿った豊富で良質な教材,デジタル教材を提供しているところであります。ただ,まだ学校現場ではやはり図書教材,紙による指導・学習が主流であるところもありますので,その辺りのニーズもしっかり応えながら,まずは学力保障の観点を第一義にしながら,図書教材,それからデジタル教材,それぞれを効果的に使い分ける,そういった形で活用できるように提案しているところではあります。少しまた脱線しますけれども,私ども図書教材協会では,ICT活用に対応した学校用デジタル教材ビジョンというプレスリリースを今月も出させていただいたんですが,今申し上げたようなこともそこに書かせていただいております。 そういった形で,教材各社も今デジタル教材の開発をさらに進めているところでありますので,さらにこのデジタル教科書の統一規格を教材のほうでも応用していくことは,ユーザビリティーの観点から,それから,その先のデジタル教科書と教材の連携というところを考えていく上でも重要かなと思っております。先ほどから話が出ています学校コードのことも含めて,仕様が統一されてきましたら,それをできるだけ早く教材のほうにも生かせるような研究を進めていくとともに,また文科省さん,それから教科書会社さんとともに,その辺りの意見交換もしながら,できるだけ現場に負担がかからないような形を提案していきたいと思いますので,その辺りの部分は早めに早めに,形が見えてきましたら,こちらにも,教材会社のほうにも御提供いただけたらなと思っております。 以上になります。ありがとうございました。【東原主査】関連する情報ということで,いろいろな状況をお話しいただけたと思います。いずれにしましても,教科書だけではなくて,副教材も併せて子供たちの環境というのはできていくわけなので,貴重な御意見,状況を御報告くださいまして,ありがとうございました。 CSVファイルの項目は,これでいけるかどうかということを決めていかなきゃならないという立場におりますので,先ほどの文部科学省の学校コードのことに関しまして,明確にしていきたいということから申し上げます。まず,文部科学省の学校コードを今後使っていくという大きな方針は文科省が示しているわけですから,我々は当然それにそっていくことになります。そのことと,新規アカウントを登録するときのCSVファイルの中に,それそのものが必要であるかという話とはちょっと別だということを,先ほど申し上げました。 それと,現在のシステム上,じゃあ文部科学省の学校コードが各システム上で使われているか否かということに関しましては,これは後ほどオブザーバーの方にも聞いてみたいとは思いますけれども,私の認識では,今は入っているシステムもあれば,これからそれを視野に入れていくところもあるということで,この会議で目指しておりますのは令和6年のことでございますので,令和5年にはそれの試行ができるようにということのメッセージになっております。したがって,今のこの議論を関連事業者さんが聞いていてくだされば,学校コード,文科省の学校コードをちゃんと使えるようにしていかなくちゃいけないんだろうなというメッセージにはきっとなるだろうと。ただ,このCSVの中に書き込むのではないんだろうなという整理を私の中ではしております。 それで,片山委員に先にちょっと伺っておきたいと思うんですけれども,先ほどのような学校単位にCSVファイルを登録するという観点から,今回はここのCSVにそのコードを入れる欄を設けていないということで説明させていただいたんですが,あえてやっぱり設けておきましょうという御意見になりますか。それとも,取りあえずそういうことだったらこれでいいという感じでよろしいでしょうか。【片山委員】そういうことであれば,今回はそれでこれでいいのかなと,今お聞きしていると,ちょっと私の理解の中では何となく思っていますが,多分。すみません,まだ分かり切っていないところもあるので。承知いたしました。【東原主査】ありがとうございます。オブザーバーで参加してくださっている方,現状のシステムで,学校を識別するコードは独自のものですか,それとも今後の予定どうなっていますか,みたいなことに関する御意見等いただければと思いますが,白鳥オブザーバー,手を挙げていただいていますか。お願いいたします。【白鳥オブザーバー】白鳥です。弊社はクラウド版を2018年から開発しておりますが,当時は学校コードがまだ無かったこともありまして,現状は独自のものを使用しております。ただ,教育データの利活用をする際には,学校コードと連動した形でエクスポートできるようにするというところを見据えております。今後,弊社の中で持つコード自体を学校コードに置き換えていくようなところは,ワーキンググループ,こちらの議論を踏まえて進めていきたいと考えておるところでございます。 以上になります。【東原主査】ありがとうございました。 オブザーバーでもう1人,三村オブザーバー,三村さん,お願いいたします。【三村オブザーバー】富士ソフト,三村でございます。弊社のみらいスクールプラットフォームでは,現状でも文科省さんの学校コードのほうをシステムのほうで保持しております。独自コードと両方持っていますので,この先出力もできるという形になっております。 以上でございます。【東原主査】ありがとうございます。 下山委員,いかがでございましょうか。【下山委員】御回答いただきありがとうございます。こちら,先ほどのちょっと御説明で確認しておきたかったもので,ちょっと書き込ませていただいた次第なんですけれども,各社さん方の対応状況まちまちということなので,ただ,今後エクスポートして,本当に学校側で問題なく運用ができるようにするためには,やはりこういった標準コードを使っていくとか,あと各社さんでマッピング,対応がちゃんと取れるようにしておくとかをしていただけると,よりスムーズなフォーム運用につながっていくと思いますので,そこは,できればこのCSVのフォーマットの中だけというよりは,この運用をスムーズにするための方針,ガイドラインというか,CSVとセットでの学校コード,学校で運用するときにエクスポートされたものをそのまま他社さんのところに登録ができるようにということで,そこの方針として示していただく必要があるのかなと思っているんです。というのも,やはりそこでコードが違ったりすると,また学校での対応が必要になったり,あとはうまく登録ができないとか,何かエラーが起こってしまったりとか,そういったことも考えられるので,そういった,今回学校側にもヒアリングしていただいていると思うので,いろいろなところも配慮された上で登録されていると思うんですが,今後ちょっとまだ運用面,現状問題になっていないことも今後予想されるところというのは,先手を打ってなるべく対応していく必要があると思っています。本当に,何でしょう,現状から見ていくだけではなくて,将来的にちょっとどういう形を目指すかというのを考えた上で,先にもう仕様として表示しておくものはちゃんと出しておく,方針として出しておくというような考え方で進めていただけるといいかなと思っております。【東原主査】貴重な御意見,ありがとうございました。このワーキングの総括的な取りまとめの中では,入れていくことに当然なると思ってございます。今日はその中のほんの一部のCSVのところの定義をしてしまいたいなという,そういうふうに御理解いただけると大変ありがたいと。いずれにしましても,貴重な御意見でございますので,全体の中で生かさせていただければと思っております。 大関委員,お願いいたします。【大関委員】教科書協会の大関でございます。御提示いただいた資料2,資料3ともに,こちらからはあのとおりで異論ございません。