ダイエット停滞期にはチートデイを! やり方や頻度、おすすめメニューを紹介

チートデイとは、ダイエット実践中の体重がなかなか減少しない「停滞期」に、あえて摂取カロリーを増やす日のことを指します。

チートデイと決めた日だけは普段のストイックなダイエットメニューではなく、栄養バランスは考えながら好きな食事を楽しみましょう。意外に思われるかもしれませんが、あえてこういう日を設定することで、むしろ体重が減少しやすくなると言われています。

本記事では、チートデイが必要な理由や、実施するメリットについて説明します。また、チートデイを実施するにあたっての注意点についてもまとめていますので、ダイエット中の方もこれからダイエットを始める方も、ぜひご一読ください。

チートデイとは

チートデイとは「だます」などの意味を持つ「cheat(チート)」と「day」を重ねた言葉で、直訳すると「だます日」となります。

ダイエットにおけるチートデイは「飢餓状態だと『思い込んでいる体』に対し、『飢餓状態ではない』と誤った認識を持たせて減量を効率よく進めるため、一時的に多くのカロリーを摂取する日」などのように定義できます。

チートデイがダイエットに有効な理由

そもそも、チートデイがなぜダイエットに有効なのかを知っておきましょう。

ダイエットメニューによって摂取カロリーを制限し続けていると、身体は無意識のうちに「飢餓状態にある」と認識してしまい、生命維持を優先しようと消費エネルギーを少なくしてしまいます。これがダイエット中に訪れる停滞期の原因の一つです。

そこで有効なのが、チートデイ。あえて摂取カロリーを増やすことで、飢餓状態と認識している身体に「飢餓状態ではない」と伝えます。栄養をしっかりと摂取することで、身体は省エネモードから通常モードへ切り替わり、停滞期から抜け出せるというわけです。

チートデイを行うメリット

チートデイのメリットは主に以下の3点です。

それぞれのメリットについて、順番に解説します。

代謝が上がる

一度停滞期に入った身体は、基礎代謝が下がった状態になっています。摂取カロリーの制限によって飢餓状態が続くと、停滞期が長く続き「食事を抑えても痩せない」と不安や焦りを感じる人も少なくありません。

チートデイを行い身体の飢餓状態をいったんリセットすることで、下がってしまった基礎代謝を元に戻す働きが期待できます。

栄養状態を整える

ダイエット中にはどうしても不足しがちな栄養素が出てきます。不足している栄養素をチートデイで摂取することで栄養バランスを整えられる点も、チートデイのメリットです。

ストレス解消になる(ただしやけ食いに注意)

ダイエット中はどうしても食に関するストレスが募りがちです。自分の好きなものを思いきり食べられるチートデイは、食べることが好きな人にとって大きなストレス解消となるでしょう。

特に、ダイエットを頑張っているのになかなか結果が出ない停滞期には、余計にストレスが大きくなるため、チートデイの果たす役割は大きいと言えます。

ただし、チートデイがただの「やけ食い」とならないように注意しましょう。やけ食いになってしまうと、それまで抑えていた食欲が解放されてしまい、後日、普段のダイエットメニューに戻せなくなる可能性があります。

チートデイのやり方

チートデイは、単に「たくさん食べればいい日」ではありません。チートデイを機にダイエットのリズムを崩し、その後もズルズルと食べ続けてしまう――といったことがないよう、計画的に実行する必要があります。

ここでは、ダイエットを成功に導くチートデイのやり方をまとめました。

【チートデイ実施前】

・ある程度、体重を落としておく

ダイエット停滞期にはチートデイを! やり方や頻度、おすすめメニューを紹介

チートデイは、体重が落ちにくくなった停滞期を脱するための減量テクニックです。ダイエット着手間もない、体重がどんどんと落ちていく時期にやっても意味はありません。

【チートデイ実施日】

・期間は1日だけに定めておく

チートデイを行うのは1日のみです。つらい減量のストレスをその日だけは忘れ、「1日限定のごほうびデー」と思って存分に食事を楽しみましょう。チートデイの前後は必ず減量中の生活を維持することをお忘れなく。

・摂取カロリーに留意しつつ好きなものを食べる

チートデイは、普段の食事以上のエネルギーを摂取することが目的です。カロリーに換算する場合、自分の体重×40~45kcalを目安にしながら食事を楽しむとよいでしょう。このカロリー計算さえ頭に置いておけば、あとは自分の好きなものを存分に食べましょう!

・食事を最大限に楽しむ

チートデイでは、食事を心から楽しむために、ダイエット中に我慢していた肉料理や大好きなスイーツなど、本当に食べたいものを食べるようにしてください。食事を楽しむことで、ダイエットで溜め込んでいたストレスを発散させ、翌日からのダイエット再開に向けてモチベーションを上げられますよ。

【チートデイ実施後】

・体重の増減でチートデイの頻度を変える

一般的にチートデイを実施する頻度は1週間に1回、あるいは2週間に1回と考えられています。実施後はこまめに体重をチェックし、減少していればそのままにしておきつつ、減少が見られなくなったチートデイを再度実施し、頻度を調整するようにしましょう。

チートデイ実施における注意点

ここからはチートデイ実施時における注意点をみていきましょう。

チートデイの翌日に食べるもの

チートデイを実施した翌日は、しっかりと従来のダイエット中の食事をとりましょう。ダイエット食とチートデイの食事にメリハリをつけることで、身体に「栄養は足りている」と認識させることが重要です。

