テクノロジーで進化する「ホラー文化」 10~20代の間で再燃する理由を株式会社闇・頓花聖太郎&ImCyan-アイムシアン-に聞く

オンラインホラーイベント『心霊配信の夜』より

テクノロジーで進化する「ホラー文化」 10~20代の間で再燃する理由を株式会社闇・頓花聖太郎&ImCyan-アイムシアン-に聞く

 近年「ホラー」というジャンルが、10~20代の若者たちのあいだで新たな盛り上がりを見せている。ネット上にアップされた自作のホラーゲームをYouTubeやニコニコ動画のゲーム実況配信者たちが実況し、動画を見た視聴者たちがそのゲームをプレイする、というかたちでヒットコンテンツが生み出されるようになってきているからだ。映画化もされた『青鬼』などがその最たる例だろう。【写真】Jホラーなどの影響を色濃く受けた、『心霊配信の夜』のワンシーン そうした盛り上がりを背景に、「ホラー」をテーマにしたユーモラスな企業PRサイトを数多く手掛けてネットユーザーから注目を集めているのが「株式会社闇」だ。闇は、2022年2月に初となるオンラインホラーイベント『心霊配信の夜』を開催したところ、たちまち大人気となり4月3日までの追加公演が決定した。 今回はその株式会社闇の代表取締役CCO・頓花聖太郎(とんか・せいたろう)と、2012年から『日常侵食リアルホラーつぐのひ』シリーズで人気を博しているImCyan-アイムシアン-という、インターネット発の二人の新世代ホラークリエイターに、大人にはなかなか見えないホラー文化の盛り上がりについて語ってもらった。――株式会社闇の手掛けたオンラインイベント『心霊配信の夜』は追加公演も決まり、大好評になっているそうですね。頓花聖太郎(以下、頓花):SNSでもかなりの量の感想の投稿をいただいてるんですが、95%ぐらいは絶賛してくれていて、イベント後のアンケートも5段階評価で平均が4.3というところで、非常に良い評価をいただいています。結果としてやりたかったことはストーリー面でもシステム面でもかなり実装できたので、手応えとしては非常に大きなものがあります。あともうひとつ大きいのが、ロケーションに使っている旧家が……。――シアンさんの実家、という(笑)。頓花:公演の最後にスタッフロールで「ロケーション協力:ImCyan-アイムシアン-」って出てくるので、そこでコメントも「シアンさんの家なんだ!」って盛り上がりが毎度起きてるんですね。ImCyan-アイムシアン-(以下、シアン):嬉しいです(笑)。 私も参加したのですが、役者さんが出てきてドラマ仕立てになっていて、システムと連動しているのが面白かったですね。劇中のキャラクターが視聴者に訴えかけてきて、それに視聴者が応対するというコミュニケーションが新しすぎるなと。・「闇」とは何をしている会社なのか?――株式会社闇は「すごく怖いホームページを作る会社」というイメージが強いですけど、実は今回のようにサイト制作以外のことも色々やっているんですよね?頓花:はい。実は「ホラーにまつわることだったら何でもやる」という雑食の会社でして。ほかにもミュージックビデオを作ったり、子ども向けのホラーを作ったりもしてますね。シアン:私もホームページ制作で有名なイメージだったので、今回そういうことを知って驚きました。 私が株式会社闇を知ったのは、2015年ぐらいからですね。ホームページを、もう動画一本ぶんくらいの面白さで作り上げていて、ホラーの演出の手数が詰まっているじゃないですか。特に印象的なのは「幽霊専用の脱毛サロン」ですね。頓花:ありがとうございます。バーグハンバーグバーグさんと一緒に作ったサイトですね。シアン:私は当時から、やっぱりデザインの良さ、アイデアの盛り込み方にすごく感銘を受けてまして。ギャグになってしまうモチーフでも、ホラーの文脈にしっかり落とし込んで作っていらっしゃるのがすごいなと思っていました。頓花:でも、中心になるのはホラーとテクノロジーなんです。 