健康ブームに乗って、体重だけでなく、筋肉量や内臓脂肪が分析できる体組成計が進化しています。スマートフォンで、運動の成果を手軽に確認できる商品が主流になっています。
新生活が始まる春は、体組成計が売れる季節だ。ヨドバシカメラマルチメディア梅田(大阪市)でも3月ごろから、販売数が増えるという。
売り場担当の木原航平さん(26)は「中高年にもスマホが身近になり、手軽な健康管理手段として定着しつつある」と話す。専用のアプリをダウンロードすれば、測定結果の推移がグラフで確認できる商品が最近の売れ筋だ。
体組成計は、体重に加えて、体の電気抵抗などをもとに、体脂肪率や水分量、腕や足の筋肉量などを算出する機器。家庭用は大手メーカーが、2000年ごろから販売し始めた。
最近は、新しい機能が加わった高額商品も出ている。タニタ(東京)の「インナースキャンデュアル」の市場想定価格は5万4千円。体重は50グラム単位で測定でき筋肉量や体脂肪率は、左右の腕と足、胴体ごとに表示される。筋トレを習慣にしている人や、筋肉量の低下を心配する中高年層に購入者が多いという。
逆に、体重やBMI(体格指数)などが測れるだけのシンプルで、3千~4千円ほどの商品の人気も根強い。梅田ロフト(大阪市)には、柄が描かれているものや、全面が淡いピンク色のものなどが並ぶ。「インテリアとしても置ける」(広報担当者)ものが人気だ。
調査会社のGfKジャパンによると、17年の家電量販店における体組成計の平均単価は4年前より14%高くなった。全体で見れば、高額商品にシフトしている。(神山純一)
乗るだけ、4秒で計測
オムロンの「HBF―255T」は、電源をいれなくても乗ればセンサーが人を感知し、4秒で測定できる。初回のデータを登録すれば、自動で個人を推定し、体脂肪率などを測定する。スマホの専用アプリからは、過去のデータを数字やグラフで見られる。市場想定価格1万5984円。
あなたの「美脚度」評価
タニタの「La Muse BC―800」は、両足の筋肉量と脂肪の割合から「美脚度」を評価し、0~100点で示す。全身の皮下脂肪率も5段階で表示。体形維持をめざす人向けの商品だ。電極の素材には樹脂を使い、冷たさを減らした。タニタオンラインショップのみで販売で、1万800円。
内臓脂肪量30段階で
エレコムの「HCS―RFS01」は、腹部全体への内臓脂肪のつき具合を、30段階で評価する。体重と電気抵抗から、内臓脂肪の量を推計するプログラムの精度を高めた。基礎代謝量も測定でき、肥満が気になる人が健康管理に使う商品を目指した。標準価格6772円。
キラキラマーク 減量応援
パナソニックの「EW―FA23」は、体の左右のバランス状況を年齢で表示してくれる。前回よりも300g以上減れば、液晶画面上にキラキラマークがあらわれる。設定した目標まであとどれだけ減量が必要かも表示。体重を量るのが楽しみになる。市場想定価格6千円。
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大手メーカーの主な商品から選びました。価格は税込み
体組成計の売れ筋ランキング
①オムロンHBF―228T1万770円
②タニタ RD―800 4万3610円
③タニタ RD―907 1万8980円
④オムロンHBF―255T 1万5940円
⑤タニタ BC―315 6080円
⑥タニタ RD―906 1万3880円
⑦パナソニックEW―FA23 3280円
⑧エレコムHCS―RFS01 3950円
⑨タニタ RD―503 1万2010円
⑩ノキアテクノロジーズ WBS051万2050円
※ヨドバシカメラマルチメディア梅田の2月の売上高、価格は店頭価格で税込み(きりとりトレンド)