東原先生,加藤先生,事務局の皆様に丁寧なヒアリングと調整をしていただいたと思っておりますので,感謝申し上げます。ありがとうございました。 それから各事業者の対応する,何というか,大変な部分というのも御考慮いただいて,来年度対応する時間を見ていただいたこと,この辺りも現実的な対応として御検討いただいたところで,ありがたいなと思っております。来年度の対応を見た後に,その後試用期間,本格運用,実際の運用が進んでいくことになるので,ここからがもっと大切なのかなと思っております。ここで検討した内容を実りあるものにするために,もし,万が一現場との乖離とか,齟齬とか,その後何かというのがあったら,またこのワーキンググループなどで柔軟に更新とかを検討していけるような,そんな形で進めていけるとよいのかなと,今のところでは思っております。取りまとめ,本当にありがとうございました。 私からは以上です。【東原主査】教科書協会を代表してというようなご意見をいただきました。 片山先生,お願いいたします。【片山委員】今の点で,私もやっぱり準備期間は要るんだろうなと今思っていたので,それでいいと思います。その上で,来年度から各学校で,全ての学校で3教科やるような形に恐らくなっていくという,この実証研究が。そのときに,年度初めのときに,やっぱりそこのところはもう致し方ない形で,フォーマットの違うのが各自治体がやらなければいけないという形になっていきます。そこで,何というか,マイナスのイメージが広がると嫌だなとすごく思っていて,デジタル教科書,いろいろ次々増えていくと大変だなみたいな,そういう何というか,先入観がつくと非常によろしくないなとは思っていますので,前も言ったとおり,現場の管理者の限界を超えている中で,1教科だったところが3教科に増えていくというときにマイナスのイメージが広がらないためにも,今ここで決めてこうやっていって,令和5年にはそこがすっきりとした形に変わるような形で進めているんだというところのアナウンスを,各学校の担当者に届くレベルまで,ここ非常に難しいんですけれども,事務局の皆さんからまたお骨折りいただいてやることが,やがて次の改訂のときに教科書を喜んでもらえるという形になっていくかと思うので,また,私も頑張りますが,よろしくお願いしたいと思います。 以上です。【東原主査】今の件につきまして,事務局、お願いいたします。【度會課長補佐】事務局でございます。片山先生,ありがとうございます。おっしゃるとおりで,後々にはちゃんと変わるんだということも含めて,しっかりと現場に,学校現場のほうに伝わるようにアナウンスしていきたいと思います。 1点だけ,先生今3教科とおっしゃられましたけれども,事業でつくのは多いところで2教科とかでございますので,補正予算とか,当初予算を合わせて。その点だけ,すみません,ちょっと改めて今補足させていただいたところでございます。 以上です。【東原主査】ありがとうございました。【片山委員】すみません。ありがとうございました。外国語が一つと,あとそのどっちかから選ぶ,多くても選ぶという形ですか。【度會課長補佐】おっしゃるとおりで,基本的にはそうなります。予算の都合上,全てのところに2教科入るわけではないので,1教科のところも,そこは予算のアッパーがありますので,そこはうまくその希望を取りながら,自治体と調整のほうをさせていただければといったことを考えております。【片山委員】ありがとうございます。やっぱりそうなんですね。私も何か三つじゃないと思いながら,今までの発想より随分増えたなって感じもあって,ただ結構問合せいただいたり,あるいは割と皆さん,ポンチ絵の受け止めがやっぱりそういう形で,一つ外国語決まっていて,あとは技能教科と,それから4教科から一つで選べるんじゃないかみたいな形で,かなり話も広がっているところもあって,そこのところをちょっと最初確認しようと思ったんですけれども,ちょっと流れがあったので,そういうふうな形で今話をしたらはっきりするかなと思っていたので。ありがとうございます。じゃあ,今後何か質問があったときには,一応外国語は全部の学校に行くんでしょうか。行くけれども,もう一つは手を挙げたところの中で,2教科目があるかもしれないところと,それが通らないところもあるというような形でしょうか。じゃあ,そういうような形で話をしていきますし,私も理解し直しました。ありがとうございます。【度會課長補佐】大きな形としては,今片山先生おっしゃっていただいたとおりでございまして,我々としても,都道府県の担当者さんとかとちょっと連絡を取り合って説明のほうさせていただいているところでございますので,昨年に引き続いて丁寧に御説明のほう,引き続きさせていただければなと考えているところでございます。【東原主査】どうも皆様,御議論ありがとうございました。 特段御意見がなければ,この辺でまとめのほうに行きたいと思いますが,挙手のボタンは今片山先生の最後の御発言のボタンだけで,あとはなさそうなのでよろしいですか。 ちょっと復習いたしますと,表がございました。資料の3になりますけれども,資料3のところにありますような項目につきまして,まずは動いていくと。今後,その細かい条件等につきましては,さらに事業者さん等々と詰めていくということで,今日は何が決定できるかというと,項目として,先ほど度會さんのほうから6個というようなお話が出ておりましたけども,各社の独自項目というのもございますが,標準項目の中の必須と任意,そして各社独自項目,スタート時点はこれでまずいきましょうということが,ほぼほぼ合意が取ることができたというふうにまとめられれば,私とすると立場上ありがたいんですけれども,そういうことでよろしいでございましょうか。(「異議なし」の声あり)【東原主査】どうもありがとうございました。 それでは,事務局の案のとおりとさせていただきます。 また,貴重な御意見をいっぱいいただいておりますので,これはCSVファイルの文章とは別のところで,きちんと報告の中に入れ込んでいけるように努力したいと思います。どうもありがとうございました。 それでは,続いて二つ目の議題ですけれども,デジタル教科書に標準的に備えることが望ましい最低限の機能や操作性について,皆様に御議論いただきたいと考えております。 初めに大関委員より,教科書協会で検討されたデジタル教科書の発行に関するガイドラインについて,資料4に沿って御説明をお願いいたします。以前にもお願いしたんですけれども,ちょっと発展したというようなことでしょうか。よろしくお願いいたします。【大関委員】教科書協会の大関でございます。では,私のほうから,ガイドラインの一部改訂案の概要を説明させていただきます。 第1回の7月に開かれたワーキンググループで,一部改訂版の案というものを同じ表紙の資料で,少し長い時間をいただいて説明をさせていただきました。その後,教科書協会の中で検討しまして,これを案を取った形で,一部改訂版ということで,令和6年度に向けてのガイドラインの一部ということで,公表させていただくということになりました。というところが進んだところでございます。来年の1月には,教科書協会のウェブサイトでガイドラインの本文そのものを公表させていただく予定でございますので,詳しくはそちらのほうを見ていただければと思いまして,今日は,この後の議題に関係しそうなところを中心に,お話しさせていただきたいと思っております。内容につきましては,7月に概要として説明させていただいたことからは,あまり変わっておらずというところなので,今日のこの後の話につながりそうなところを中心に説明させていただきたいと思います。 まず,このガイドラインの位置づけです。