たとえばチームラボさんは、テクノロジーを美術の文脈やミュージアムに持っていくことで面白いエンターテインメントやアートを作られていますよね。そういうふうにテクノロジーにはライブ演出とかも含めてできることがたくさんあるんです。そこで僕らは「テックとホラー」に注目してやっていきたいな、と思っているんです。――チームラボの名前が挙がるのは意外でした! でも逆に「テクノロジーが発達するとホラーはなくなっていくんじゃないか?」みたいなことを言われたりもしますよね。頓花:逆に「テクノロジーが生み出すホラー」がめちゃくちゃあると思っていて、そっちに張ってる側の人間かもしれません。――それは未知の体験を演出できる、という意味でしょうか。頓花:そうですね。僕たちがプロデュースしたイベントだと、閉園後の遊園地で来場者にタブレットを持ってもらったものがあります。遊園地内にたくさんの鬼=敵キャラクターを配置して、その鬼たちはビーコンを持っているんです。で、ビーコンとタブレットが通信して鬼に見つかったらどんどん自分にダメージが来る。 そうして鬼たちとかくれんぼをしながら遊園地を進んで、色んなミッションをクリアしていくインタラクティブなゲーム性のあるイベントをやりました。そういうことを、テックとホラーという形で提案していきたいなと。 ただ、自分たちがオリジナルでBtoCの企画を行うのは、今回が初めてなんですよ。これまでは、ずっとBtoBだったので。――じゃあ、自社製作第一弾で、いきなりの大成功という感じなんですね。頓花:いやもう、本当によかったですよ。・つぐのひの「天然」な魅力――少し戻るのですが……先ほどの話で面白かったのが、アイムシアンの名前を見て驚くファンの人がいたことなんですよ。実は闇にしても「つぐのひ」にしても、昔ながらのホラーファンには知られてないところがあるじゃないですか。頓花:僕からすると、「つぐのひ」なんて何か出すたびに実況動画がバズってるイメージですけどね。――やっぱり双方とも、インターネット以降の新世代ホラー作家という感じがあると思うんです。今日の対談は、そういうあたりも聞いてみたいなと思いまして。頓花:僕たちはシステムから企画まで一式やるケースが多いんですけど、シアンさんもそうですよね。 シアン:RPGツクールというツールを使ってはいるけど、そうですね。あと頓花さんと同じでもともとデザイナーでもあったので、ビジュアル表現にはこだわりがあります。頓花:「つぐのひ」はリアルの3Dの世界を、デフォルメの2Dの世界に持っていく画像の加工の仕方、揺れや音の作り方がすごいなと思います。 あと、ホラー演出に関しては『つぐのひ』シリーズって「こんな演出したら絶対喜ぶやろな」というサービス精神で作られているのをすごく感じるんです。「怨念が溜まるとしたらこういうとこやな」って思います(笑)。ほかのクリエイターとのコラボ企画にも絶対に手を抜かないじゃないですか。シアン:そうですね。そこは、手を抜かずにしっかり詰め込もうとは思ってます。頓花:今回のイベントで僕たちは「どう実況されるか」というところを考えたりはしたんです。シアンさんの作品は実況がすごく盛り上がりますけど、あれってどういうふうに考えて作っていらっしゃるんですか?シアン:実は私、なるべく実況を意識しないようにはしているんですよ。もちろん『つぐのひ』は実況から広めてくださったと思っているんですが、そこはむしろ「毎回驚き、新鮮さがあるように」ということを要にして作るようにしていますね。――なるほど、闇が企画と制作の力で魅せていく会社なら、シアンさんは「天然」のホラー作家という感じなんですね(笑)。・『回路』『SIREN』……新世代のホラー作家が影響を受けたJホラーたち――ちなみに、お二人はどんな作品に影響を受けてきたんですか?頓花:ホラー作品でいうと、小さいころはホラー番組も一人では全然観られなくてむちゃくちゃ震えたクチなんですけど、そもそもUFOとかオカルトは大好きだったので、「怖がりだけど幽霊を探し回る」みたいな子どもでしたね。