二年以上前にはゲーム用のスマホなんてものはありませんでした。しかし、それも今は昔、令和の今、「ゲーミングスマホ」というカテゴリーができています。Asusだって、Xiaomiだって (新作ももうすぐ)出してるんです。Razerに至っては2種類も。そんなの必要あるの?て言っている人もいる一方で、リフレッシュレート(Hz)が90Hzもある滑らかなOnePlus 7 Proの画面は、他のスマホにも搭載されていますが、ゲーミングスマホといえば引き合いにだされる画面となりました。これらのスマホはゲーミングスマホというカテゴリーを広げる大きな影響を与えました。Nubia Red Magic 3にとっては抜き差しならない状況かも。OnePlusの次の世代にファンが搭載されたって聞いても、正直あまりうれしくないです。ですが、こんな感じの機能が追加されてこの値段、やはりベストゲーミングスマホはこれで決まりでしょうか。
マジでRed Magic 3はゲーミングスマホにゲーマーがほしい機能をすべて備えています。大きな6.65インチの画面にリフレッシュレートは90Hz、ステレオスピーカー、最新のQualcomm製Snapdragon 855チップ、メモリは8GB、 ストレージは128GBで、もちろん背面のRGBライトも見逃せないポイント。 ゲーミング機器のカラバリの王道を行く、ゲーマーの美意識をそそる黒と赤のカラーテーマで、ちょいアグレッシブなトライアングルモチーフを背面にもってきています。
これは何?:6.65インチゲーミングスマホ
価格:480ドル(日本国内価格:6万8000円[税別])から
好きなところ:カッコいいデザイン、背面のRGBライト、高スペック、バッテリー寿命、価格、もってて楽しい機能が満載!
好きじゃないところ:防水性なし。NFCもワイヤレス充電なし、セキュリティパッチ対応が遅い、ソフトウェアとユーザーインターフェースに慣れるのに時間がかかる、ステレオスピーカーのサウンドはバランス悪し。
角がなくて握りやすい
Razer Phone 2と同様Red Magic 3にはパワフルなステレオスピーカーがついていますが、角ばっているRazerと違い、角をとった滑らかな形状なのでゲームをしながら握る手にやさしい仕様となっています。Red Magic 3には画面上下にベゼルがありますが、 Razer Phone 2のベゼルよりも小さく、ベゼルと画面のバランスがとれ、ルック&フィールは抜群。
画面は6.65インチのAMOLED(2340 X 1080)で、背面部は金属製でがっしり系。Red Magic 3は絶対的なゲーミングスマホです。Galaxy Note 9やOnePlus 66 Proと並べると、Red Magic 3はずっと大きくなっています。しかし、その厚みある本体には機能がたくさん詰め込まれています。Red Magic 3にはmicroSDを追加できるSIMトレーがついていますし、ヘッドホンジャックもあります。きわめつけはビルトインのアクティブ冷却ファン、PCさながらです。
冷却ファンは…残念ながらお飾り
スマホにファンを取り付けるというアイディアはまさに突飛そのものですが、考えてみれば悪くはないアイディアですよね。スマホから発生する熱はパフォーマンスに影響します。モバイル版の『PUBG』をプレイしたことのある人ならわかると思いますが、かなり熱くなります。 冷却効果が確かにあるのなら、スマホにファンを取り付ける意味はあるでしょう。
で、その効果を測るために、スマホのファンを全開にして使用した場合とまったく使用しなかった場合とを比較するストレステストを実施してみました。3DMarkの Slingshot Extremeグラフィックテストを10回連続で実施、激しいゲームプレイに耐えられるかを確かめたのです。その結果は...残念ながらファンはどうも飾りにしかすぎなかったようです。
まず、ファンなしで「Slingshot Extreme」テストを10回実施、Red Magic 3のスコアは5051点でした。一方ファンを全開にした場合では5255点。 5%も違いません。違いはほとんどないと言ってもよいでしょう(Red Magic 3によれば コールドブートしたのちのスコアは6354点とされています)。テストを重ねるうち、起動時から数回のゲームプレイでは、手が汗をかかないことに気づきました。ゲームをしているときにRed Magic 3から得られるものといったら、この小さな“ハンドドライヤー”の回転音、ということになります。
ゲーミングモードボタンがある