現在のところ,デジタル教科書は発行が義務化されたものではなく,教材という位置づけであります。ですので,強制力を持つガイドラインということではなく,あくまで望ましい在り方を示したものということで,ガイドラインの位置づけとしております。ただ,我々発行者としても,学校現場で混乱を生じさせないために,発行者が考慮すべき基本的な項目,条件,これを発行者みんなで話し合ってつくっているものでございます。また,現在大規模で今年度から使い始めていただいております,国のほうの施策もいろいろと,非常に早く動いております。ですので,一旦はこの形で公表させていただきますが,ガイドラインそのものは順次改訂,更新していきたいと考えているという位置づけのものでございます。 目次,こちら7月に御説明させていただいたものと同じです。GIGAスクールの環境の話があって,供給,まず供給をして,導入・設定して,それから実際に使用における機能,操作性,それから教材との連携や教育データの利活用という,この5章の仕立てになっております。 今日はこの後の話に何らかつながるかなと思いまして,デジタル教科書の使用における機能と操作性,一般の機能,それから特別支援向けの機能,ユーザーインターフェースと,三つの節で分けております。ここを御説明させていただきたいと思っております。ということで,ちょっと資料,たくさんあるのですが,4章まで飛ばさせていただきます。 まず一般の機能,これはいわゆる特別支援の機能以外のものを一般の機能として,最低限必要性があって,共通化したほうがよいということで,発行者の皆で考えたものを示しております。まず,教科書ですので,ページの移動ができる,簡便に目的のページに移動できる,それが1ページ,1見開きずつ移動する,それから目次から移動する,任意のページに指定ページというような形で,何ページとか打って移動できる,こういったことが,まずページの移動として書かれております。 そして書き込みです。フリーハンドのペンの形で線,直線,図形などを描画できる。その書き込みの色は,赤,青,緑,黄色,黒,白として,カラーユニバーサルデザインを考慮したRGBの値,この辺りを今後ガイドラインで共通のものとして示せるといいのではないか,こういったようなところを話しております。それから線の太さを目的に合わせて変えられる,それから書き込んだ内容を保存する,こういったところが書かれております。 そして,その書き込みを消去,任意の書き込みを消す,それから表示している紙面の書き込みを全部,全て消す,こういったことが考えられます。それから拡大縮小としましては,紙面内の任意の箇所を拡大表示できる,拡大した後に見開きに戻す,あるいは紙面の表示位置を動かす,こういったことができるということを記載しております。 そして,特別支援の機能のところです。ここは専門の先生に御指導いただいて,まず考え方を書いております。特別な支援を要する児童生徒に配慮した機能は,デジタルの特性を生かすものであると考えられます。この特性を生かすため,ユニバーサルデザインに配慮したものであることが求められる。将来的には,全ての児童生徒が教科書の内容にアクセスできるデジタル教科書を目指すこととなるのですが,障害の種別,特性,様々ありますので,現時点で求められる全てに対応することは困難であると,こういった事実が,それはそれとしてありますということなので,当面は学校現場,それから研究者の方から,最低限必要性があるものとして多く御意見が上げられているものの在り方を示しております。また,特別支援機能の対応は,いわゆるビューアの機能で一律でできるものもあれば,それぞれのデジタル教科書の製作時,データをつくるときに個別対応が必要なものも多いため,ここに記載ある項目でも段階的に対応することも考えられるというようなことを,まず全体の考え方として記載させていただいております。 それぞれの機能のところとしまして,文字色・背景色が変更できます。変更するに当たって,特にリフローの画面,色の組合せで,背景が黒で文字が緑とか,そういった色の組合せで選択するようなものが多いのですが,これが今まちまちでありますので,ここの部分が共通化されているといいのではということで,今後この辺りは共通化を,専門の先生の御意見を聞きながらしていけるといいのではないか,こういった話をしております。それから明るさ・コントラストの調整,そして総ルビです。漢字に振り仮名を表示できる。そして拡大,任意の箇所を拡大したり,文章を中心に読み込む学習を行うような紙面では,リフロー画面で文字を拡大できます。そのときにリフローの画面では,書体を選んで切り替えられる,こういったことも有効というようなところを記載しております。 それから音声の読み上げ,いわゆる機械音声の読み上げです。掲載されている文章を機械音声で読み上げる,読み上げ速度を変更できる,数式,単位については読み方が統一されているということで,これは一部ですけれども,読み方,これは統一できるとよいというようなところを記載させていただいています。 最後にユーザーインターフェースです。まず,考え方としましては,操作性,子供たちタブレットで様々なデジタル教科書以外のものも使ったり,日常からもう慣れておりますので,OSやブラウザ,ほかのソフトを使用する際の操作性と大きく異なると,ユーザーの利便性を損なうことになるでしょうということで,もう画面見たらピンチインアウトしたり,指でフリックしたりという,当たり前のことが当たり前にできるといいですよねというようなところが,まず書かれております。また,そういったOS,ブラウザのいろいろな流れ,これは進化していくので,そういったものを意識しながら,まずはユーザーが普通にこういう操作ができるだろうというようなことを,ほかの世界と比べても同じようにできるといいのではないかというようなところを記載しております。その中で,いろいろな機能,デジタル教科書特有の機能の中で,子供たち,児童生徒,先生が迷わないようにするために,ボタンのイメージ,形状ですとか,名称,この辺りはそろえておくといいのではないかということを考え方として記しております。 ボタンの形状のところ,ここは,例えばページの移動のところは,右向き矢印,左向き矢印ということを書いております。スマホなんかでも,矢印がこうあると,戻ったりするんだろうなという直感があるであろうと思いますので,そういった形にしておくといいですよねというようなところで,いろいろありますので,形がそろっていれば,画像そのものまではそろえなくてもいいのではということで,このガイドラインはそういった考え方で記載しております。書き込みを消去するときは消しゴムの形があるといいのではないかと。 それから迷わないようにするためには,ボタンの形状をそろえるとともに,名称ですね。名称を付す場合は,それも同じものを付していると,ユーザーは迷わずに選択できるのではないかということで,例えば先ほどの書き込みを消す例でいうと,消しゴムという言葉を使いましょうとか,消すという言葉を使いましょうと。この辺りの名称,形状をそろえることで,ユーザーが迷わないように,一定の共通化,標準化ができるのではないかというようなことをこのガイドラインでは記載しているというところになります。 すみません。ちょっといただいていた時間超過しましたが,私からの説明はここまでとさせていただきたいと思います。このガイドラインは,冒頭申し上げたとおり,これからも改訂,更新していきたいと思っておりますので,このワーキンググループの動きなども見ながら,また順次,改訂,更新させていただきたいと考えております。 以上です。ありがとうございました。