ラグの少ない新伝送技術がポイントです。
Mavicシリーズでも、Phantomシリーズでもない。まったく新たな流れとなる新ドローンがDJIから登場しました。モデル名は「DJI FPV」。ファー・パーソン・ビュー、つまり一人称視点のドローンです。
従来のDJIドローンが捉えた映像は、基本的にスマートフォンの画面に映し出していました。しかしDJI FPVは付属するヘッドセット「DJI FPVゴーゴルV2」に直接映像を送り込むシステムに刷新。レーシングドローンのように、操縦者の目にはDJI FPVの先にある景色しか見えなくなるのです。この視界ジャック感、ぜったい新しいぞ...!
搭載されるカメラは4K 60fpsに対応。しかも視野角は150fovで、GoProのSuperView(148fov)クラス。いままでのDJIモデルの記録を超える最高速度140km/hのスピードで飛ばしても、周囲を見渡せるのです。
キーテクノロジーはDJI O3(OcuSync 3.0)という新しい伝送システムです。最大ビットレート50Mbpsの高解像映像を、28ミリ秒以下の遅延でヘッドセットに送れるのです。しかも伝送距離は最大6km。
本物のレーシングドローンはさらに低遅延な伝送システムを用いていますが、ラグを減らすことを重視しており画質はかなり厳しいものがあります。DJI O3は画質優先でありながら遅延を減らしたというのがポイントなのです。
またボディはモジュラー式で、ジンバルカメラなどを外せます。Mavicのような折りたたみ式よりも剛性が高く、壊れたときのパーツ交換が早いというメリットがあります。
ドローン本体、DJI FPVゴーゴルV2、送信機、バッテリーやケーブル、ACアダプタなどの付属品がついてのお値段は15万4000円です。また片手でフルコントロールできるDJIモーションコントローラも別売されます。
こういった特徴から、DJI FPVはホビーユース機であり、疾走速度が求められる映画や広告の撮影現場向けの空飛ぶカメラであり、巨大な橋や大型建造物といった建造物の状態チェックにも使われる業務用ドローンであることが見えてきますね。
Source: DJI