【管理栄養士に聞く】「MCTオイル」がダイエットにいいって聞くけど、効果あるの? どうやって摂取するのがおすすめですか?

【管理栄養士に聞く】「MCTオイル」がダイエットにいいって聞くけど、効果あるの? どうやって摂取するのがおすすめですか?

「油」と聞くとダイエットの大敵になるイメージですが、最近はダイエットや健康の味方となる「油」が注目されています。その中でも最近よく名前を見かける「MCTオイル」の効果やほかの油との違いについて「管理栄養士」の落合さんに伺いました。[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

 【管理栄養士に聞く】「MCTオイル」がダイエットにいいって聞くけど、効果あるの? どうやって摂取するのがおすすめですか?

MCTオイルって?

編集部:最近話題のMCTオイルについて教えてください。落合さん:MCTは「Medium Chain Triglyceride」の略で、訳すと「中鎖脂肪酸」です。この天然成分MCT「中鎖脂肪酸」はダイエットや疲労回復効果が期待できることで知られています。植物油など一般的に使用される油は「長鎖脂肪酸」が多く含まれており、この違いがMCTオイル最大の特徴です。編集部:「中鎖脂肪酸」とはなんですか?落合さん:「長鎖脂肪酸」より分子が少ない脂肪酸です。特別に珍しい成分というわけではなく、牛乳や母乳にも含まれているので意外と身近で摂取している安全性の高い脂肪酸です。MCTオイル自体は主にヤシ科の植物の種から抽出される油で、ココナッツオイルやパーム核油などに多く含まれます。編集部:ココナッツオイルやパーム核油とは何が違うのでしょうか?落合さん:MCTオイルは中鎖脂肪酸が100%です。ココナッツオイルやパーム核油の中鎖脂肪酸は約60%程度なので、MCTオイルはこれらの油より中鎖脂肪酸が多く含まれています。また、ココナッツオイルは20度以下だと固まってしまいますが、MCTオイルは低温でも固まりにくく、酸化や熱による劣化もしづらいので常温で保存することが可能です。

MCTオイルの効果

編集部:MCTオイルのダイエット効果について詳しく教えてください。落合さん:肝臓に運ばれた中鎖脂肪酸は、一般的な植物油の長鎖脂肪酸よりも素早く分解されてエネルギーとして消費され、脂肪として体に蓄積されづらい特徴があります。MCTオイルはそのダイエット効果が特に注目されており、ダイエットの味方となる油として企業から商品化も多くされています。編集部:なぜ中鎖脂肪酸にはそのような特徴があるのですか?落合さん:「中鎖脂肪酸」が蓄積されにくいというのは、「長鎖脂肪酸」の方が肝臓へ到達するまでに時間がかかるため吸収、蓄積されるのに対し、「中鎖脂肪酸」は肝臓まですぐに到達し分解されるためです。編集部:ほかにどのような効果がありますか?落合さん:肝臓で脂肪が分解されると、「ケトン体」が産生されてエネルギーとなります。「ケトン体」をエネルギーにすることで、疲労回復や認知症の改善が期待されており研究もすすめられています。通常は脳や筋肉のエネルギー源とされるのは糖質から分解される「ブドウ糖」ですが、脂質から分解された「ケトン体」が代用として活用されることが分かっています。また、「中鎖脂肪酸」を摂取した人と「長鎖脂肪酸」を摂取した人では、体が疲労するまでの時間に差があり、「中鎖脂肪酸」を摂取した人は疲れにくいという結果も報告されています。そのため、体力や持久力を高めたい人にもおすすめです。