「今日は何球打った? やりたくないなら帰れ」ジュニア選手にも容赦ない檄を飛ばす…“ゴルフ界の伝説”ジャンボ尾崎のジュニア指導流儀とは

ジャンボ尾崎氏 ©️文藝春秋

 「今日は何球打った? やりたくないなら帰れ」ジュニア選手にも容赦ない檄を飛ばす…“ゴルフ界の伝説”ジャンボ尾崎のジュニア指導流儀とは

「無名の高校生にこんな可能性を秘めた子がいるんだ」実力者でありながらプロテストには不合格…プロゴルファー原英莉花を導いたジャンボ尾崎の“意外なアドバイス”から続く【写真】この記事の写真を見る(4枚) 数々の記録を打ち立てたゴルフ界の巨星ジャンボ尾崎氏は、ジュニア選手の育成にも力を入れている。プロアマ・老若男女を問わずジャンボ尾崎氏の門戸を叩くゴルファーが後をたたないというが、その理由は、一体なぜだろうか?  長年「ジャンボ軍団」を見てきたプロゴルファー、金子柱憲氏による著書 『誰も書けなかった ジャンボ尾崎』 (主婦の友社)では、ジャンボ尾崎氏の素顔と彼が培ってきた揺るぎないゴルフ理論が明らかにされている。ここでは同書の一部を抜粋し、ジュニア選手に対するジャンボ尾崎氏の接し方について紹介する。(全2回の2回目/ 前編を読む )◆◆◆

なぜ、若者たちがジャンボを支持するのか?

ジャンボは長年にわたり、日本プロゴルフ界の第一人者として君臨してきました。現役当時の人気はすさまじいものがありました。ただ、人気者だったからこそ、アンチも多かったのも事実です。 ジャンボが短いパットを外すと拍手をする心ないファンもいる一方、同業者であるプロゴルファーからは、ジャンボに対する批判めいた話を耳にしたことがありません。それだけジャンボは全世代のプロゴルファーから信頼されていたのでしょう。 今でも男女、プロアマを問わず、ジャンボにアバイスを求める選手があとを絶ちません。もちろん、日本のプロゴルフ界を支えた第一人者であり、その功績とプレースタイルや存在感によるものが大部分を占めていると思いますが、何より真剣に接するという「人間性」が若者たちを引き付ける要因です。 ジャンボ軍団という枠にとらわれず、アドバイスを求める選手には、同じスタンスで接します。自分のスイング理論を押し付けず、スイング力学を原点に、それぞれの選手にとって実戦で役立つ方法を見抜き、アドバイスをする光景を何度も見ました。 その指導法が、トーナメントで良い成績を残したいと願う競技者たちの思いと合致しているのでしょう。