【東原主査】ありがとうございました。 次に,本議題に関する検討の視点について,資料5に沿って事務局から御説明をお願いいたします。【度會課長補佐】事務局でございます。資料,お願いします。 資料5でございますけれども,こちらデジタル教科書に標準的に備えることが望ましい最低限の機能や操作性に関する検討の視点についてということで,東原主査と相談して作成させていただきました。これまでCSVファイル等検討させていただいておりましたけれども,機能や操作性の議論にも入っていければなと考えているところでございます。 資料のほう読ませていただきますと,現在のデジタル教科書はビューアごとに様々な仕様によって製作されておりますため,その発行者や教科ごとに機能や操作性が異なっているところでございます。そのため,学校の先生や子供たちが使用する際の利便性を向上させるために,一定の標準化を図る必要があると考えております。一方で,既に各教科等の特性に応じたビューアの開発が各事業者様によって進められているところ,今後,ビューアの仕様を標準化することなどを検討の視野に入れまして,本ワーキンググループでは,標準的に備えることが望ましい機能や操作性について検討することとしてはどうか,従来から申し上げているとおりではございますけれども,その際の検討の視点として考えられるものは,以下のとおりではないかということで提示させていただいているところでございます。 一つ目が標準的に備えることが望ましい最低限の機能は何かというところで,米印のところですけれども,標準的に備えるべき機能は,別紙,別紙はこの後御説明させていただきます。別紙に記載の機能のうち,例えば各社とも対応,おおむね各社とも対応となっている機能にするべきか,はたまた,二つ目の米ですけれども,全国の通信環境の状況だとか,コスト削減の観点から,より限られた基本的な機能とするべきか,また,アイコンのデザインをされることについてはどのように考えるか,その際,特別な配慮を必要とする児童生徒のニーズについても考慮する必要があると考えているところでございます。 二つ目が操作性です。ボタンの場所や階層などについて,どこまでそろえることができるかと。観点としては,使い勝手に極めて影響が大きい事項に限定して,各社の工夫の余地をなるべく確保することが望ましいのではないかといったことも考えているところでございます。 別紙のほうお願いいたします。 今,機能の話をさせていただきましたけれども,ここの別紙に載せさせていただいているものは,考えられる候補のたたき台でございまして,本議題について,この後御意見いただく際に活用いただければと思います。 この資料の見方ですが,分かりやすいものに例に取って御説明申し上げますけれども,例えばこのページ,黒四角のページ移動機能のところの二つ目の前後ページ移動の動作2というところを御覧いただければと思いますが,ここでボタン操作によって1ページごとに移動させる機能というのは,これは機能の説明をしております。その右に「(各社とも対応)」と書いておりますけれども,これ,おおむねビューア会社7社の対応状況を記載させていただいております。ここのボタン操作によって1ページごとに移動させる機能が「各社とも対応」となっていれば,全てもう既にそろっているといった見方でございます。その下,矢印で標準化の内容というのは標準化する内容として考えているものでございますけれども,この機能に関していえば,ページ移動機能と分かる矢印の表示とすること,例えば右向き矢印,右三角とか,左向き矢印,左三角とか,このように記載させていただいているとおり,その表示の仕方だとか,アイコンについて示しているところでございます。 例えば,ほかにも,このページの一番下に行っていただけますか。例えば拡大機能,今ちょっと見方を御説明しておりますけれども,拡大機能であれば「概ね各社とも対応」となっております。で,ここの説明の標準化の内容の説明のところで,一番下のところに斜体になっておるんですけれども,「選択した矩形部分を拡大して表示することが可能となる機能の標準化の要否は?」といった,この「標準化の要否は?」みたいな書き方をしている箇所が幾つかございます。これは既に各社とも対応しているもの,各社とも対応している機能については,このような記載はないんですけれども,まだ全てがそろっていないところにはこういった形の記載もさせていただいているところでございます。 また一番上に戻っていただいて,どんな機能を載せさせていただいているかというのを資料,7ページほどにわたっておりますけれども,ちょっと簡単に御紹介のほうさせていただきます。まずページ移動機能であれば,一つ目がフリック操作によって1ページごとに移動させる機能だとか,今申し上げましたボタン操作によって1ページごとに移動させる機能,その次が特定のページに移動可能とする,可能となる機能だとか,目次から直接特定のページに移動する機能,スクロール機能であれば,各ページをつなげて表示して,スクロールすることによりページ移動する機能です。次,拡大機能ですけれども,選択した矩形部分を拡大して表示することが可能となる機能。 次のページへ行っていただきまして,紙面拡大中のスクロール機能,教科書の全体が画面上に表示されない場合にスクロールできる機能だとか,次,ポップアップですけれども,図,グラフ,挿絵などのポップアップをすることが可能となる機能。 次,ルビ振り機能です。全ての漢字などへの振り仮名を付することが可能となる機能だとか,次,書き込みですけれども,書き込み動作全般ということで,ツールボックスみたいな形ですが,書き込み機能全般のツールから様々な書き込みに関する具体的なツールを選択可能な機能だとか,ペンの基本動作といたしまして,画面上の教科書紙面においてフリーハンドで線を引く機能だとか,マーカーですね。画面上の教科書紙面においてマーカーで線を引く機能だとか,太さの調節,最低限細い,あとは普通,太いの3種類から太さ選択可能な機能。 続いて色の調節です。赤,青,緑,黄色,黒,白の各色から選択可能な機能だとか,線の透過・不透過の調節・選択が可能な機能,次,図形機能ですけれども,直線だとか,四角,丸などを選択して描く機能,その線の種類の調節,実線だとか,点線or破線,波線or二重線の各線種から選択可能な機能だとか,こちら繰り返しにはなりますが,線の色の調節だとか,線の透過・不透過,あと図形であれば塗り潰しの色の調節だとか,塗り潰しの透過・不透過の調節といった機能も考えられるところでございます。 今,書き込みの話とかがありましたので,次は消去の話でございますけれども,消去機能全般のツールから,様々な消去に関する具体的なツールを選択可能な機能,道具箱みたいな形です。次が,書き込みの任意部分の消去の動作,書き込んだ内容や図形等を指定するピクセルの大きさ単位で消去することが可能となる機能だとか,書き込んだ内容や図形等の対象物単位で消去することが可能となる機能や,見開きページにおける書き込み全体を消去する機能といったことが考えられます。続いて付箋機能でございますけれども,付箋にキーボード入力できる機能だとか,次,保存機能でございますが,教科書紙面に書き込み機能や図形機能,付箋機能により付加した内容を保存して,再度開いたときに再現する機能だとか,操作履歴機能です。操作履歴を保存・出力する機能だとか,リフロー機能,教科書紙面と別画面において文字の大きさ,行間などを任意に変更・表示することが可能な機能とか,リフロー画面において拡大することが可能となる機能。 