それでだんだん、お化け屋敷や『リング』をはじめとするJホラーにはまるようになりました。――世代的にJホラーの影響は大きいですよね。頓花:わりとど真ん中かもしれませんね。『呪怨』のVHS版が話題になった世代ですし、黒沢清さんも大好きで。今回のイベントのメインビジュアルは黒沢さんの『回路』という映画を意識してたりしますね。インターネットに感じる「異界に繋がるような恐怖心」のようなものは、あのあたりがヒントになっている気はします。シアン:最初は『バイオハザード』のような海外ホラーテイストのゲームを遊んでいたんですが、やはり外山圭一郎さんの『SIREN』のような作品を遊んだりする中で「自分としては和ホラーの方が怖いんだな」と改めて思うようになりました。 そこから数年のブランクがあったんですが、2012年に「ニコニコ自作ゲームフェス」で初めて『つぐのひ』を出して、そこから現在に至ります。――シアンさんのホラーゲームの怖さって、独特の雰囲気がありますよね。シアン:実はプレステ1のようなテイストの見た目のホラーゲームを目指してるんです。あれってポリゴンなどのせいもあって、人物がそのままリアルではなくて、ちょっと絵っぽい、画像っぽいと感じられるじゃないですか。顔もなかったりして、あの主人公の匿名性のある存在という感じがいいんです。『つぐのひ』は特に影響を受けています。 一方でホラーでキャラクターものをやるのも、大変ですけどね。というのもキャラクター化すると、どうしても殺せなくなっちゃいますから。ホラーとしては怖くなくなってしまう。頓花:確かに、貞子とかってこれだけ人気が出ちゃうと、ホラーとして成り立たせるのが本当に大変そうですもんね。シアン:だから、なるべくキャラクター性を出さないような世界観にしていますね。 プレイヤーキャラクターに目を書き込まないのも、それが理由です。逆に怨霊・幽霊のほうは目もしっかり書いています。それは私にとって、作品の主役が幽霊の側にあるからですね。そこは絵づくりでこだわっている部分ですね。――あとは二人ともホラー作家として、インターネット黎明期の影響が大きい世代ですかね。シアン:今回のイベントで昔のWindowsのホームページが重要な役割を果たしていますけど、私自身も90年代後半からホームページを触っていたので、その雰囲気がしっかり再現されているなと。頓花:あれは結構大変でした(笑)。僕とシアンさんって世代も近いと思うんですが、僕は「赤い部屋」とか「こ~こはど~この箱庭じゃ?」とか、ああいったFlashのホラー作品にはかなりインスパイアされていて。シアン:ああいった古い雰囲気を現代でもしっかり再現されていましたよね。私も自分の作品では「記憶の彼方」みたいなものをホラーのモチーフにすることが多いですが、虚ろな記憶ってディティールまで思い出せないこともある。でも『心霊配信の夜』は当時の雰囲気を違和感なく再現していたので、ホラーとして隙がないなと思いました。頓花:僕らが中学・高校・大学のころっておもしろFlash文化がワーッと盛り上がって、実はその影響でテクノロジー×ホラーで会社を立ち上げたところもあるんです。でもいまは、そういった文化が断絶されているような気がしていて……若い人で「赤い部屋」を知っている人はかなり少ないですよね。シアン:私も「赤い部屋」も「箱庭じゃ?」も、もちろん見ていましたね。自分の場合はゲームが好きだったので、RPGツクールの『コープスパーティー』のような作品を遊ぶのがメインでしたけども……それがきっかけで「ホラーゲームを作ろう」と思うようになりました。頓花:コロナ禍になって、リモートワークを初めとして新しい価値観がどんどん出てきて、オンラインイベントも多くなってきていますよね。でも、単に配信しているだけで、インターネットのコンテンツとして面白くないものも結構ある。 今回大事にしたのは、「オンラインだからできる面白いイベント」を作りたいということなんです。