Red Magic 3のビルトイン冷却ファンは、なにもゲームだけにしか使えないものではありません。Nubia Red Magic 3にはゲーミングモードがあります。モードの切替はがっつりの物理スイッチ。端末横のスライダーはOnePlusのように消音かロックのためのスイッチかと思いました。でもそうではなく、このスイッチを切り替えることにより、ゲームアプリを一同に集めたゲーム専用ユーザーインターフェースが現れます。また現在の端末のシステム情報を確認するなど、特殊機能も搭載されているんです。Reg Magicのゲーミングモードをオンにすると、端末の温度やCPUのクロックスピードや、データ接続などの情報を確認できます。
スクショ用のショートカットは便利だし、メッセージが入ってくるのをブロックする機能や、ファンのオン・オフ、一部のゲームで振動を感じることができる4Dショックという機能もついています。残念ながら、現在のところサポートされているのは、『PUBG Mobile』『Knives Out』『Asphalt 9』『QQ Speed』の4種類だけですが...。
UI面でもっとも私が気に入ったのは、Red Magic 3を横持ちしたときに両の人差し指がかかるところにあるふたつのボタンです。このふたつのボタンはキーマッピングが可能で、“LRボタン”として機能します。『Fortnite』や『PUBG』などのバトルロワイヤルゲームに最適で、タッチコントロールはプレイしているゲームに合わせてカスタマイズが可能で、可能性は無限大という感じです。
ただし、やはりこれらの機能やボタンにはなれるまでに少し時間がかかりそう。ゲーミングモードをオンにすると圧倒される感じです。Red Magic 3のリアにあるRGBライトにも無数の設定があり、これまたゲームモードで設定を変更できます(Androidの設定からも変更可)。
ソフト面は向上を望む
不満の種はRed Magic 3のソフトウェアかな。OSはAndroid 9がついていますが、これがまたよくフリーズしたり落ちたりして使い心地がよくない。アプリを閉じて再起動させなくてはならないので不便極まりないレベルです。正直、ちっちゃな不満ではありません。そんな不具合はあってはならないと思います。その上、6月の末に新しいシステムアップデートが予定されているのにも関わらず、システム上のGoogle Andoroidセキュリティパッチは3月のまま。
バッテリーが超優秀
救いは、Red Magicのバッテリー寿命でしょうか。バッテリーテストでは13時間15分という記録をたたき出し、Razer Phone 2の9時間45分をしのいでいます。ROGの12時間57分すら上回っています。
カメラ性能は他社フラッグシップに劣るも悪くはない感じ
Red Magic 3のカメラは、画素数4800万。シングルレンズにもかかわらず、画像の質は良好です。近年のスマホには複数レンズがついていることが多いですが、だからこそ新鮮。昼光の下ではRed Magic 3の画像はシャープな感じ(競合にはかなわないながらも)で、夜はGalaxy S10よりもいい感じのホワイトバランスでした。総合的に見てRed Magic 3のカメラで撮れる写真の画質は、AppleやSamsung、Googleのフラグシップ機と比べると明らかに見劣りします。とはいえ、あくまでもメインはゲーミングのスマホですから劣っていてもそこまで問題ないでしょう。十分想定内です。
値段が衝撃的
しかし、衝撃なのはRed Magic 3の480ドル(約5万1800円)という値段です。Razer Phone 2よりも300ドル(約3万2000円)も安く、Asus ROGよりも400ドル(約4万2000円)も安くなっているのにスペックもバッテリーの持ちも上。 カラフルなライトにゲーム機能も充実。しかもさらにハイスペックな上位機種もあって、こちらはメモリ12GB・ストレージ256GB。カモフラージュ柄がカッコよく、オプションでコントローラやドックもつけられます。
惜しむべくはソフトウェアだけですね。セキュリティアップデートもタイムリーに対応してほしいです。しかし、がっしりしたゲーミングスマホを求めているゲーマーなら抗いがたい魅力をRed Magic 3は備えています。
まとめ
・Red Magic 3にはゲーム専用モードの切替スイッチがついている。熱いゲーマーを鎮める冷却ファンもビルトイン。ゲーマーに必須のRGBライトももちろんついている
・Red Magic 3にはゲーム機能がたくさんついているがワイヤレス充電はなし。NFCもなし、防水もなし。
・6.65インチのAMOLED画面と厚みのある金属製の背面部はがっしりとしたガタイ。
・Red Magic 3のステレオスピーカーはバランスがよくなく、Wi-Fiは802.11acのみ。
Nubia Red Magic 3は国内でも販売されていますが、記事公開時点では技適未取得とのこと。本製品を日本国内で利用すると電波法違反となる恐れがあるため、購入はおすすめできません。