最高の画と音を楽しめるBDレコーダ「DMR-BZT9300」

コンパクトに見えて、ずっしりと重いボディ。鉄の塊かと思わせる剛体感

 さっそく、編集部から届いた製品を開梱する。見た目はコンパクトなのに、ずっしりと重い。その重さのため、両手で丁寧に箱から取り出し、ラックにしっかりと設置する。

 それにしても、重いし硬いボディだ。重量は7.7kg。両手に持って力を加えてみても歪んだりするような感じはなく、鉄の塊のようだ。特に底面は、凸凹としたリブ補強などのない、フラットで厚みのある鋼板でカバーされている。これだけの作りをしているのも異例だが、こういった剛体設計や重量は音質にも大きく効果があるので期待がつのる。

DMR-BZT9300の正面。天面のアルミパネルが上部にも続いているため、多少印象は異なっているが、基本的なデザインは下位モデルと共通。パネルは前面がハーフミラー処理となる正面パネルを開いたところ。USB端子やSDカードスロット、B-CASカードスロットがある背面。BDレコーダでは唯一のバランス音声出力端子が迫力。HDMI端子は2系統で、USB端子は2.0端子と3.0端子の両方を備える。電源は3極端子を採用。ちなみに、側板や天板の厚さもここで確認できるDMR-BZT9300の側面。ヘアライン仕上げに加え、3本のラインも入っているなど、見た目の仕上がりも良好だフラットな底面。拳で軽く叩いてみても、コツコツと硬い。実に頑丈なシャーシだ。インシュレータは、セラミック採用付属の電源ケーブルは、3極タイプの極太ケーブル。作りも良く、折り曲げずに収納されているのにも好感が持てる

最高の画と音を楽しめるBDレコーダ「DMR-BZT9300」

 例によって、ウォームアップを兼ねて初日は視聴を行なわず、テレビ放送の録画など、BDレコーダとしての機能を一通り確認した。最長15倍の長時間録画は、内蔵エンコーダが3基となったため、3番組同時録画でも残り一つが変換待ちとなることがない。そして、DLNA配信のストリーム数が2つとなり、同時に2つのクライアントへ番組配信などを行なえる。さらに、従来はできなかった変換ダビング中やBD再生時(シアターモードを除く)でも、DLNA配信が可能。同様に、スカパー! HDとの連動録画中でもBD再生ができてしまう。これは使い勝手が大幅に高まる。

 このほか、外付けHDDの増設がUSB 3.0対応となったこともあり、USB HDDだけで3番組同時録画や長時間録画が行なえるなど、内蔵HDDとほぼ同様の使い勝手を実現し、レコーダとしての実力はかなり高まっている。番組表の高速な表示やサクサクとしたレスポンスの良さなども使っていて快適だ。とはいえ、これらは「新ユニフィエ」搭載モデルならば対応しているもので、本機だけの機能というわけではないが。

付属のリモコンは十字キー部分を改良。タッチパッド部分はやや小さくなったが、スライド操作などは従来通り行なえる

 もうひとつのポイントは、リモコンの改良だ。本機のほか、DMR-BZT830に付属する無線タイプのリモコンは、今回からタッチパッドと十字キーが独立し、操作性が格段に向上した。先代のリモコンはタッチパッドの上下左右に十字キーがあり、中央に決定キーあったため、決定を押したつもりで十字キーの上が反応するなど、使いにくいところがあったが、これらの操作ミスが解消され、非常に使いやすくなっている。

 もうひとつ追加しておきたいのが、今秋のソニー機で注目されているもくじ機能。録画済み番組の詳しい内容をリスト表示し、見たいシーンに移動できる機能だ。同様の機能はパナソニックではすでに搭載済みだ。この番組視聴サービス「ミモーラ」は月額315円の有料サービス。有料であるため注目度は低いかもしれないが、実は番組の内容表示までは無料で利用できる。番組移動をしたいとなると、有料サービスに登録する必要がある。無料でもある程度便利に使える。

録画一覧リストで番組を選び、一時停止ボタンを押すと「シーン一覧」が表示される。この表示までは無料で登録不要で行なえる。ここでの時間表示を頼りに移動すれば、見たいシーンを探しやすい番組移動をしようとすると、ミモーラへの登録を促す画面が現れる

 本題は、当然画質・音質の良さだ。放送を見るだけでその威力がはっきりとわかってしまう。実用上で言えば、画質や音質は、DMR-BZT830などの下位モデルも十分に優れた実力を持っているのだが、その差は別格で、型番通りケタ違いに良い。

 おそらくはノイズ低減の徹底のために、映像のノイズが極めて少ないことが大きな差の要因。放送由来のMPEGノイズもよく抑えられているし、暗部に乗るランダムノイズが少ないため映像に清潔感がある。まさにベールを一枚剥いだような画質だ。

 音質も低音の伸びやキレ味の良さを感じ、AAC音声とは思えない情報量の豊かな音が聴ける。こちらもS/Nの向上で埋もれていた細かな情報がよく出ているのだろう。