僕は2ちゃんねるやニコニコ動画の文化にどっぷり浸かっていた人間なので、「オンラインならでは」の魅力って、リアルではちょっと起きにくい、ゆるくコメントでつながっているがゆえの「現場のよくわからない一体感」だと思うんです。だから「みんながいるからこそ解決できる物語」を作ろう、というのを目標にしていたんですね。・旧家に宿る恐怖と怨念――ロケ地となったシアンさんの実家とは?頓花:ただね、そういった文化をいま表現しようとしたときに、ロケーションってすごく大事やなって思うんです。新しいマンションでやっても、なかなかそういった怖さを出せない。今回の『心霊配信の夜』は、シアンさんの家があったから初めてできた表現だなと思うんです。――イベントでも「怖い!」とか「やだこの家!」って言われてましたもんね。闇はなぜシアンさんの家に着目したんでしょう?(笑)頓花:Twitterでシアンさんが「思い出深い実家を取り壊すことになった」ということで写真とともに投稿されていたんですが、ちょうどその時期、僕らはロケーション探しに躍起になっていたんです。ホラーのロケーションって探すのが結構大変で、断られたりとかするんですよね。――「うちの家をホラーの撮影に使うのか!」と(笑)。頓花:はい。そんなときにシアンさんの投稿を見て、「もうこれしかない!」「ダメ元で言ってみよう!」ということになったんです。でも一方で、シアンさんに嫌われてしまったら非常につらいなと……。――確かに、「闇からこんな失礼な話が来た」ってTwitterで晒されたらダメージが大きそうです。頓花:「人の家を何だと思ってるんだ!」と思わせてしまったらどうしようと。でも意を決して社員が問い合わせをしてくれて、そしたら「何か前向きな返信をいただいたんですけど……」となりまして。――実際、問い合わせを受けてシアンさんはどう思ったんですか?シアン:いやー、私はもともと闇さんをホラークリエイターとしてすごい尊敬していたので「これはもう全面的に協力したい!」「なんとしてでも親を説得しなければ!」と、その瞬間に決意しました。――そうですか(笑)。頓花:本当にありがたかったです。そのあとトントン拍子に話が進んで、シアンさんから家の資料をいただいていたんですが、「ロケハンいらんやん!?」っていうぐらいめちゃくちゃキレイでわかりやすい、すでに写真からして怖い資料だったんです。「この味噌を作る土蔵、怖いな」とか、そこから脚本へのインスピレーションがどんどん湧いてきました。――シアンさんは『つぐのひ』シリーズの『昭和からの呼び声』でも旧家の怖さをモチーフにされていましたよね。子どものころからご自身の実家が怖いという意識はあったんでしょうか。シアン:正直、気づいたのは大人になってからですね。子どものころは祖母もまだ生きてましたし、古い家ではあるんですけど、農具を置いたり、豆を炊いたり、味噌を作ったりと全然使っていたんですよ。――当時は人気(ひとけ)があったんですね。シアン:でも2019年に祖母が亡くなったあと、私も祖母との思い出があるので写真を撮っておこうと思って2年前ぐらいに行ってみたら、しっかり怖くなっていたんです。頓花:本当の廃墟って、人がいなくなってかなり長いので実はあんまり怖くないですよね。人が住まなくなってウン10年ぐらいの感じが一番怖い。シアンさんのご実家はホコリの溜まり方から、段ボールの置かれ方、壁のテクスチャまでも含めて、小道具には出せない時間の積み重ねを感じます。本当にホラー製作者からするとよだれが垂れっぱなしのロケーションで……失礼なこと言ってたら本当に申し訳ないんですけど。シアン:いえ、私も全く同じことを思います。階段が急だったりとか、隙間風の音とか、そういう部分がすごく大きいですよね。頓花:本当に、現場の空気感が素晴らしかったんですよ。役者さんたちが怖がっているのは演技だけではなくて半分本気で怖かったんじゃないかな。 でも一方で、ロケハンのときにはお母様がお食事を出してくださって、お茶もいただいて、リンゴもいただきました。本来なら塩を撒かれてもおかしくないのに(笑)。シアンさんのお家の豚汁がたまらなくおいしくて、ロケバスの中でも「うまかったなー!」