チートデイの周期や頻度

チートデイを行う頻度は「ダイエットの停滞期かつ、1週間あるいは2週間に1日のみ」にするとよいでしょう。日数を制限しないと、ずるずると食べすぎる日が続いてしまい、ダイエットが失敗に終わる可能性があります。

また、「食べ過ぎた日をチートデイにする」といった後付けも、ダイエットが失敗する原因となります。チートデイは計画的に実施し「チートデイを励みにダイエットを頑張る」という考え方で臨みましょう。

チートデイのためのおすすめメニューとカロリー計算

チートデイの食事メニューと摂取カロリーの計算方法について紹介します。

チートデイのおすすめメニュー

チートデイではダイエット中には減らしていた栄養素を摂取することが好ましいです。特に、ダイエットで食べるのを控えがちな炭水化物を摂取することをおすすめします。その他、ダイエット中に我慢している料理や食材などを積極的に食べてもよいでしょう。

最低限の栄養バランスと摂取カロリーは意識しつつ、不足しがちな栄養素を摂取する、カロリーはダイエット中の食事よりもかなり多めにするなど、普段の生活とはメリハリをつけたメニューにしましょう。

・焼肉・ステーキ

肉類にはたんぱく質やビタミンが多く含まれています。サンチュやサラダなどと一緒に食べるとよいでしょう。肉の部位によっては脂質が多いので、脂質の少ない赤身肉を中心に選ぶとよいでしょう。

・寿司

ダイエット時には炭水化物を控えがちなもの。チートデイにはぜひ炭水化物をとりましょう。寿司は炭水化物と魚介類のたんぱく質を一緒にとれるメニューなのでおすすめです。普段のダイエットのご褒美として、特別な贅沢感を味わってもいいでしょう。

・カレーライス

カレーライスも炭水化物を摂取しつつ、スパイスで新陳代謝を高めることができるメニューです。唐辛子の辛味成分である「カプサイシン」には体脂肪燃焼効果もあります。ダイエット時には控えてしまいがちなカレーですが、チートデイには我慢せず食べてしまいましょう。

・ライ麦パン・ベーグル

脂質が少なく食物繊維が多いライ麦パンや、脂質やコレステロールの少ないベーグルは、ダイエット時に食べるのにおすすめなパンです。炭水化物を摂取しつつ、カロリーを低くおさえることができます。

・和菓子

ダイエット時にはスイーツを我慢する人も多いでしょう。チートデイには普段我慢しているスイーツを食べ、ストレスを発散しましょう。炭水化物が多く脂質が少ない和菓子は、スイーツのなかでもおすすめです。

チートデイのカロリー計算方法

次に、チートデイに摂取するべきカロリーの計算方法を紹介します。さまざまな計算方法がありますので、自分が実施できやすいものを選択してください。

2の方法を採用するなら、まずは自分の基礎代謝量を調べましょう。厚生労働省のサイトに各年代の基礎代謝が記載されているので参考にしてください。

ちなみに、20代男性の平均的な基礎代謝は1,520kcal、20代女性の場合は1,110kcalと言われています。2の方法なら20代男性で4,560~7,600kcal、20代女性なら3,330~5,550kcalをチートデイで摂取します。

どの計算方法を見ても、チートデイではかなりのカロリーを摂取しなければならないことがわかります。1日でこれだけのカロリーを摂取するには、少食の人の場合、かなり計画的に考えて食事をする必要があります。

チートデイ失敗を避けるためのポイント

チートデイをダイエットに取り入れて実践するには、注意すべきポイントがいくつかあります。チートデイに引っ張られてダイエットが失敗することのないよう、気をつけるべき点は把握しておきましょう。

■一定以上の体重ならチートデイは不要

男性なら体脂肪率25% 以上、女性なら体脂肪率35% の場合、チートデイの効果は薄いと言われています。体脂肪率がこれらの値を下回るまでは、まずは地道にダイエットのメニューをこなしていきましょう。

■体重の増減に合わせて間隔を調整

チートデイの頻度は週1日程度が好ましいと説明しましたが、体重の増減に合わせて間隔を調整するとさらに効果的です。体脂肪率とチートデイの頻度の対応を男女別でまとめましたのでご確認ください。

チートデイの頻度男性女性
2週間に1度20% 程度30~35%
10日に1度15% 程度25~30%
1週間に1度10% 程度20~25%
4日に1度7% 程度20% 未満

体脂肪率が多い場合は、チートデイの頻度も2週間に1回で十分です。これ以上多い回数のチートデイは、ダイエットの妨げになってしまうので注意しましょう。

■チートデイ以外の日はストイックな食事を

上述のチートデイのやり方でも説明しましたが、チートデイは1日限定で計画的に実施してください。

中途半端にチートデイを取り入れると、食の誘惑に負けてあっという間にダイエットが失敗してしまいます。チートデイの前日および翌日は、特にストイックな食事にして、現在はダイエット中だという自覚を強く持ちましょう。

チートデイは計画的に行ってこそ効果が出る

チートデイは、ダイエットの停滞期に限り、計画的に行うことで効果が期待できる方法です。

しかし、食事を大いに楽しむチートデイで食の誘惑に負けてしまうと、逆にダイエットに失敗してしまいます。チートデイのメカニズムをしっかりと理解してダイエットの停滞期をうまく乗り越え、自分の目標とする体重になるまで頑張ってダイエットを続けましょう。