ステアリングコラム一式は、アルトから移植したもので、意外なほど違和感なくフィットしている。
基本がしっかりとアップデートされた大人のセダンとして、制作されたハコスカ2000GT。その、ボディメイクや足まわり、吸排気系などの構築は「プロショップ ナカガワ」に依頼した。内装はひと通り装備しているが、カーペットレスでフロアパネルが剥き出しのためスパルタンな印象の室内など【写真35枚】 フットワークでは、オリジナルフロント車高調を製作し、スタビライザーもピロエンドを採用して調整式に加工。フロントアッパーマウントの調整と取り付け位置の変更によって、キャンバーとキャスター角の修正も図る。その結果、街乗りからサーキットまでをカバーするオールラウンドな仕様と想定し、乗り心地を損なわず、適度にロールを抑え、ダイレクト感を高めていける足まわりに調教している。 なお、外装はオーバーフェンダーやGT‐R仕様にはせず、ナローボディを維持したシンプルなスタイルの仕上げ。ただし、リアはガーニッシュを取り外し、テールリムを取り外すなど、ややレーシーなテイストを与えている。リアに対してフロントまわりは、1971年式からあえて雰囲気のやわらかい1969年式の3分割グリルへと変更。ワイルドさを抑えたフロントと、少しやんちゃなリアのミスマッチを狙うなど、遊び心もあるハコスカに仕上げられた。OWNER’S VOICEハカスカGT-Rを所有していることもあり、オーナーの牧さんは「このクルマにはヤル気にあふれたルックスは求めていないんです」と割り切っている。エンジン、フットワーク、駆動系、補強などは高度に作り込むが、外観にはなぜかヤレ感を残す。「片っ端から再販の新品部品に取り換えていくのではおもしろくない。このクルマが歩んできた歴史も尊重して、適度なヨレや古さは『味』として残してあげたいんです」と、このクルマへの愛が伝わってくる。初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)1971年式 スカイライン 2000 GT(C10)SPECIFICATIONS 諸元●エクステリア:69年式3分割フェース、FRPボンネット、テールレンズ埋め込み(リアガーニッシュレス)●エンジン:L28型改3.1L仕様、ボアφ89mm×ストローク83mm、圧縮比12:1、東名製カム(80度/9.2mmリフト)、ビッグバルブ(INφ46mm、EXφ38mm)、亀有製スプリング/クロモリリテーナー/鍛造φ89mmピストン、L20型用コンロッド、LD28型用クランク●点火系:亀有製デスビ、MSD製コイル&6AL ●吸排気系:ソレックス50PHH(ベンチュリーφ43mm)、等長タコ足、オリジナルワンオフマフラー●燃料系:安全タンク、コレクター内inポンプ+ニスモ製ポンプ、オリジナルフューエルデリバリー●冷却系:KOYO製改ラジエーター、フロントフェンダー内オイルクーラー●駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、71Cミッション、R200デフ●操舵系:エンジンメンバー加工、S30Z用ラック&ピニオンステアリングラック移植●サスペンション:(F)車高調(R)リジッドメンバーカラー●ブレーキ:(F)R32キャリパー+ラインロック(R)アルフィンドラム●インテリア:デフィタコメーター&追加メーター(油温、油圧、水温)、オートメーター製追加メーター(燃料、燃圧)、レカロ製フルバケットシート(SPG)、ウイランズ製4点式ハーネス、他車流用ステアリングコラム&センターコンソール●タイヤ:ダンロップ(F)ディレッツァZ1 195/55R15 (R)フォーミュラーR 205/55R15●ホイール:パナスポーツG7 C8R (F)15×7.5J (R)15×8.0J
Nosweb 編集部