さまざまなワークアウトで、カロリー燃焼を60%アップさせる10の方法

エクササイズ初心者かジムのベテランかにかかわらず、どんなワークアウトも、以下にあげた簡単な変更を加えることでゴールに早くたどり着き、頭打ち状態を乗り越え、さらに筋肉をつける役に立つ。どのテクニックも、科学的に裏付けられたものだ。

とりわけ嬉しいのは、これらの動きの多くは衰えた代謝を活性化するから、1日中ずっと、睡眠中もカロリーを燃焼し続けられることだ。さあ、今すぐやってみよう。

1:腕をスイングする

肘を90度に曲げ、歩きながら腕を前後に振ることで、単なるウォーキングをカロリーを燃焼させるワークアウトに変えよう。自動的にペースをアップさせるだけでなく、ワークアウトするたびごとに最高15%多くカロリーを燃焼できる。

腕を正しく前後に振るには:ウエストから胸のほうに向かって弧を描く。肘が後ろにいく際は、手の親指がウエストにタッチしそうになるくらいに。また、肘は常に外側に広がらないようにし、手も胸の前(胸骨の前)で交差しないようにすること。左右に動かし過ぎるとペースが落ちる。

2:ヘッドフォンをつける

音楽を聴くと、エネルギーの衰えと闘える。お気に入りのフィットネス・プレイリストにあわせてワークアウトすると、最高20%長い時間続けることができて、よりカロリーを燃焼させる役に立つことを、ロンドン西部にあるブルネル大学が発見。

音楽は疲れをブロックして活力のある気分にさせ、動きとシンクロさせることでペースを維持するのを助けると、研究論文をまとめたコスタ・カラゲオルギス博士(PhD)は語っている。

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3:ウエイトを重くする

真剣にカロリー燃焼をアップしたかったら、大事なのは何回繰り返すかではなく、ウエイトのサイズだ。トータルは同じボリュームでも(例えば、10ポンドを10回や20ポンドを5回)、重いダンベルを持ち上げた人のほうが、終わった時に25%多くもカロリーを燃焼する。

「ウエイトが重いほうが筋肉のタンパク質をより多く分解しますから、その修復と回復により、多くのエネルギーが必要となるのです。そうやって、脂肪のない筋肉繊維が作られていきます」と、ファーマン大学のリサーチャー、アンソニー・カテリサーノPhD(博士)は語る。

ボーナスポイント:重いウエイトだと、3〜6回と少ない回数の反復でも、エクササイズする人の睡眠時の代謝率(睡眠中に燃焼するカロリー数)が8%近くも高くなる。それだけで、他に何もしなくても1年に約5ポンド(約2.3kg)痩せる計算だ。

4:冷たい水を飲む

冷蔵庫から出したばかりの水は、暖かい気候のなかでエクササイズする時にエネルギーを与えることが、イギリスのある研究でわかっている。

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冷蔵庫で冷やした水(39F=約3.9C)を飲んだ人は、同じ量でもそれより温度の高い水を飲んだ人より25%長い時間ワークアウトでき、エクササイズがラクに感じたと答えたという。屋内でも屋外でも、エクササイズの前や最中に冷たい水を飲むと、体温を低く保つ効果があり、カロリーを最大限燃焼できるよう、もっと活力を与えてくれる。

5:セットを分けてやる

ひとつのエクササイズを2〜3セットやってから次に移るのではなく、サーキット形式にしよう。1セットやったら、すぐ次のエクササイズに移り、そのサーキットを2〜3回繰り返す。

リサーチャーが、テスト参加者に標準的な筋力トレーニング(6つのエクササイズを3セット、間に2分間の休憩を入れる)か、サーキットトレーニング(6つのエクササイズを間に各30秒の休憩をはさみながら3回繰り返す)を行わせたところ、サーキットトレーニングをやった人のほうが、標準的スタイルの人より、ワークアウト後にカロリーを約2倍近くも燃焼していた。

「サーキットトレーニングをした後は、心拍数が上がった状態がより長く続くので、エクササイズしているのと同じように脂肪を燃焼し続けることができるからです」と、リサーチャーのアンソニー・カテリサーノPhD(博士)は語る。