続いてが音声読み上げですけれども,機械音声については,教科書本文の部分を読み上げが可能となる機能だとか,本文以外の部分,図表とか注意書き,説明書きなど,本文以外の部分を読み上げることが可能となる機能だとか,読み上げ箇所の明示,読み上げている箇所が教科書紙面において分かるようにハイライト表示だとか,そういったことが明示することが可能となる機能,続いて読み上げ速度の調整です。読み上げ速度を低速から高速まで段階的に調節することが可能となる機能だとか,こちら,次,括弧で書いておりますけれども,肉声音声ですね。朗読のネーティブの発音だったりだとか,そういった肉声音声について,例えば英語の教科書であれば,その本文部分はQRコードで事実上実装されているところでございまして,これを機能とすることはどうか,こういった点もちょっと御意見いただければと考えております。 次が設定機能でございますけれども,設定機能全般のツールから様々な設定ツールを選択する機能,歯車の形みたいな,そういったものでございます。次が,文字と背景の配色の反転機能ですけれども,画面上の背景色と文字色を白黒反転することが可能となる機能,続いて,白黒反転ではなくて,色の組合せを選択することが可能となる機能,次は背景色の変更でございますが,画面上の背景色を任意の色に変更することが可能となる機能だとか,次は明るさ・コントラストを段階的に調整することが可能となる機能だとか,次は文字の書体の変更です。リフロー画面において,文字の書体,教科書体だとか,ゴシック,明朝の変更が可能となる機能,最後が文字のサイズ変更です。教科書紙面中における文字サイズの変更が可能となる機能でございます。 次が,ちょっと将来的な話も見据えてはおりますけれども,リンク機能と称しまして,関連教材との連携機能ということで,指導要領コードなどの附帯情報の付与等によって,デジタル教科書とデジタル教材を連携させる機能だとか,呼出し機能として,教科書紙面上の領域だとか,アイコンをクリックすることで,連携された教材を呼び出す機能だとか,作成機能で,クリックによって任意の教材を開くためのアイコンを配置する機能といったことも,ちょっと検討の俎上としては上げておきたいと考えております。 ほぼ最後になりますけれども,その書き込みから消去の変更操作をワンステップで行うことができる操作性だとか,あとはメニューバーです。いろいろなものが,その機能が入っているメニュー一覧のバーですけれども,その位置を任意の場所に移動することができる操作性といったことが,候補として,たたき台として示させていただいたところでございます。 いま一度資料5に戻っていただければ,資料5をお願いします。 今,御説明のほうさせていただきましたけれども,改めてその検討の視点として,先生方から御意見いただきたい観点を示させていただいております。標準的に備えることが望ましい最低限の機能は何かということで,標準的に備えるべき機能は,今申し上げた別紙に記載の機能のうち,例えば「各社とも対応」だとか,「概ね各社とも対応」となっている機能にするべきか,はたまた,いろいろな全国の通信環境だとか,コスト削減の観点から,それよりもより限られた基本的な機能とするべきか,アイコンのデザインをそろえることについてどのように考えるか,その際には,当然ながら特別な配慮を必要とする子供たちのニーズについても考慮する必要があります。 最後,操作性についてどこまでそろえることができるのかといった観点を示させていただきましたけれども,今申し上げた検討の視点からの御意見だとか,ほかに考えられる視点がないかだとか,別紙に提示させていただいている機能について御意見を,委員の先生方から御意見をいただければと考えております。 事務局から以上でございます。【東原主査】ありがとうございました。 それでは,今の事務局の説明を踏まえまして,資料5に記載の検討の視点からの御意見と,それから,他に考えられる視点がないかといったような観点,それから,さらには別紙に提示されている機能についての御意見などを伺えればと思うんですが,別紙のほうの細かいことは今後さらに検討していくということになろうと思いますので,今日はどちらかというと,メインには資料5のほうの最低限の機能は何かとか,この問いに対してどういう視点から検討していったらいいかということに関しまして,ここに提案されているような方向でよろしいのか,あるいは,ほかのものが必要なのかといったようなことを先に御発言いただければ大変ありがたいと思っております。 では,いつもと同じでございます。挙手ボタン等々お願いします。 近藤委員,お願いいたします。【近藤委員】近藤です。ありがとうございます。私は特別支援教育が専門ですので,そちらの観点について述べさせていただきたいと思います。 基礎項目の中に特別支援教育ニーズ対応の項目を入れてくださっていることに,まず感謝申し上げます。項目の内容として挙げていただいていることも,有効な項目がとても多いですので,大変ありがたいと思っております。 一方で,項目の内容の詳細について述べたいと思います。例えば「音声読み上げできるかできないか」,「拡大ができるかできないか」ということよりも,特別支援教育のニーズからすると,その学習者用デジタル教科書のビューアもしくはそのコンテンツが対応している範囲はどこまでかということを知りたいです。例えば,こういうことは対応範囲を知りたいと思うところを私今列挙させていただきました。例えば読み上げるかどうかということよりも,その読み上げ機能が一度に読み上げる範囲が、どの範囲で区切られているのかを知りたいです。段落で区切られているのか,一文で区切られているのか,音節ごとで区切られているのか,そういったところを知りたいです。それによって,特別支援担当の人間だと,個々の生徒の特別支援ニーズにどう生かすかを考えます。読み上げるか読み上げないかということよりも,そこから先,そのコンテンツもしくはビューアが何を達成しているのかという仕様を知りたいです。同じように,例えば読み上げスピードが変えられることも,その速度がどこまでか,最大値,最小値どこまで変えられるのかという仕様を知りたいです。これもやっぱり個々の生徒さんの状況によって,どの速度が必要になってくるのかというのがかなり大きく変わりますので,結局その調整の範囲が分からないと,そのビューアやコンテンツが使えるかどうかというのがうまく判断できないんです。特別支援教育担当の人間としてはそういうところを知りたいです。同じことが全てそうで,フォントが変えられるかどうかというのも,例えば明朝体,ゴシック体というのは分かるんですけれども,例えばUD教科書体が使われているのか,具体的にどのフォントが採用されているのかを知りたいです。ゴシックか明朝かということではなくて。フォントサイズについても,その最大値,最小値のように,細かい部分を知りたい。もし可能であれば,それぞれの機能の仕様について一定の枠組みで情報公開をしていただけると,デジタル教科書を選ぶときに特別支援の人間は非常に判断がしやすくなってくるので。その仕様について,ちょっと今チャットの方に大ざっぱに項目案を書きましたけれども,基本的に最大値,最小値だったりとか,どこが具体的に選べるのかということだったりとか,そういった知りたいポイントを挙げています。今チャットに貼り付けましたけれども,それを御参考にしていただけるとありがたいかなと思うところが一つです。 それと,今この流れの中で申し上げるのがいいかどうか分からないんですけれども。私もいつもこれまでと全然変わり映えのしないことばかり申し上げて誠に申し訳ないんですが。