国内IT投資動向調査、要注目は「顧客エンゲージメント」ツール、4つの先進事例とは

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    国内IT投資動向調査、要注目は「顧客エンゲージメント」ツール、4つの先進事例とは

    企業の顧客接点における非対面・非接触形式の採用はもはや当たり前となり、今後も維持されると見られる。また、制限された環境下では新たな動きが起きている。オンラインを巧みに活用し、リアルと組み合わせた新しい体験の構築だ。ITRが毎年公表する「国内IT投資動向調査2022」の速報値を踏まえ、同社の2人のシニア・アナリストがデジタルを効果的に活用した顧客体験構築のトレンドを解説した。

    <目次>
    1. コロナ禍でも国内企業のIT投資が持ち直している理由
    2. なぜ今、顧客エンゲージメントの強化が重視されているのか
    3. 顧客エンゲージメントの向上に必要不可欠なIT基盤
    4. 顧客エンゲージメントの向上を実現している、4つの先進事例

    コロナ禍でも国内企業のIT投資が持ち直している理由

     20年以上継続して実施されてきたITRの「国内IT投資動向調査」では、国内企業におけるIT予算額を前年度と比べた増減割合を「IT投資インデックス」として示している。アイ・ティ・アールのシニア・アナリストである三浦 竜樹氏は「2019年度実績からの下落傾向がコロナ禍の2020年度も続いていたが、『IT投資動向調査2022』の速報値によると2021年度は持ち直した。また、2022年度の予想では前年比で微減するものの、ほぼ横ばいと捉えて良いだろう」と語る。 同調査において、IT投資インデックスがマイナス指数を示したのは、リーマンショック時の2009年度のみ。コロナ禍でも同指標がマイナスにならなかった背景について、三浦氏は「ビジネスを継続していくためにデジタル化、あるいはDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めることが必要となり、その実現に向けたIT投資が進められたから」と推察する。 「IT投資動向調査2022」速報では、主要4領域の取り組み状況が示されている。顧客エンゲージメント領域の進展スピードは、「ワークスタイルの変革」などが含まれる従業員エンパワーメント領域に比べると従来は遅い傾向にあった。しかし、三浦氏によると「データ分析をもとにしたマーケティングの遂行」によって、顧客エンゲージメント領域でも成果を上げた企業が比較的多くなっているという。 また、「マルチ/オムニチャネルの多様化/高度化」分野では、コロナ禍で飲食業のテイクアウトなどのオンライン注文が進展したこともあり、三浦氏は「今後は成果が出ることも期待できる」との見解を示す。 さらに、ITソリューションへの投資動向を見ると、顧客エンゲージメント関連ソリューションでは「Eコマース」と「SFA/営業支援強化」、「CRM/カスタマーサポート」などのソリューションに対する投資が増加傾向であることが示されている。三浦氏は「コロナ禍では、オンラインへのシフトなどの変革が必要であったことが反映している」と推測する。

    なぜ今、顧客エンゲージメントの強化が重視されているのか

     アイ・ティ・アールのシニア・アナリストである水野 慎也氏は「なぜ、今、顧客エンゲージメント強化が求められているのか。現在の厳しいマーケティング環境と、進展するデジタル化の流れという2つの側面から、その背景が読み取れる」と指摘する。 水野氏によると「顧客エンゲージメントとは、提供する製品・サービスが購買契約に至ることに加え、企業と顧客がより強い信頼関係を構築することである」という。また、「信頼関係を構築し、長く継続するためには、製品やサービスなどの機能的な価値だけでなく、提供されるさまざまな体験が関係する」と説く。 顧客エンゲージメントを高める要素の変遷について、同氏は、『コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則』(フィリップ・コトラー、ヘルマワン・カルタジャヤ、イワン・セティアワン共著、朝日新聞出版 2017年)を例に挙げた。 さらに、2021年2月の最新著作『マーケティング5.0(Marketing 5.0 / Philip Kotler)』(日本語版は未発刊)では、マーケティング5.0では「人間を模したテクノロジーによるカスタマージャーニーの価値向上」が提起されていると紹介した。 その上で、水野氏は顧客エンゲージメントを高めるために必要なこととして「顧客との接点の構築」を挙げ、「購入や利用だけでなく、顧客の行動導線上に多様なチャネルを構築し、それらを連携させて接点を持つことが重要である」と説明する。 同氏は、顧客エンゲージメントを高めるポイントとして「理解を深めてもらう」「適切にレコメンデーションする」「顧客を成功体験に導く」という3点が重要だと説く。 たとえば、顧客の深い理解と共感を得るためには、VR/AR、動画、ライブコマースなどのよりインパクトのあるデジタル技術を巧みに組み入れ、納得感の高い体験によって訴求力を高めることが大事だという。 さらに、レコメンデーションのキラーツールである「スマートフォン」を活用し、購買を後押しする最適なタイミングの見極めとアプローチの重要性を説く。また、顧客の継続的に契約・購買につなげるためには「ロイヤルプログラムやコミュニティやSNSを介した相互共感の場の提供、決済・配送・認証・個人情報管理などの良質やユーザー体験を提供することでファンになってもらうことが有効だ」と強調した。 水野氏は「顧客アプローチを評価するためには、顧客の行動と意識を測る仕組みの構築が重要だ」と語り、顧客とのさまざまな接点から得られたデータを蓄積・評価して顧客エンゲージメントの深さを可視化し、次の改善につなげられるIT基盤が必要不可欠になると説明した。【次ページ】顧客エンゲージメントの向上に必要不可欠なIT基盤

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