って。シアン:お味噌、自家製で作ってるんですよ。頓花:そのお味噌がね、東京では絶対食えんっていう美味しさで。「シアン家のサービス精神すごー!」と思いました。なんかもう「第二の実家できちゃったかな」ぐらいに温かくおもてなしをいただいて、感激しっぱなしでした。シアン:私もホラーゲームを作ってるので、両親もそういう理解があったとは思います。「また来て欲しい」って言ってましたので、是非いらしてください。――自分の家が完全にホラー扱いされているのに、シアン家は家族全員で歓待してくれたんですね。いい話だ(笑)。・今後のホラー業界でやりたいこと――お二人は、「ここからこういうことをしていきたい」というのはありますか?シアン:いままでに無い新しいものを思いついているわけではないのですが、たとえば架空のキャラクターのSNSアカウントを作って運用してみたい、というのはありますね。――もしかしたら、闇と一緒にやったらいいかもしれないですね。頓花さんはどうでしょうか?頓花:映画でもゲームでもないその間を、オンラインで体感できるイベントを作ってみたいですね。将来的には、VRでホラーイベントを作ってみたい。テクノロジーとホラーの未来は本当にどこまでも、何でもできるな、って思ってます。――ありがとうございます。最後に今回の『心霊配信の夜』イベントについて一言ずつお願いします!頓花:じゃあ私から。今回はシアンさんの家を舞台にさせてもらって、まったく新しいホラーイベントを作れたかなと思います。 株式会社闇は「インターネット、オンラインだからこそ面白い」ということにこだわって作っていますので、昔のインターネットが好きな人も、最近のちょっと殺伐としたインターネットに距離感を感じている人も、もう一回、「オンラインならではのエンターテインメント」を感じていただけるものになっていると思うので、ぜひ体験していただけると嬉しいですシアン:えっと、私の実家を舞台として使っていただいております。大正時代に建てられた家で、長年私の家族が生まれそして死んでいった家のその怨念をぜひ、画面から感じていただければと思っております。――自分の先祖を怨霊扱い……さすがですね(笑)。今日はありがとうございました!■株式会社闇2015年会社設立。設立時から「怖ろしい企業サイトを持つ会社」として様々なメディアに取り上げられ話題となる。お化け屋敷制作、ホラーVRの制作・イベント化、ホラーゲーム制作、ホラーを使った商品プロモーションが主な事業領域。ネット上で話題を起こすことを得意としており、株式会社闇が手掛けた制作物のYoutube実況の再生数は累計4500万回を超える。アプリとビーコンを使用し、広い遊園地で追いかけてくるお化けから逃げまわるイベントやプロジェクションや立体音響を使用した観覧車の中で体験するお化け屋敷体験、ホラーVRを体験後に実際にお化け屋敷を味わうイベントなどホラーに「テクノロジー」をかけあわせたイベントに定評がある。■頓花聖太郎1981年兵庫県生まれ。グラフィックデザイナー・WEBデザイナーを経て、ホラー好きが高じて、ホラー専門の制作会社、株式会社闇を2015年に設立。■ImCyan-アイムシアン-ゲーム作家。学生時代から個人でのゲーム制作を始め、2005年には『Lost Maria -名もなき花-』がテックウィンコンテストパークで金賞を受賞。2012年12月発表のホラーゲーム「日常侵食リアルホラー つぐのひ」が、単純ながらも斬新なスタイルで大きく話題を呼んだ。以降、「つぐのひ」シリーズとして、様々なスタイルのゲームを制作。日本独特の湿っぽい“じめじめとした”空間を、独自の美学に基づく恐怖表現へと変換するスタイルが高い評価を受けてきた。近年ではゴシックホラーや、VTuberとのコラボなどにも積極的に挑戦しており、独特の世界観がさらに進化。Steamで過去作を収録したパッケージが発売され、ゲーム実況でも高い人気を博するなど、ますます注目を集めている。

中野 慧