学習者用デジタル教科書のアクセシビリティーは,やっぱりR5の段階から完璧を目指すことは,非常に難しい状況があるというのは非常によく分かりますし,私も例えば教科書協会の皆さんなどとも,いろいろと別のところでディスカッションを繰り返させていただいていて,本当に多様な機能を組み込んでくださっていて,本当に関係者,皆非常に期待しているという状況があります。 一方で,やっぱり各社ごとのビューアコンテンツの,今挙げたような機能のばらつきみたいなものが大きいですので。やはり,それも何か専門家の方のお話を聞いてこういう機能を我が社では備えましたみたいな話あるんですけれども,その専門家の方というのが一体どんな方なのかということも分からないですし,その方が,例えば視覚の専門性はあるけれども,発達,(聴取不能)等の専門性はないとか,あと肢体不自由系の,例えばコンピューターアクセスのアクセシビリティの保障についてはちょっとよく知らないとか,やっぱり偏りがあるんじゃないかと思うんです。ですので,やっぱりこの点については,アクセシビリティ評価委員会,もしくはワーキンググループのようなものをつくっていただきたい。それは公的なもので,ちゃんと参加者の名前も公開されていていいと思うんです。誰がやっているかというのを。その形で,各社のビューアとコンテンツのアクセシビリティ機能の評価をしていただきたいと思います。 その評価というのは,例えばその評価が,何かこう,よかったから何かどうだとか,悪かったからどうだというよりも,それを生かして次のステップ,じゃあこういうところを目指そうというふうに各社さんが目標を立てられるような。具体的にこの機能がこうなっていると,例えばロービジョン,弱視の人でもこのぐらいの水準の人まで使えるようになるよと開発者の方に示せるとか。例えばスクリーンリーダーと言われる視覚障害のある人たちが一般的に使うようなソフトウェアにほとんど対応していないビューアと,比較的対応しているビューアと,何とか使えるかなというものとそうでないものというものがやっぱり分かれます。その辺りのことも,例えばスクリーンリーダーに対応することをマストとするかとか,これは例えばJISの基準から考えるとやっぱり対応しなきゃねという話になるんですが,今はちょっと対応できていないものが多いですので,JIS基準に乗っかる形でやっていくかどうかというお話は,今後その委員会の議論の俎上に上せていくべきだと思うんです。そうすると,やっぱり今の状況の評価を,各社の努力というよりは公的なところで,まずどこを目指していくのかというオープンな議論ができるようなアクセシビリティに関するワーキンググループは,ぜひ立ち上げていただきたいと思っているところです。開発者の方にもフィードバックすることによって,ちょっとずつよくなっていくということがあるかなと思っています。 とはいっても最初から期待される機能に全部対応するというのは本当に難しいと思いますので,例えば米国の教科書アクセシビリティー基準,NIMASという基準があるんですけれども。あの基準の中では,全ての教科書が,デジタル教科書がアクセシビリティを備えるのはやっぱり限界があるので,出版社の皆さんのほうから提出していただく教科書データについて,アクセシビリティ用のデータのフォーマットを一定程度定めて,それを国に納入していただいて,個々のアクセシビリティ保障の必要がある場合は,そのデータを使って個別にアクセス保障をしていくアプローチを取られているんですが。今, 日本だとまだそういうものがなくて。教科書バリアフリー法に基づいてPDFデータを出版社の皆さんから文科省のデータ管理センターに提出していただいていて,それでテキストデータ等を製作して,ボランティア団体等に提供するという枠組みはあるんですけれども。学習者用デジタル教科書のデータがそこにどう関わってくるのかという議論はあまりされていないので。中期的には,各社さんのいろいろなご事情はあると思うんですが,例えばEPUB等で内部的にはデータ形式を持っておいていただいて。そのEPUBデータが, アクセシビリティ保障のニーズに関しては何らかの形で提供されるような,そういう枠組みも,中長期的にはぜひ御検討いただきたいなと思っているところです。 御存じの方も多いと思いますが,今,教科書については教科用特定図書という,点字教科書だったり,拡大教科書だったり,音声教材と言われるものが作られています。ただやっぱり,教科用特定図書の製作を行なっているボランティア関係者の皆さんが期待していることは,今後は教科用特定図書に頼らなくても,学習者用デジタル教科書が,アクセシビリティ保障のかなり大きな部分を担っていけるじゃないか。それを皆非常に期待しているところです。ですので,ぜひ一歩進めるために,データの標準化だったり,あとはアクセシビリティ評価とその公開,それからあと項目の仕様の詳細をしっかりと各社さんが提供していただく。こうじゃないと駄目というよりも,うちの会社の仕様だとこうですよということがはっきり分かるように情報公開していただくと。その今の3点のところは,ぜひ御検討いただければありがたいなと思いました。 まずは以上です。ありがとうございます。【東原主査】ありがとうございました。 次はどなたでしょうか。私からだと挙手が見えていないんですが,ございますでしょうか。まだ本日御発言いただいていない方,ぜひこの辺りでお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。 片山委員,お願いします。【片山委員】すみません。もう大分しゃべったからあれなんですけれども,今の御指摘,非常に私大事だなと思ってお聞きしました。教科書採択って4年に1回じゃないですか。なので,私はここで1回,この別な何か,機能がちょっと低いものを選んだとか,高いものを選んだというのは,結構大きな違いになって数年残るなと思っています。しかもその採択の基準って,恐らくデジタル化のところじゃなくて内容面で採択するので,でも実際使ってみたら非常に使い勝手が悪くて使えないとかいうふうになって,それをまた次の4年後まで待つとかというのはちょっと困るなというのはすごく思っています。ですので,今回ある程度高めなところまでそろえていただけるといいなと思っているんです。機能のところ。で,もちろんコスト削減の観点や全国の通信環境の状況というのは分かるんですけれども,使えないような形で一番最初の導入をしてしまうと,そのリスクのほうがすごく大きいと思っています。それから通信環境が悪いから機能を落とすというのは,これは本末転倒な話で,その通信環境自体を上げていくんだということを最初に設計で考えないと,これは多分うまくいかなくなるなと思って,ちょっとこれ,ここの項目が上がっているところはちょっと危機感を感じたところがあります。ですので,令和6のところできちんといけるんだと。内容面である程度いけるものをつくっていくんだというところは頑張っていきたいなというところをお願いしたいと思います。 以上です。【東原主査】ありがとうございました。ほかの方,いかがでしょうか。 大関委員,お願いします。【大関委員】すみません。大関でございます。検討の視点というところをまずはということなので,その辺りについて少しコメントさせていただきたいと思います。 今,記載いただいた資料5を見ておりますけれども,標準化の機能のところは,「各社とも対応」「概ね各社とも対応」,こういったところを中心に考えるということが,現実的なところとして,視点としてあるのかなと思いました。一つは,現在デジタル教科書,今年度から多くの方々に使っていただいております。