F1メカ解説|2021年、レッドブル・ホンダRB16B大解剖~その3

レッドブルRB16Bに搭載されたホンダPU

レッドブル・ホンダの2021年用マシンRB16Bを、イラストとクローズアップ写真でチェック。その”開発史”を振り返る。【ギャラリー】ホンダF1全マシン(1964~2021)ー『夢』と『挑戦』が詰まった50台ー 2021年最速の座を、メルセデスと激しく争ったレッドブル。最終的にはコンストラクターズタイトルこそメルセデスに奪われたものの、マックス・フェルスタッペンのドライバーズタイトル獲得に貢献した。 ホンダはこのシーズンがF1活動最終年。そのため予定を1年前倒しして、新骨格のパワーユニット(PU)を用意した。この新骨格PUでパワーアップを実現。さらには低重心、コンパクト化されたことで、マシンのパッケージ面にも貢献した。そしてシーズン後半には、アップデートされたエナジーストア(回生システム用バッテリー)も投入。こちらもハイパワー、高効率を実現することになった。 写真はホンダの2021年用パワーユニットRA621H。カウルが外されているので、非常によく観察することができる写真である。エアボックスの上にクーラーが乗せられているのも、このPUの特徴。その側面には、車体内部の気流をコントロールするためのカーボン製パーツが存在しているのも確認することができる。

 F1メカ解説|2021年、レッドブル・ホンダRB16B大解剖~その3

■ホンダのエナジーストア

ホンダPUのエナジーストア

ホンダはベルギーGPのフェルスタッペンを皮切りに、新型のエナジーストア(ES)を投入した。当初は2022年に投入される予定だったこのESだが、F1活動終了の決断を受けて開発を前倒しし、2021年後半からの投入が実現した。この新ESは抵抗が低く効率も高いだけでなく、超高出力と軽量化も達成したモノだった。開発はイギリスのHRD-UKが担当したものの、日本の開発部隊も大いにサポートしたという。

■ギヤボックスとリヤサスペンション

ギヤボックスとリヤサスペンション

搭載準備が進められるギヤボックス。リヤサスペンションのロワアームは、ブレーキダクトに接続される直前で、ウイング形状が変化しているのがよく分かる。またギヤボックスの上に取り付けられている格子状の金属パーツは、リヤウイングのサポート。ここにはエキゾーストパイプが配置されるため、その熱に対処すべく、金色の耐熱処理がなされている。