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6:外に出る

トレッドミル(ランニングマシン)ではなく、道を走ろう。新鮮な空気が吸えて景色もいいことの他に、屋外でワークアウトすると大きなメリットがある。屋外で歩いたり走ったりするほうが、トレッドミルでやるより、同じ速度でも10%多くカロリーを燃焼したことが、リサーチからわかったのだ。

「地面の上のほうが、自分を駆り立てるのにより多くのエネルギーを使うのです」と、『Full Body Flexibility』の著者でフィットネス専門家のジェイ・ブラニクは説明する。「それに、少しの向かい風や他の要素も、よりカロリーを燃焼させます」

7:傾斜を強める

天気が悪くて屋内でワークアウトしなければいけない時は、トレッドミルに挑戦しよう。傾斜を強めればヒップを引き締め、最高60%多くカロリーを消費する。平らな場所に降りたら、歩くのがより簡単に感じられるはず。

ウォーキングを安全にレベルアップさせるために、次のガイドラインを必ず守ろう。

・体を傾けない。直立の姿勢を保とう。肩とヒップのライン、足首とヒップのアインをまっすぐに。

・最初はおだやかに。まずはゆっくりと5分間歩いてから10分間早歩きし、それから傾斜をつけよう。

・5&5で行うこと。5分間のヒル(傾斜)と5分間の水平なウォーキングを交互にやる。回数はお好みで。クールダウンを5分間。

・少しずつ上げていく。始めは1%くらいしか傾斜をつけられないかもしれない。大事なのは、傾斜をつけない時と同じように、ヒルを歩いている間は同じ速度を保つこと。3.5mph(時速約5.1km)の速さを目標に、ヒルを穏やかに保つ。5%の傾斜ができたら素晴らしいゴールで、7%以上は越えないこと(傾斜がきつ過ぎると腰やヒップ、足首に負担がかかり過ぎる)。

8:最低12分間は続ける

有酸素運動は、どの程度の量でもカロリーを燃焼するが、本当に効果を出したかったら、1週間のほぼ毎日、ウォーミングアップした後に中〜高強度の運動を最低12分間続けてやることが必要。

それが、「体が酸素を使ってリパーゼなど脂肪を燃焼させる酵素を作り出す能力を高め、1日中エクササイズや他のアクティビティをやっている間により脂肪を燃焼させるという、トレーニングの効果を作り出す」のに必要な量だと、エクササイズ心理学者で、ペンシルバニア大学のストレンスグス&フィットネスのディレクター、『The Female Athlete』の共著者でもあるチップ・ハリソンは言う。

9:ワークアウト時間を半分にカットする

激しい運動を短時間やるようにすると、体重減をスピードアップし、ワークアウト時間も最大半分以上に短縮できる。

オーストラリアのリサーチャーが、8秒間の高強度エクササイズと、12秒間の低強度エクササイズを交互に20分間、週3回やった女性は、その倍の長さの時間、一定のペースでワークアウトした人より速く痩せたことを発見。

インターバルトレーニングをした人は、ダイエットせずに4ヶ月で、最高16ポンド(約7.3kg)体重が減り、お腹周りの脂肪は12%、太股は15%細くなり、代謝を高める筋肉が平均1.5ポンド(約680g)ついたという。

10:ストレッチ運動をサボらない

ストレッチは筋肉を柔軟に保ち、エクササイズや、その後の回復に備えるのを助ける。ストレッチをさぼると、有酸素運動や筋トレから得られるはずのメリットも得られなくなる。

「ストレッチをすると、有酸素運動の時に自由に動けるようになり、ウエイトトレーニングの時に筋肉によりストレンスグがつき、筋肉を長く脂肪を少なく保つのを助けます」と、ヴァージニア州のヴァージニア・スポーツ医学インスティチュート・イン・アーリントンのフィジカル・セラピストでスポーツトレーナーのシャロン・ウィレットは語っている。


Translation: Mitsuko Kanno From Harper's BAZAAR UK