一定程度,先日も授業の見学などをさせていただきましたが,現在の機能とか操作が定着しつつあるのかなということも感じておりますので,各社が対応している,概ね各社が対応しているというところを慣れていただいた上で,その先にある学習につなげていくということが,一つ視点としてあるのかな,それから開発コストのことを鑑みても,そういった視点はあるのかなと思ったところがまず一つございます。 その中で,コスト削減という観点で,あえて何か絞るならばということであった場合に,一つ視点としてあるかなと思ったところが,我々製作をしている立場としての現実的な部分なんですけれども,ビューアの機能として一律できること,例えばペンの機能とか,拡大縮小の機能とか,こういったことはビューアの機能として一律できますので,デジタル教科書をつくる上でのコストは,ほぼかからないものと言っていいと思います。 その一方で,デジタル教科書をつくる際に一つ一つ設定したりということで,デジタル教科書1点1点をつくるときにコストがかかる部分というのが,別紙の機能の中にもあろうかと思います。具体的には,例えばリフローのところとか,機械音声の読み上げ,図やグラフのポップアップ,こういったものはビューアで基本的な機能はありつつも,デジタル教科書を製作するときに何らか個別の設定ということが必要になり,それが製作コストにそのまま反映されるという事実があろうかと思います。先ほどの発行者のガイドラインでは,その辺りの現実的なところを踏まえて,例えばリフローのところでは,文章を中心に読み込む学習を行うような紙面ではリフロー画面を,そういった記載もしております。 このワーキンググループで検討していく中で,先ほどの別紙の中で,ビューアとして一律できること,それからコンテンツの一つ一つをつくるときに費用が発生するもの,そういったものが,今のところは混在しているかと思いますので,もしコスト削減を考える際には,そういった視点も一つあるのかなと思った次第でございます。 それからあと,米印のところで,今教科書協会,教科書会社でガイドラインをつくるときに議論していた内容としましては,ボタンのアイコンです。先ほどお話ししたとおり,形状をある一定のルールでそろえましょうというところで,迷わないようにできるのではないかというようなところを教科書会社の中では話しているところです。画像そのものを統一するというよりも,形状をそろえるということで,まずはよいのではないかというようなところを話しておりました。 それからあとは使い勝手のところも,最後の米印のところも,教科書会社の中でもそのような話をしておりまして,各社の工夫の余地,こういったものをある程度大事にするといいのではないかというようなところが,私どもの話の中では出ておりましたというところを申し添えたいと思います。 以上です。【東原主査】ありがとうございました。時間がぼつぼつ来ているので,別紙に関しましては,深くはちょっともう扱えないんですけれども,別紙に関してこの機会に一言という方,もしいらっしゃいましたら挙手をお願いできればと思うんですが。加藤先生にまだ今日発言をしていただいていないので,別紙に関して加藤先生にちょっと御発言をいただきたいなと思っておりますが,ほかの方,いかがですか。よろしいですか。 すみません。急に加藤先生に振ってしまいましたけれども,一言何か,この別紙に関することで御意見をいただければと思います。【加藤主査代理】今,大関さんが言われたことがとても大きいと思っていまして,やはりこの別紙の中にも,いわゆるビューアの機能と,コンテンツに求められる機能という両方が少し混在しているので,そこを整理していく必要があるのかなと思いました。 例えば,先ほど近藤先生が言われたような,特別支援でどんな色が使えるのかとか,そういうところというのは,ビューアのほうは,いわゆるそれを選択できるような機能を用意するかしないかというだけの話になって,実際どの色のコンテンツを用意するかはコンテンツづくりのほうになりますよね。という意味で,そのビューアが持つべき標準的な機能という仕様をつくるのと同時に,コンテンツに対するガイドライン,もしくは,それも標準化して絶対つくれってお話になるのか,なったら多分出版社は大変かもしれないですけれども,そこに対するガイドライン,最低ラインというのを決めていく必要があるなと,私も今のお話を聞いていて思いました。 で,別紙5に関して等は,ざっと並べてあるだけなので,本当にこれってどこまで用意すべきなのかというのは,皆さんで議論していかなければいけないとは思うんですけれども,やはり,先ほどどなたが言われたのか,ちょっとすみません,片山先生だったかな,いわゆる最低限の標準機能というものを定めたときに,多分文科省がいう標準機能ってとても重い意味を持つと思うんです。なので,そのときに,本当に最低限のところまで押さえていくと,いわゆるデジタル教科書が本当の意味で役に立つところの機能が,それは拡張だよねという感じに取られてしまうと,そちらへの発展がだんだん減ってしまう可能性もあるような気がしたので,やはりデジタル教科書が役に立つための最低限の標準機能というような,その役に立つというところをちゃんと,ちゃんとというのは失礼な言葉かもしれないですけれども,考えて,この最低限の標準的な機能というものを考えていくといいのかなと思いました。 以上です。【東原主査】ありがとうございました。 それでは,このことにつきましては,今後検討をさらに重ねていくということで扱わせていただきたいと思いますが,よろしいでしょうか。(「異議なし」の声あり)【東原主査】御意見等またございましたら,事務局のほうにメール等でお寄せいただければと思います。近藤先生には先ほどチャットのほうに詳しいこといろいろ書いていただきまして,どうもありがとうございました。 それでは,3番目の議題に行かせていただきたいと思います。 その他の検討課題について,資料6に沿って事務局から御説明をお願いいたします。【度會課長補佐】事務局でございます。時間も限られているところ,恐縮でございますけれども,資料6,お願いいたします。 資料6は,本ワーキンググループで検討する必要のある,そのほかの検討課題について記しております。この資料を提示させていただいたのは,ワーキングの開催がちょっと久しぶりになりましたので,おさらい的に提示させていただいているというところが正直なところでございます。既に今日の参考資料1にもございますけれども,検討事項というのを既に第1回のワーキングで提示させていただいているところでございますが,改めてという感じで,ちょっと提示させていただいた次第でございます。 一つ目が過年度のデジタル教科書を使用できるようにするための方法の検討,適切なライセンス期間はどれくらいかだとか,複数年にわたりデジタル教科書を使用するため,使用可能にするための仕組みでクラウド配信だとか,ダウンロード方式だとかがあるかと思います。また,デジタル教科書を複数年継続使用する場合のアカウントの継続方法といったことも,課題としては考えられるかなと考えております。2点目が,クラウド配信で使用するデジタル教科書を一時的にオフラインで使用するための方法の検討というところで,通信環境が一時的に確保できない場合に,デジタル教科書を使用するための方法や備えるべき仕様などは何かだとか,あと転出入のときの円滑な運用方法の検討もしてはどうかなと考えております。視点としては二つあるかなと思っていて,ユーザーのアカウント情報等の移行方法と,転出入に伴う関係する学校におけるライセンス数の調整といったことが考えられるかなと思っております。 これらの検討課題に関する御意見だとか,ほかにもこういった視点を入れたほうがいいんじゃないかといったことがあれば,先生方から御意見いただければと思います。よろしくお願いいたします。【東原主査】どうも御説明ありがとうございました。10分ぐらいしかございませんので,観点でも結構ですし,これに関してはこうではないかという御意見でも結構でございます。どなたでもよろしく,挙手をお願いしたいと思います。ないですか。 片山委員,どうぞお願いします。【片山委員】すみません。転出入のところなんですけれども,これ非常に大事だと思っています。というのは,既に今あるアプリケーションとか,そういったもののやり取りだけでも,転出入時にどうするかというところが非常に大きな問題になっていて,現場は煩瑣な作業を今しているところです。それがさらに,1人転入してくればいろいろな教科書が変わるとか,そういうのでなっていくので,ここをいかに円滑にするかというところは,検討を,今どういういい案があるというわけでもないんですけれども,ここの検討はなるべく早期にやって,これは次の改定にという技術的なところも当然そうなんですが,仕組みという形で,早めに現場にここを示すということが,来年度もどこかが検討しないとまずいなと思っているので,一応その一言を言っておきたかったです。すみません,よろしくお願いします。【東原主査】はい,ありがとうございました。ほかの方,いかがでしょうか。 大関委員,お願いいたします。【大関委員】すみません。私も発言が多いので,端的にお話しさせていただきます。 今,資料6,三つ挙げていただいておりまして,上の二つはユースケースをまず考えるとよいのかなと思いました。過年度,どのぐらい使わせるのがよいかという,受験もあるでしょうし,振り返り学習もあるでしょうし,そういったユースケースをまず考えて,どういったものが必要になってくるかといった検討の順番がいいのかなと思いました。 クラウド配信,一時的にオフラインの話も同じかなと思っていまして,例えば災害時のような場合を想定しているのか,家庭にネットワーク環境がない方の場合などを想定しているのかなど,ユースケースを考えることで,デジタル教科書側でできること,それからそれ以外の運用とか,いろいろなところでカバーできるのではないか,そういったところを少し整理してから,デジタル教科書で何をすべきかというところを検討するとよいのかなと思いました。 転出入のところは片山委員と同じでして,私どもも供給のところ,これをちょっと急ぎ検討したほうがいいかなと思っているところは同じ意見でございます。 以上です。【東原主査】ありがとうございました。いかがでしょう。 では私からちょっと,オブザーバーの方に一言ずついただければと思っているんですけれども,クラウド配信で使用するデジタル教科書を一時的にオフラインで使用するためって,できているんですか,できていないんですかみたいなことでも結構なんですが,まず白鳥さんからよろしいですか。【白鳥オブザーバー】オフラインでの利用につきましては,弊社ではアプリ方式と校内のサーバーにオンプレする方式を御提供しております。クラウド配信方式につきましては,一般的なインターネットサービスの利用を前提に御利用いただいているために,アプリ同等のオフライン利用はなかなか難しいのかなとは思っておりますが,一時的な通信断に対しては,閲覧を継続できる機能のつくり込みを進めているところでございます。【東原主査】ありがとうございます。 長谷川様,いかがでしょう。【長谷川オブザーバー】長谷川です。(聴取不能)のほうは家庭用のブラウザがありまして,こちらのほうでは旧来型のDVD等でのインストールで,オフラインという形では実現できています。ただ,クラウドのほうでは,オフライン化というところというのは特にやっていない状況であって,オフラインの用途というところは,先ほど大関委員からもありましたように,具体的にどういう場面でこの用途があるかというところを明確にする必要があるなとは思うんですが,クラウド環境でオフライン化するというところの考慮といいますか,そういったところは,我々技術の者にとってはちょっと,かなり敷居の高い話だなというふうには感じているところであります。 以上です。【東原主査】せっかくですので,榊原オブザーバー,いらっしゃいますか。【榊原オブザーバー】弊社のほうではクラウド版,ブラウザで利用するものをオフラインで使いたい場合は,先ほどLentranceさんもおっしゃっていたような形の,アプリ版での対応というのが可能になっています。で,ブラウザ版においての瞬断とか,オフライン対応みたいなところは,技術的にこうやればいいだろうなというところのめどはついているんですけれども,何というんですか,そこそこ大規模な改修になりそうだなというところで,手を出すのに二の足を踏んでいるような状況であります。 こちらオフライン対応の話だけのほうがよろしいでしょうか。【東原主査】ちょっともう時間がないので,そこだけちょっと。【榊原オブザーバー】そうですね。はい,分かりました。【東原主査】またの機会にほかのことをお願いできればと思います。【榊原オブザーバー】ありがとうございます。失礼します。【東原主査】そうしましたら,三村オブザーバー,お願いします。【三村オブザーバー】弊社のみらいスクールプラットフォームのほうも,クラウド版のオフライン対応については,何でしょう,特定,ある程度な,数ページのキャッシュ的なものはできるんですけれども,教科書全体をオフラインでというところは,まだ対応ができていない状況です。これも各社さんと同じで,アプリ版といいますか,そちらを使うことでは対応できるんですが,クラウド版では今まだという状況で,今後についてもBPSさんと同じで,我々的にも技術的にはこういう方法というところを今検討していて,それを実装するかどうか,どうしようかなというような,今段階にあるというところになります。 以上でございます。【東原主査】どうもありがとうございました。オブザーバーの方,せっかく参加していただいているので,私のほうから一言ぐらいぜひと思って,振らせていただき,予告もせずに大変失礼いたしました。ありがとうございます。 あと二,三分でございますが,どなたか挙手をいただいていますでしょうか。よろしいですか。 いずれにしましても,今後の検討の課題でございますので,これにつきましても,また御意見等ございましたら,メール等で事務局までいただければと思います。 それでは,今日はこんなところですかね。 そろそろ予定の時間となりますので,本日の会議はこの辺りまでと思います。 それでは,最後に次回以降のスケジュールについて,事務局から御説明をお願いしたいと思います。【度會課長補佐】事務局でございます。スケジュールにつきまして,資料はございませんけれども,また年明け開催させていただきたいと思いますので,また日程調整のほうさせていただきますので,よろしくお願いいたします。【東原主査】ありがとうございました。 我々ワーキンググループに課せられました仕事,何か一歩でも先に進まないといけないわけでございますけれども,今日はそういう意味では,初期登録のところのCSVにつきまして,関係の方々のヒアリング等々御協力いただき,調整もしていただき,委員の方々の,あるいはオブザーバーの方からの御意見いただきまして,ここまで何とかたどり着くことができましたことに,主査として大変ありがたく思って,御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。 それでは,時間となりましたので,本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
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